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環境・社会リスクと影響を特定、評価、管理するための枠組み
「赤道原則」の採択と遵守

大規模プロジェクトによる環境・社会リスクと影響を特定、評価し、管理するための枠組みである赤道原則(Equator Principles)の採択と遵守を通じ、持続可能な環境・社会の実現に貢献しています。

赤道原則に基づく環境・社会配慮確認銀行

大規模なインフラ整備や資源開発などのプロジェクトは、プロジェクトサイトおよびその周辺の自然環境や地域社会に対して、負の影響を及ぼす可能性があります。

こうした自然環境や地域社会が受ける負の影響を回避または緩和するため、三菱東京UFJ銀行は2005年に赤道原則を採択し、プロジェクトを推進するお客さまに対して、同原則に基づく環境・社会配慮をお願いしています。

具体的には、プロジェクトへの融資決定に先立ち、お客さまと協力して環境・社会に対するリスクと影響を特定、評価し、それらを回避、最小化、緩和、またはオフセットする対策がとられていることを確認します。また、融資実行後も、環境・社会リスクが顕在化していないか継続的にモニタリングします。

このように、赤道原則に基づくプロジェクトの環境・社会配慮確認を通じ、お客さまの環境・社会リスク管理をサポートするとともに、持続可能な環境・社会の実現に貢献してまいります。

赤道原則について

赤道原則は、プロジェクトに起因する環境・社会に対するリスクと影響を、資金の貸し手として、または資金調達に関するアドバイザーとして、お客さまと協力して体系的に特定、評価し、管理するため、民間金融機関が中心となり策定した枠組みです。2017年5月末現在、世界で90の金融機関が赤道原則を採択しています。

赤道原則は2014年1月より第三版が運用されており、適用対象はプロジェクトファイナンスプロジェクトファイナンス・アドバイザリーサービスプロジェクト紐付きコーポレートローンブリッジローン(つなぎ融資)です。

赤道原則を採択した金融機関は、社内方針や手続きに赤道原則を組み入れており、赤道原則を遵守しない、または遵守出来ないプロジェクトに対しては融資を行いません。

EQUATOR PRINCIPLES

赤道原則本文については、D赤道原則協会(Equator Principles Association)公式ウェブサイト(英語原文、日本語訳)をご覧ください。

また、三菱東京UFJ銀行は、赤道原則を採択した金融機関で構成される赤道原則協会の運営委員会メンバーとして、赤道原則の運用や普及に向けた活動を積極的に行っています。

こうした活動の一例として、2016年3月に本邦初となる赤道原則の実務解説書「実務解説 エクエーター原則/赤道原則 −プロジェクト融資の環境・社会リスク管理」を、みずほ銀行・三井住友銀行と共同で出版しました。本書では、赤道原則の各原則を実務的観点からくわしく解説しているほか、赤道原則協会とその活動内容、公的金融機関などの環境・社会ガイドライン等についても解説しています。

環境・社会配慮確認について

赤道原則運用ガイドライン

三菱東京UFJ銀行は、「赤道原則ガイドライン」に基づいてプロジェクトの環境・社会配慮確認を行なっています。

「プロジェクト環境室」による環境・社会配慮確認

三菱東京UFJ銀行では、プロジェクトの環境社会配慮、およびその他の関連業務をプロジェクト環境室が担っています。

環境・社会配慮確認のプロセス

まずは、赤道原則の原則1に従い、プロジェクトの環境・社会に対する潜在的なリスクと影響の程度に応じてプロジェクトにカテゴリーを付与します。そして、付与したカテゴリーに応じて要求される環境・社会配慮をお客さまにお願いします。

原則1 カテゴリーの定義
カテゴリーA 環境・社会に対して重大な負の潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響が多様、回復不能、または前例がないプロジェクト。
カテゴリーB 環境・社会に対して限定的な潜在的リスク、または、影響を及ぼす可能性があり、そのリスクと影響の発生件数が少なく、概してその立地に限定され、多くの場合は回復可能であり、かつ、緩和策によって容易に対処可能なプロジェクト。
カテゴリーC 環境・社会に対しての負のリスク、または、影響が最小限、または全くないプロジェクト。

例えば、カテゴリーAを付与したプロジェクトについては、赤道原則の原則2から原則10までの各原則が求める環境・社会配慮が実施されていることを確認します。

例:カテゴリーAを付与したプロジェクトに求められる環境・社会配慮
原則2 環境・社会アセスメントの実施
代替案分析の実施(温室効果ガス排出量が二酸化炭素換算で年間10万トン超の場合)
原則3 環境・社会アセスメントに適用される環境・社会基準
原則4 環境・社会マネジメントシステムの構築
環境・社会マネジメントプランの作成(必要に応じて赤道原則アクションプランも作成)
原則5 影響を受ける地域社会などに対するステークホルダー・エンゲージメントの実施
原則6 影響を受ける地域社会などからの苦情を処理するメカニズムの構築
原則7 独立した環境・社会コンサルタントによるアセスメント文書のレビュー
原則8 誓約条項の融資契約書への盛り込み
原則9 独立した環境・社会コンサルタントによるモニタリングと報告の検証
原則10 環境・社会影響評価書(少なくとも要約)のオンライン上での開示
プロジェクト操業期間中の温室効果ガス排出量の公表(二酸化炭素換算で年間10万トン超の場合)

原則3では、プロジェクトが実施される国(プロジェクト所在国)が「指定国」か「指定国以外の国」により、プロジェクトが遵守しなければならない環境・社会基準を以下のように定めています。

  • ●「指定国」:プロジェクト所在国の環境・社会関連法規制、許認可
  • ●「指定国以外の国」:プロジェクト所在国の環境・社会関連法規制、許認可に加えて、国際金融公社(IFC)パフォーマンススタンダード("IFC Performance Standards on Environmental and Social Sustainability")と、世界銀行グループ 環境・衛生・安全(EHS)ガイドライン("World Bank Group Environmental, Health and Safety Guidelines")

ただし、上記の基準はお客さまに遵守をお願いする最低限の水準を示したものであり、当行としてお客さまに追加的な基準の遵守をお願いさせていただく場合があります。

国際金融公社(IFC)パフォーマンススタンダード(Performance Standards、PS)

世界銀行グループの国際金融公社が定めた、民間事業者向け環境・社会ガイドラインです。

事業者が配慮するべき自然環境、地域社会、及び文化遺産などの維持・保全、そしてプロジェクト関連での労働者、影響を受ける地域社会住民や先住民族などの人権配慮についての要求事項を示したもので、以下の8項目で構成されています。

PS1:
環境・社会に対するリスクと影響の評価と管理(事業者に要求される環境・社会影響配慮の概要及び管理体制)
PS2:
労働者と労働条件(プロジェクトに従事する労働者の人権への配慮)
PS3:
資源効率と汚染防止(大気・水質・土壌などの汚染の回避又は最小化)
PS4:
地域社会の衛生・安全・保安(プロジェクト周辺の地域社会への影響の回避または最小化)
PS5:
土地取得と非自発的移転(適正なプロジェクト用地取得プロセスと移転住民への社会的・経済的支援及び相応の補償)
PS6:
生物多様性の保全および自然生物資源の持続的利用の管理(生物多様性の保護及び保全)
PS7:
先住民族(先住民族への社会的・文化的・経済的影響の回避または最小化、及び相応の補償)
PS8:
文化遺産(文化遺産の保護及び保全)

IFCパフォーマンススタンダード本文については、D国際金融公社(IFC)公式ウェブサイト(英語)をご覧ください。

世界銀行グループ 環境・衛生・安全(EHS)ガイドライン

新規のプロジェクトを実施する際に遵守するべき環境・社会の数値的基準や、その基準を達成するためにプロジェクトにコスト的にも導入が可能と考えられる確立した技術、および環境・社会影響対策の国際的な業界プラクティスを示した技術参考文書です。

一般的な環境・社会影響配慮の評価指標を含むガイドライン(一般EHSガイドライン)と、セクター特有の環境・社会配慮の評価指標を含むガイドライン(産業セクター別EHSガイドライン)を併せて利用することが前提とされています。

尚、一般EHSガイドラインと産業セクター別EHSガイドラインは、2013年から改訂作業が始まっており、「農業」「化学」「石油・ガス」「発電」および「インフラ」などの産業分野における8つの新たなセクター別ガイドラインが公表されています。また、今後順次改定が終了したものから公表される見込みです。

A)一般EHSガイドライン

一般EHSガイドラインは、@環境、A労働者の安全衛生、B地域社会の衛生および安全、C建設および廃棄措置についての一般的で横断的な基準値およびグッドプラクティスが記載されています。

  • 「環境(排気・大気質、省エネ、排水・水質、水資源、危険物、廃棄物、騒音、土壌汚染)」

  • 「労働の安全衛生(設備設計と運用、意思疎通と訓練、物理的危険、化学的危険、生物学的危険、放射線学的危険、個人の安全装備、特異的危機環境、モニタリング)」

  • 「地域社会の衛生および安全(水質と水利用、プロジェクトインフラ構造の安全性、生命及び火災安全、交通安全、危険物輸送、疾病予防、緊急事態対策)」

  • 「建設・廃棄措置(プロジェクトの開発段階及び終了段階において特に留意するべき環境、労働上の安全衛生、地域社会影への影響)

B)産業セクター別EHS ガイドライン

農業・食料生産、化学、インフラ、鉱山開発、石油・ガス開発及び電力等の8産業分野における62のセクターに関する、セクター特有の環境・社会影響分析や評価指標を含んでいます。

EHSガイドライン本文については、D国際金融公社(IFC)公式ウェブサイト(英語)をご覧ください。

また、赤道原則の大きな特徴として、お客さまがプロジェクト所在国の環境・社会関連法規制や許認可に加え、プロジェクト所在国が指定国ではない場合は国際的な環境・社会基準を遵守することを融資契約書に誓約条項(コベナンツ)として織り込むことが挙げられます(原則8)。

現地実査

プロジェクト環境室は、必要に応じてプロジェクトサイトを訪問し、現地でお客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認しています。

  • (欧州・CIS)

    (欧州・CIS)

  • (中南米)

    (中南米)

  • (東南アジア)

    (東南アジア)

  • (アフリカ)

    (アフリカ)

ファイナンシャル・アドバイザリーサービスのサポート

プロジェクトファイナンスによる資金調達を考えているお客さまへのアドバイザリーサービスにおいても、必要に応じて開発の早い段階からプロジェクト環境室が関与し、赤道原則への対応をお手伝いしています。

研修の実施

研修の様子

研修の様子

従業員の環境・社会配慮確認に対する理解を深め、赤道原則の考え方や手続きを浸透させることを目的として研修を実施しています。
この研修は、国内外のプロジェクトファイナンスやCSR、企画、審査や大企業取引の担当者を対象に実施し、それ以外の従業員についても環境・社会配慮確認に対する理解が深まるように、社内広報等を通じて全社的な浸透を図っています。 また、お客さま等への研修も、ご要望に応じて随時実施しています。

ステークホルダーとの対話

環境・社会配慮確認の取り組みに関して、NGOを含むステークホルダーとの対話を通じて幅広い情報のご提供やご提案を受け、判断材料として活用しています。

Voice

当行は赤道原則協会の運営委員会メンバーとして、80を超える採択行を代表し、協会の円滑な運営に協力しています。また運営委員会の諮問機関としてワーキンググループが適宜設けられますが、当行は赤道原則採択金融機関における原則の運用をサポートするConsistency Working Groupと人権に代表される社会リスク管理の高度化を協議するSocial Risk Working Groupにおいて共同リーダーを務めています。赤道原則協会活動以外にも、国際機関や国内外の金融機関の環境・社会リスク管理実務者の会合等への参加を通じて、環境・社会リスク管理の高度化につながる知見や経験の共有に努めています。

三菱東京UFJ銀行
ストラクチャードファイナンス部 プロジェクト環境室
調査役 柴土 真季

柴土 真季

環境社会配慮確認・カテゴリーに関する情報開示銀行

【2015年度(2015年4月1日〜2016年3月31日)】
2015年度の三菱東京UFJ銀行の赤道原則運用状況に関する開示は、赤道原則を適用し、2015年4月1日から2016年3月31日までの期間にフィナンシャルクローズしたプロジェクトファイナンス案件及びプロジェクト紐付きコーポレートローン案件、並びに2015年4月1日から2016年3月31日までの期間にマンデートを取得したプロジェクトファイナンス・アドバイザリーサービスを対象にしています。

✓マークのある2015年度実績は、PwC サステナビリティ合同会社による第三者保証を取得しています。

プロジェクトファイナンス アドバイザリーサービス

対象期間にマンデートを取得した案件。

  2015年度
件数
22
セクター別 件数
鉱業 -
インフラ 9
石油・ガス 2
電力 9
その他 2
 (石油化学) 2
 (石油化学以外) -
地域別 件数
米州 3
欧州中東アフリカ 5
アジア太平洋 14

プロジェクトファイナンス

赤道原則を適用し、対象期間にフィナンシャルクローズしたプロジェクトファイナンス案件。

  2015年度
A B C
2✓ 46✓ 9✓ 57✓
セクター別 A B C
鉱業 -✓ -✓ -✓ -✓
インフラ 1✓ 14✓ 2✓ 17✓
石油・ガス -✓ 3✓ -✓ 3✓
電力 1✓ 27✓ 1✓ 29✓
その他 -✓ 2✓ 6✓ 8✓
 (石油化学) -✓ -✓ -✓ -✓
 (石油化学以外) -✓ 2✓ 6✓ 8✓
地域別 A B C
米州 1✓ 24✓ 2✓ 27✓
欧州中東アフリカ -✓ 14✓ 2✓ 16✓
アジア太平洋 1✓ 8✓ 5✓ 14✓
指定国・指定国以外の国 A B C
指定国 - 39 9 48
指定国以外の国 2 7 - 9
独立したレビューの有無 A B C
有り 2 41 2 45
無し - 5 7 12

プロジェクト紐付きコーポレートローン

赤道原則を適用し、対象期間にフィナンシャルクローズしたプロジェクト紐付きコーポレートローン。

  2015年度
A B C
2✓ 2✓ 1✓ 5✓
セクター別 A B C
鉱業 -✓ -✓ -✓ -✓
インフラ -✓ 1✓ -✓ 1✓
石油・ガス -✓ -✓ -✓ -✓
電力 1✓ -✓ -✓ 1✓
その他 1✓ 1✓ 1✓ 3✓
 (石油化学) -✓ 1✓ -✓ 1✓
 (石油化学以外) 1✓ -✓ 1✓ 2✓
地域別 A B C
米州 1✓ -✓ 1✓ 2✓
欧州中東アフリカ -✓ 2✓ -✓ 2✓
アジア太平洋 1✓ -✓ -✓ 1✓
指定国・指定国以外の国 A B C
指定国 - 1 1 2
指定国以外の国 2 1 - 3
独立したレビューの有無 A B C
有り 1 - - 1
無し 1 2 1 4

(出典:エクエーター/赤道原則 2013年6月/プロジェクトにおける環境・社会リスクを特定、評価、管理 するための金融業界基準(Dwww.equator-principles.com)日本語訳-別紙I)

用語解説

(2017年7月現在)

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