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【経済活動】モデル指導案と実際の経済との相違点

信州大学教育学部  准教授  栗原 久

 出店計画を立て、銀行から融資を受ける。手元の資金で原材料を購入し、生産・販売を行う。最後には、収支計算をして、利益を分配する。【経済活動】「○○ストリート物語」の大まかな流れです。

 もちろん、これは教室内での模擬的な活動ですから、現実の経済そのままではありません。たとえば、実際の融資では審査が必要になります。商品の生産・販売を行った子どもたちに、賃金は支払われていません。外国為替相場は自国通貨と外貨に対する需給関係から決まるもので、ジャンケンで相場が変動するのでないことは、言うまでもないでしょう。

 「○○ストリート物語」の最終段階、12時間目の「計算書をまとめ、借りたお金を返済しよう!」では、「(最終売上合計+ねん土を仕入れて残ったお金)-銀行返済額(元金+利息)」で「最後に手元に残ったお金」を算出します。この「最後に手元に残ったお金」を、一緒にお店を経営した友達の人数で割って「一人あたりの最後に残ったお金」を計算し、これを分配することになっています。この【経済活動】の場合、当初、各人は100円ずつの資本金を出資していますから、この100円に対しいくらが分配されるかによって、「活動」の成否が判断されます。

 これは、一回だけの生産・販売活動で事業を解散してしまう、もっともシンプルな会社のやり方です(「当座会社」といいます)。「最後に手元に残ったお金」を出資者に分配してしまえば、後には何も残りません。

 しかし、実際の株式会社は、経営の継続を前提にしています。この場合、「最後に手元に残ったお金」を全額出資者に配当してしまうのではなく、一部を社内に蓄えていきます。これによって、生産設備などを拡大することが可能になるのです。

 【経済活動】「○○ストリート物語」を実践する際には、モデル指導案に示された内容と実際の経済との違いにご留意いただければと思います。

 
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