第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

 

(金融経済環境)

当連結会計年度の金融・経済環境ですが、世界経済は、先進国を中心に緩やかな回復基調を維持しましたが、中国経済の先行き懸念等を背景に株価が世界的に下落する場面がみられたほか、原油等の資源価格は低迷が続くなど、不透明感の強い展開となりました。米国は、エネルギー産業の不振など一部で弱い動きもみられましたが、雇用環境の着実な改善を受け国内需要を中心に自律的な回復を続けました。欧州は、ギリシャの財政問題や南欧諸国の不良債権問題等を抱えつつも、ユーロ安や原油安等を追い風に持ち直しの動きが続きました。アジアでは、中国が投資抑制の影響で減速を続け、その他のアジア地域でも輸出の不振が景気を下押しする要因となりましたが、インフレ率の低下もあって個人消費はいずれの地域でも概ね底堅さを維持しました。こうした中、我が国の経済は、緩やかな回復基調は維持したものの、もたつきが目立つ展開となりました。個人消費は、雇用者所得の増加が下支えとなりましたが、暖冬による購買意欲の低下もあり、総じてみると横這い圏内の動きを続けました。輸出は、欧米向けは概ね堅調でしたが、中国を始めとした新興国や資源国向けは低調な推移となりました。一方、設備投資については、設備ストックの過剰感が概ね解消する中、堅調な企業収益を背景に緩やかな増勢を維持しました。

金融情勢に目を転じますと、米国では、雇用情勢の改善等を受けて12月に約9年半ぶりに利上げが行われましたが、ユーロ圏では、12月及び3月に中銀預金金利の引下げ等を含む追加金融緩和が実施されました。こうした中、我が国では、1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が新たに導入され、長期金利は当連結会計年度の終わりにかけてマイナス圏にまで低下しました。また、世界的なリスク回避の動き等を映じ、年明け以降、株価は下落基調となり、為替相場は円高方向で推移しました。

 

(経営方針)

当行は、「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を目指し、お客さまをはじめとする関係者の皆さまのご期待・ご信頼にお応えしていくために、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、「MUFG」といいます。)や、MUFGグループ各社とも協力して、以下のような実績を上げることができました。

リテール部門では、運用商品の販売で苦戦しましたが、コンシューマーファイナンス業務が堅調だったほか、法人部門でも、貸出利鞘が縮小する中、貸出残高は着実に伸長しました。また、国際部門では、中国経済減速や資源価格下落の影響を受ける一方、欧州と米州は堅調に推移しました。市場部門では、順調なセールス&トレーディングに加えて、市場変化を捉えた機動的な運営により投資運用収益が好調でした。

このほか、当行は、MUFGグループの経営ビジョンを実践する上で役職員の判断・行動基準となる「行動規範」を定め、お客さまや社会に貢献すべく、従業員一人ひとりに「お客さまに対する姿勢」、「社会に対する責任」、「職場における心構え」の考え方を徹底しているほか、コールセンターや、各営業拠点のロビー等に設置した「お客さまの声ハガキ」等で収集したご意見、ご要望に迅速にお応えすることで、お客さま満足度の向上に努めております。

また、CSR(企業の社会的責任)重視の経営を実践すべく、本業である金融の分野では、お客さまに環境面の対応をサポートする商品・サービスをご提供することに加え、各種の社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいりました。

さらに、経営管理態勢、内部管理態勢及び法令等遵守態勢についても、お客さまから一層信頼を寄せて頂けるよう、引続き充実・強化に努めております。

 

 

(当連結会計年度の業績)

当連結会計年度の業績につきましては、以下のとおりとなりました。
 資産の部につきましては、当連結会計年度中3兆4,841億円増加して、当連結会計年度末残高は222兆7,973億円と
なりました。主な内訳は、貸出金101兆76億円、有価証券50兆2,341億円となっております。負債の部につきましては、当連結会計年度中3兆5,676億円増加して、当連結会計年度末残高は209兆6,790億円となりました。主な内訳は、預金・譲渡性預金154兆8,147億円となっております。

損益につきましては、経常収益は前連結会計年度比48億円増加して4兆337億円となり、経常費用は前連結会計年度比1,423億円増加して2兆9,500億円となりました。以上の結果、経常利益は前連結会計年度比1,374億円減少して1兆837億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比457億円減少して6,858億円となりました。

なお、報告セグメントの業績は次のとおりであります。

1 リテール部門

営業純益は前連結会計年度比422億円減少して962億円となりました。

2 法人部門

営業純益は前連結会計年度比364億円減少して3,321億円となりました。

3 国際部門

営業純益は前連結会計年度比370億円減少して4,566億円となりました。

4 市場部門

  営業純益は前連結会計年度比411億円減少して3,384億円となりました。

5 その他部門

営業純益は前連結会計年度比897億円増加して△700億円となりました。

 

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更し、「アユタヤ銀行」を従来の独立した報告セグメントから、「国際部門」に含めて記載する方法に変更しております。

また、当連結会計年度より、各部門の所管範囲の見直し及び部門間の収益・経費の配賦方法の変更等、行内の業績管理手法の変更に伴い、事業セグメントの利益の算定方法を変更しております。

変更後の報告セグメント及び算定方法に基づき作成した前連結会計年度のセグメント情報については、「第5 経理の状況」中、1「(1) 連結財務諸表」の「セグメント情報」に記載しております。

 

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローにつきましては、営業活動においては、前連結会計年度比8兆133億円支出が減少して、1兆3,822億円の収入となる一方、投資活動においては、前連結会計年度比4兆6,564億円収入が減少して2兆5,808億円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比9,784億円支出が減少して、829億円の支出となりました。

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比3兆8,008億円増加して7兆5,131億円となりました。

 

国際統一基準による連結総自己資本比率は15.66%となりました。

 

 

(1) 国内・海外別収支

国内・海外別収支の内訳は次のとおりであります。

当連結会計年度の資金運用収支・役務取引等収支・特定取引収支・その他業務収支の合計は2兆9,196億円で前年度比772億円の減益となりました。国内・海外の別では国内が1兆6,513億円で前年度比722億円の減益、海外が1兆4,707億円で前年度比489億円の増益となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

962,321

961,602

△51,063

1,872,860

当連結会計年度

910,195

946,836

△68,872

1,788,159

 うち資金運用収益

前連結会計年度

1,090,799

1,434,973

△140,844

2,384,928

当連結会計年度

1,070,837

1,403,999

△151,063

2,323,774

 うち資金調達費用

前連結会計年度

128,478

473,370

△89,781

512,067

当連結会計年度

160,642

457,163

△82,190

535,614

役務取引等収支

前連結会計年度

492,856

333,451

△93,503

732,803

当連結会計年度

463,319

386,858

△132,382

717,796

 うち役務取引等収益

前連結会計年度

636,812

385,255

△137,244

884,823

当連結会計年度

610,744

443,235

△176,934

877,046

 うち役務取引等費用

前連結会計年度

143,955

51,804

△43,740

152,019

当連結会計年度

147,425

56,376

△44,551

159,249

特定取引収支

前連結会計年度

107,481

42,653

△822

149,311

当連結会計年度

104,868

30,142

618

135,629

 うち特定取引収益

前連結会計年度

107,481

48,323

△6,493

149,311

当連結会計年度

104,868

47,688

△16,927

135,629

 うち特定取引費用

前連結会計年度

5,670

△5,670

当連結会計年度

17,545

△17,545

その他業務収支

前連結会計年度

161,011

84,085

△3,164

241,932

当連結会計年度

173,014

106,940

△1,867

278,088

 うちその他業務収益

前連結会計年度

260,867

253,126

△160,287

353,706

当連結会計年度

304,794

332,815

△209,930

427,679

 うちその他業務費用

前連結会計年度

99,855

169,040

△157,122

111,774

当連結会計年度

131,780

225,874

△208,063

149,591

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。

2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。

3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

 

 

(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況

① 国内

国内における資金運用/調達の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は前年度比5兆4,323億円増加して135兆5,481億円となりました。利回りは0.04%低下して0.79%となり、受取利息合計は1兆708億円で前年度比199億円の減少となりました。資金調達勘定平均残高は前年度比6兆8,261億円増加して130兆9,195億円となりました。利回りは0.01%上昇して0.12%となり、支払利息合計は1,606億円で前年度比321億円の増加となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

130,115,789

1,090,799

0.83

当連結会計年度

135,548,172

1,070,837

0.79

 うち貸出金

前連結会計年度

59,150,606

599,624

1.01

当連結会計年度

61,414,418

574,593

0.93

 うち有価証券

前連結会計年度

48,100,257

412,418

0.85

当連結会計年度

43,748,161

422,697

0.96

 うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

85,333

169

0.19

当連結会計年度

19,405

26

0.13

 うち買現先勘定

前連結会計年度

24,595

9

0.03

当連結会計年度

25,492

14

0.05

 うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

307,705

3,340

1.08

当連結会計年度

146,377

68

0.04

 うち預け金

前連結会計年度

18,216,210

17,715

0.09

当連結会計年度

26,008,411

25,667

0.09

資金調達勘定

前連結会計年度

124,093,378

128,478

0.10

当連結会計年度

130,919,534

160,642

0.12

 うち預金

前連結会計年度

102,871,993

45,858

0.04

当連結会計年度

106,846,000

45,457

0.04

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

2,794,418

2,505

0.08

当連結会計年度

2,802,956

2,105

0.07

 うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

3,262,809

3,376

0.10

当連結会計年度

2,434,174

2,492

0.10

 うち売現先勘定

前連結会計年度

7,737,460

13,422

0.17

当連結会計年度

9,061,032

33,972

0.37

 うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

1,508,701

2,323

0.15

当連結会計年度

1,265,595

1,007

0.07

 うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち借用金

前連結会計年度

10,501,238

83,765

0.79

当連結会計年度

12,477,032

89,308

0.71

 

(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の子会社については、月末毎の残高等に基づく平均残高を利用しております。

2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。

3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

 

 

② 海外

海外における資金運用/調達の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は前年度比1兆2,978億円増加して61兆2,954億円となりました。利回りは0.10%低下して2.29%となり、受取利息合計は1兆4,039億円で前年度比309億円の減少となりました。資金調達勘定平均残高は前年度比8,138億円増加して58兆6,431億円となりました。利回りは0.03%低下して0.77%となり、支払利息合計は4,571億円で前年度比162億円の減少となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

59,997,685

1,434,973

2.39

当連結会計年度

61,295,489

1,403,999

2.29

 うち貸出金

前連結会計年度

39,671,140

1,039,421

2.62

当連結会計年度

40,294,082

1,030,421

2.55

 うち有価証券

前連結会計年度

6,469,780

145,940

2.25

当連結会計年度

6,357,353

140,497

2.21

 うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

576,305

11,370

1.97

当連結会計年度

713,004

9,729

1.36

 うち買現先勘定

前連結会計年度

1,082,683

39,205

3.62

当連結会計年度

731,009

27,337

3.73

 うち債券貸借取引支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うち預け金

前連結会計年度

8,171,762

51,569

0.63

当連結会計年度

9,322,139

55,394

0.59

資金調達勘定

前連結会計年度

57,829,327

473,370

0.81

当連結会計年度

58,643,164

457,163

0.77

 うち預金

前連結会計年度

33,061,527

231,482

0.70

当連結会計年度

35,247,692

224,580

0.63

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

8,297,958

32,515

0.39

当連結会計年度

5,989,385

34,678

0.57

 うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

291,459

1,753

0.60

当連結会計年度

364,943

3,440

0.94

 うち売現先勘定

前連結会計年度

773,355

8,424

1.08

当連結会計年度

599,862

7,331

1.22

 うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

 うちコマーシャル・ペーパー

前連結会計年度

1,374,853

2,439

0.17

当連結会計年度

1,394,809

4,121

0.29

 うち借用金

前連結会計年度

1,771,571

27,217

1.53

当連結会計年度

2,340,516

26,698

1.14

 

(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の子会社については、月末毎の残高等に基づく平均残高を利用しております。

2 「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

 

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り(%)

小計

相殺消去額

合計

小計

相殺消去額

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

190,113,475

△8,404,830

181,708,644

2,525,772

△140,844

2,384,928

1.31

当連結会計年度

196,843,662

△8,140,300

188,703,361

2,474,837

△151,063

2,323,774

1.23

 うち貸出金

前連結会計年度

98,821,747

△2,512,038

96,309,709

1,639,045

△72,189

1,566,856

1.62

当連結会計年度

101,708,500

△3,098,538

98,609,961

1,605,297

△70,936

1,534,360

1.55

 うち有価証券

前連結会計年度

54,570,037

△2,652,297

51,917,740

558,358

△53,942

504,416

0.97

当連結会計年度

50,105,514

△2,855,793

47,249,720

563,195

△69,130

494,065

1.04

 うちコールローン
 及び買入手形

前連結会計年度

661,639

△20,800

640,839

11,540

△58

11,482

1.79

当連結会計年度

732,410

△215,750

516,660

9,756

△202

9,553

1.84

 うち買現先勘定

前連結会計年度

1,107,278

1,107,278

39,215

39,215

3.54

当連結会計年度

756,502

756,502

27,351

27,351

3.61

 うち債券貸借取引
 支払保証金

前連結会計年度

307,705

307,705

3,340

3,340

1.08

当連結会計年度

146,377

146,377

68

68

0.04

 うち預け金

前連結会計年度

26,387,972

△3,127,454

23,260,518

69,284

△11,360

57,924

0.24

当連結会計年度

35,330,550

△1,640,757

33,689,792

81,061

△9,285

71,776

0.21

資金調達勘定

前連結会計年度

181,922,706

△4,611,017

177,311,688

601,848

△89,781

512,067

0.28

当連結会計年度

189,562,698

△5,314,941

184,247,757

617,805

△82,190

535,614

0.29

 うち預金

前連結会計年度

135,933,521

△1,163,156

134,770,364

277,341

△7,546

269,794

0.20

当連結会計年度

142,093,692

△1,198,069

140,895,623

270,038

△4,523

265,514

0.18

 うち譲渡性預金

前連結会計年度

11,092,376

11,092,376

35,020

35,020

0.31

当連結会計年度

8,792,341

8,792,341

36,783

36,783

0.41

 うちコールマネー
 及び売渡手形

前連結会計年度

3,554,268

△88,268

3,465,999

5,129

△237

4,891

0.14

当連結会計年度

2,799,117

△78,027

2,721,090

5,932

△219

5,713

0.20

 うち売現先勘定

前連結会計年度

8,510,815

8,510,815

21,846

21,846

0.25

当連結会計年度

9,660,894

9,660,894

41,303

41,303

0.42

 うち債券貸借取引
 受入担保金

前連結会計年度

1,508,701

1,508,701

2,323

2,323

0.15

当連結会計年度

1,265,595

1,265,595

1,007

1,007

0.07

 うちコマーシャル
 ・ペーパー

前連結会計年度

1,374,853

1,374,853

2,439

2,439

0.17

当連結会計年度

1,394,809

1,394,809

4,121

4,121

0.29

 うち借用金

前連結会計年度

12,272,810

△2,998,266

9,274,543

110,983

△73,599

37,384

0.40

当連結会計年度

14,817,549

△3,367,546

11,450,003

116,007

△71,843

44,163

0.38

 

(注) 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

 

 

(3) 国内・海外別役務取引の状況

国内及び海外の役務取引等収支の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の国内の役務取引は、役務取引等収益が6,107億円で前年度比260億円減収、役務取引等費用が1,474億円で前年度比34億円増加した結果、役務取引等収支では前年度比295億円減少して4,633億円となりました。海外の役務取引は、役務取引等収益が4,432億円で前年度比579億円増収、役務取引等費用が563億円で前年度比45億円増加した結果、役務取引等収支では前年度比534億円増加して3,868億円となりました。

この結果、役務取引等収支合計では、前年度比150億円減少して7,177億円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

636,812

385,255

△137,244

884,823

当連結会計年度

610,744

443,235

△176,934

877,046

 うち為替業務

前連結会計年度

153,656

14,462

△369

167,750

当連結会計年度

152,255

14,079

△324

166,010

 うちその他
 商業銀行業務

前連結会計年度

280,894

274,944

△2,628

553,209

当連結会計年度

256,019

277,583

△3,165

530,438

 うち保証業務

前連結会計年度

53,571

26,566

△17,688

62,449

当連結会計年度

50,782

25,333

△16,798

59,316

 うち証券関連業務

前連結会計年度

52,390

2,626

△63

54,953

当連結会計年度

54,391

9,969

△41

64,319

役務取引等費用

前連結会計年度

143,955

51,804

△43,740

152,019

当連結会計年度

147,425

56,376

△44,551

159,249

 うち為替業務

前連結会計年度

34,024

7,230

△242

41,012

当連結会計年度

34,726

7,024

△313

41,438

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

2 「その他商業銀行業務」には、預金・貸出業務、代理業務、保護預り・貸金庫業務、信託関連業務等を含んでおります。

3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

 

 

(4) 国内・海外別特定取引の状況

① 特定取引収益・費用の内訳

国内及び海外の特定取引収支の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の国内の特定取引収益は1,048億円で前年度比26億円減収した結果、特定取引収支では前年度比26億円減少して1,048億円となりました。海外の特定取引収益は476億円で前年度比6億円減収、特定取引費用は175億円で前年度比118億円増加した結果、特定取引収支では前年度比125億円減少して301億円となりました。

この結果、特定取引収支合計では前年度比136億円減少して1,356億円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引収益

前連結会計年度

107,481

48,323

△6,493

149,311

当連結会計年度

104,868

47,688

△16,927

135,629

 うち商品有価証券収益

前連結会計年度

2,631

4,810

△202

7,238

当連結会計年度

4,247

3,983

△41

8,189

 うち特定取引有価証券
 収益

前連結会計年度

4,337

△401

△132

3,803

当連結会計年度

4,914

△431

△138

4,344

 うち特定金融派生商品
 収益

前連結会計年度

98,028

43,915

△6,154

135,788

当連結会計年度

93,235

44,135

△16,747

120,623

 うちその他の特定取引
 収益

前連結会計年度

2,483

△2

2,481

当連結会計年度

2,470

0

2,471

特定取引費用

前連結会計年度

5,670

△5,670

当連結会計年度

17,545

△17,545

 うち商品有価証券費用

前連結会計年度

202

△202

当連結会計年度

41

△41

 うち特定取引有価証券
 費用

前連結会計年度

132

△132

当連結会計年度

138

△138

 うち特定金融派生商品
 費用

前連結会計年度

5,332

△5,332

当連結会計年度

17,366

△17,366

 うちその他の特定取引
 費用

前連結会計年度

2

△2

当連結会計年度

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

 

 

② 特定取引資産・負債の内訳(末残)

国内及び海外の特定取引の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度末の国内の特定取引資産は前年度比2,531億円増加して4兆4,069億円、特定取引負債は前年度比3,152億円増加して3兆2,752億円となりました。海外の特定取引資産は前年度比2,172億円増加して2兆2,295億円、特定取引負債は前年度比2,756億円増加して1兆9,670億円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引資産

前連結会計年度

4,153,747

2,012,304

△36,583

6,129,468

当連結会計年度

4,406,916

2,229,546

△24,904

6,611,558

 うち商品有価証券

前連結会計年度

10,914

93,412

104,326

当連結会計年度

41,704

87,740

129,444

 うち商品有価証券
 派生商品

前連結会計年度

139

139

当連結会計年度

18

26,755

26,774

 うち特定取引有価証券

前連結会計年度

53,685

53,685

当連結会計年度

6,364

6,364

 うち特定取引有価証券
 派生商品

前連結会計年度

157

49

206

当連結会計年度

18

18

 うち特定金融派生商品

前連結会計年度

2,591,204

1,863,604

△36,583

4,418,225

当連結会計年度

3,205,707

2,100,055

△24,904

5,280,859

 うちその他の特定取引
 資産

前連結会計年度

1,551,331

1,551

1,552,883

当連結会計年度

1,159,466

8,630

1,168,097

特定取引負債

前連結会計年度

2,959,984

1,691,316

△40,960

4,610,339

当連結会計年度

3,275,267

1,967,007

△34,452

5,207,822

 うち売付商品債券

前連結会計年度

7,360

7,360

当連結会計年度

2,848

2,848

 うち商品有価証券
 派生商品

前連結会計年度

6

6

当連結会計年度

82

82

 うち特定取引売付債券

前連結会計年度

4,539

4,539

当連結会計年度

3,901

3,901

 うち特定取引有価証券
 派生商品

前連結会計年度

109

22

132

当連結会計年度

136

110

247

 うち特定金融派生商品

前連結会計年度

2,959,867

1,673,108

△40,960

4,592,015

当連結会計年度

3,275,047

1,959,417

△34,452

5,200,013

 うちその他の特定取引
 負債

前連結会計年度

6,285

6,285

当連結会計年度

728

728

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

 

 

(5) 国内・海外別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

106,783,494

35,517,686

△1,346,484

140,954,695

当連結会計年度

112,182,553

36,852,218

△1,250,425

147,784,345

 うち流動性預金

前連結会計年度

71,954,686

18,110,263

△569,678

89,495,271

当連結会計年度

78,507,388

20,482,713

△590,762

98,399,339

 うち定期性預金

前連結会計年度

28,696,228

17,269,980

△731,960

45,234,248

当連結会計年度

27,497,892

16,208,342

△647,309

43,058,925

 うちその他

前連結会計年度

6,132,578

137,442

△44,845

6,225,175

当連結会計年度

6,177,271

161,162

△12,353

6,326,080

譲渡性預金

前連結会計年度

3,206,773

8,048,996

11,255,770

当連結会計年度

1,561,028

5,469,326

7,030,355

総合計

前連結会計年度

109,990,267

43,566,683

△1,346,484

152,210,466

当連結会計年度

113,743,581

42,321,545

△1,250,425

154,814,701

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

4 定期性預金=定期預金+定期積金

 

 

(6) 国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

58,922,049

100.00

60,941,476

100.00

 製造業

8,055,533

13.67

8,773,553

14.40

 建設業

727,686

1.23

716,043

1.18

 卸売業、小売業

5,668,317

9.62

5,535,199

9.08

 金融業、保険業

5,848,247

9.93

6,059,939

9.94

 不動産業、物品賃貸業

7,897,547

13.40

8,060,369

13.23

 各種サービス業

2,484,575

4.22

2,373,504

3.89

 その他

28,240,143

47.93

29,422,866

48.28

海外及び特別国際金融取引勘定分

38,694,144

100.00

40,066,204

100.00

 政府等

811,868

2.10

971,750

2.43

 金融機関

7,828,221

20.23

8,558,125

21.36

 その他

30,054,054

77.67

30,536,328

76.21

合計

97,616,193

101,007,681

 

(注)  「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

 

② 特定海外債権等残高

 

期別

国別

金額(百万円)

前連結会計年度

パキスタン

4,740

エジプト

3,959

エクアドル

2

アルゼンチン

0

合計

8,702

(資産の総額に対する割合)

(0.00%)

当連結会計年度

エジプト

2,888

パキスタン

112

エクアドル

2

合計

3,003

(資産の総額に対する割合)

(0.00%)

 

(注) 特定海外債権等は、当行の特定海外債権引当勘定の引当対象とされる債権、並びに当該引当勘定の引当対象国に対する海外子会社の債権のうち、当該引当勘定の引当対象に準ずる債権であります。

 

 

(7) 国内・海外別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

28,955,892

28,955,892

当連結会計年度

21,985,996

21,985,996

地方債

前連結会計年度

188,152

188,152

当連結会計年度

409,516

409,516

社債

前連結会計年度

1,926,550

1,926,550

当連結会計年度

2,061,486

2,061,486

株式

前連結会計年度

5,035,410

△103,435

4,931,975

当連結会計年度

4,315,812

△78,553

4,237,258

その他の証券

前連結会計年度

14,473,883

6,355,022

△2,661,575

18,167,330

当連結会計年度

17,564,065

6,699,350

△2,723,504

21,539,911

合計

前連結会計年度

50,579,889

6,355,022

△2,765,011

54,169,900

当連結会計年度

46,336,876

6,699,350

△2,802,058

50,234,169

 

(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。「海外」とは、当行の海外店及び海外連結子会社であります。

2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。

3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

 

(自己資本比率の状況)

 

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。

 

連結自己資本比率(国際統一基準)

 

(単位:億円、%)

 

平成28年3月31日

1. 連結総自己資本比率(4/7)

15.66

2. 連結Tier1比率(5/7)

12.71

3. 連結普通株式等Tier1比率(6/7)

11.08

4. 連結における総自己資本の額

140,132

5. 連結におけるTier1資本の額

113,752

6. 連結における普通株式等Tier1資本の額

99,177

7. リスク・アセットの額

894,566

8. 連結総所要自己資本額

71,565

 

 

 

単体自己資本比率(国際統一基準)

 

(単位:億円、%)

 

平成28年3月31日

1. 単体総自己資本比率(4/7)

17.51

2. 単体Tier1比率(5/7)

14.25

3. 単体普通株式等Tier1比率(6/7)

12.30

4. 単体における総自己資本の額

128,333

5. 単体におけるTier1資本の額

104,467

6. 単体における普通株式等Tier1資本の額

90,194

7. リスク・アセットの額

732,779

8. 単体総所要自己資本額

58,622

 

 

 

(資産の査定)

 

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
 

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
 

3.要管理債権

要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
 

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
 

資産の査定の額

債権の区分

平成27年3月31日

平成28年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

879

1,168

危険債権

5,496

8,152

要管理債権

5,393

3,310

正常債権

911,170

943,704

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

3 【対処すべき課題】

平成27年度は、米国の金融緩和の出口戦略が市場の変調を招くとともに、中国経済の減速が新興国経済に大きな影響を与え、世界経済の先行き不透明感が高まりました。年明けには日本銀行がマイナス金利政策を導入するなど、金融市場も大きく変動しました。こうした中、当行では、新たにスタートさせた中期経営計画の初年度として、将来の構造変化を見据えた事業モデルの進化・変革に一丸となって取り組みました。

 

(成長戦略)

当行は、MUFGグループの中核をなす銀行として、激しい環境変化の中、ますます多様化・高度化するお客さまの金融ニーズに対し、邦銀随一の国内・海外拠点ネットワークを活かしつつ、グループ各社との協働をさらに進め、グループ総合力を発揮することで、これまで以上にハイクオリティのサービスを的確かつ迅速にご提供してまいります。

個人のお客さまに対しては、グループ一体となって、資産の運用・管理・承継をサポートし貯蓄から投資への流れを促すとともに、決済・コンシューマーファイナンス事業の強化を通じ、個人消費の活性化にも貢献してまいります。

中堅・中小企業のお客さまに対しては、資金ニーズへの円滑な対応に加え、事業承継の増加に対応したM&A業務の態勢拡充や運用ソリューション提供力の強化といった新たな事業領域に取り組むとともに、ビジネスマッチングなどの企業の成長に資する活動も加速してまいります。

大企業のお客さまに対しては、グループのセクター知見の集約やモルガン・スタンレーとの戦略的提携の一層の強化を図り、高度化・多様化・グローバル化するニーズにグループ・国内外一体で応える、MUFGならではのグローバルCIBモデル*1を確立してまいります。

セールス&トレーディング業務*2では、グループ一体的な業務運営を推進し、法人や機関投資家といった幅広いお客さまの多様なニーズに対する商品・サービス提供力の向上にグローバルベースで取り組み、競争力の強化を図ってまいります。

トランザクション・バンキング業務*3では、国内における圧倒的な地位の確立に加え、クロスボーダーの商流の取り込みを一層強化し、商流に付随するファイナンスを拡大するとともに、商品競争力の向上と地域間連携の高度化による預金の増強を図ってまいります。

海外では、アユタヤ銀行とMUFGユニオンバンクを軸に、セキュリティバンクとの新たな資本・業務提携も活かして、これまでの大企業取引を中心とした当行の海外事業を多様化し、現地の個人や中小企業のお客さまを含めた、MUFGならではの総合的な商業銀行基盤の強化・確立に取り組んでまいります。

 

 *1 預金・貸出などの通常の法人向け銀行業務とM&Aアドバイスなどの投資銀行業務を一体的に捉え、お客さまの企業価値向上をサポートするために、オリジネーションからディストリビューションまで一貫した金融サービスを提供するビジネスモデル

 *2  為替・デリバティブなどの金融商品・ソリューションをお客さまに提供するセールス業務と、銀行間取引や取引所などで市場性商品の売買を行うトレーディング業務の総称

 *3  預金業務・内国為替業務・外国為替業務、及びそれに付随する業務(キャッシュマネジメント、トレード
ファイナンス)の総称

 

(経営基盤の強化)

経営基盤の強化については、以下の取組みを進めてまいります。

当行では、監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会による実効性のある経営監督態勢の構築などを通じてコーポレート・ガバナンス態勢のさらなる強化を図るほか、グループ・グローバルでのガバナンス態勢の高度化を進めてまいります。

また、新たな規制やビジネスの進化に対応し、統括型・予防型を軸とした統合的リスク管理態勢のさらなる進化・高度化にも取り組んでまいります。

システム・事務・施設の分野では、グループベースの共同化を進め、さらなる効率化・高度化を図ってまいります。

社外のステークホルダーやグループ内の役職員とのコミュニケーションでは、企業カルチャーとグループ一体感の醸成に向けたグループ内コミュニケーションと、CS(顧客満足)・CSR(企業の社会的責任)やブランド価値の向上をめざす対外コミュニケーションをグループ・グローバルベースで一体的かつ戦略的に推進し、コミュニケーション効果の最大化を図ってまいります。

当行では、環境の変化に機動的に対応しつつ、中期経営計画で掲げた戦略をさらに深化させ、各種施策を加速させてまいります。これらの取り組みを通じ、広く社会の皆さまから共感・ご支持をいただけるMUFGブランドの維持・向上に努めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

 

当行及び当行グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

1.保有株式に係るリスク

当行は政策投資目的で保有するものを含め市場性のある株式を大量に保有しております。世界的なリスク資産圧縮の加速、金融政策及び財政政策の動向、その他の全般的な経済動向や保有先の業績悪化等により株価が下落した場合には、保有株式に減損又は評価損が発生若しくは拡大し、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。

 

2.貸出業務に関するリスク

(1) 不良債権及び与信関係費用の状況

当行の不良債権及び与信関係費用は、今後、国内外の景気の悪化、資源価格の変動、不動産価格及び株価の下落、当行の貸出先の経営状況及び世界の経済環境の変動等によっては、増加するおそれがあり、その結果、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼし、自己資本の減少につながる可能性があります。

(2) 貸倒引当金の状況

当行は、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しております。実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離し、貸倒引当金を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となることもありえます。また、経済状態全般の悪化により、設定した前提及び見積りを変更せざるを得なくなり、担保価値の下落、又はその他の予期せざる理由により、当行は貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。

(3) 業績不振企業の状況

当行の貸出先の中には業績不振の先が見られます。これらの企業の中には、法的手続又は「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)」などに沿って行われる債権放棄を含めた任意整理により、再建を行っている企業もあります。

このことは、当行の不良債権問題に悪影響を与えてきました。景気の悪化や業界内の競争激化、他の債権者からの支援の打ち切りや縮小等により、再建が奏功しない場合には、これらの企業の倒産が新たに発生するおそれがあります。これらの企業の経営不振その他の問題が続いたり拡大する場合や当行による債権放棄を余儀なくされた場合には、当行の与信関係費用が増大し、当行の不良債権問題が悪化するおそれがあります。

(4) 貸出先への対応

当行は、回収の効率・実効性その他の観点から、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、当行が債権者として有する法的な権利のすべてを必ずしも実行しない場合がありえます。

また、当行は、それが合理的と判断される場合には、貸出先に対して債権放棄又は追加貸出や追加出資を行って支援をすることもありえます。かかる貸出先に対する支援を行った場合は、当行の貸出残高が大きく増加し、与信関係費用が増加する可能性や追加出資に係る株価下落リスクが発生する可能性もあります。

(5) 権利行使の困難性

当行は、不動産市場における流動性の欠如又は価格の下落、有価証券の価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産若しくは有価証券を換金し、又は貸出先の保有するこれらの資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。

 

(6) 特定業種等への貸出その他の与信の集中

当行は、貸出その他の与信に際しては、特定の業種、特定の与信先への偏りを排除すべくポートフォリオ分散に努めておりますが、エネルギーや不動産業種向けの与信は、相対的に割合が高い状況にあります。個々の与信先の状況や、業界特有の動向については継続的にモニタリング・管理を実施しておりますが、国内外の景気動向や不動産・資源価格の動向等によっては、想定を上回る信用力の悪化が生じる可能性があります。その結果、当行の与信関係費用が増加し、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 不良債権問題等に影響しうる他の要因

① 将来、金利が上昇する局面では、日本国債等保有債券の価格下落、貸出スプレッドの変化、金利負担に耐えられなくなる貸出先の出現による不良債権の増加等により、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

② 将来、為替が大幅に変動する局面では、これに伴うコスト上昇、売上の減少、為替系デリバティブ(通貨オプション等)の評価損発生に伴う財務負担等による与信先の業績悪化、及びこのようなデリバティブ取引の決済負担に耐えられなくなる与信先の出現による不良債権の増加等により、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

③ 原油や鉄鋼等の原材料価格の高騰などによる仕入れや輸送などのコスト上昇を販売価格に十分に転嫁できない貸出先等を中心に不良債権が増加した場合、逆に、資源価格の下落を受けた関連産業の業績悪化により不良債権が増加した場合、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 本邦の金融機関(銀行、ノンバンク、証券会社及び保険会社等を含みます。)の中には、資産内容の劣化及びその他の財務上の問題が引き続き存在している可能性があり、今後一層悪化する可能性やこれらの問題が新たに発生する可能性もあります。こうした本邦金融機関の財政的困難が継続、悪化又は発生すると、それらの金融機関の流動性及び支払能力に問題が生じるおそれもあり、以下の理由により当行に悪影響を及ぼす可能性があります。

・問題の生じた金融機関が貸出先に対して財政支援を打ち切る又は減少させるかもしれません。その結果、当該貸出先の破綻や、当該貸出先に対して貸出をしている当行の不良債権の増加を招くかもしれません。

・経営破綻に陥った金融機関に対する支援に当行が参加を要請されるおそれがあります。

・当行は、一部の金融機関の株式を保有しております。

・政府が経営を支配する金融機関の資本増強や、収益拡大等のために、規制上、税務上、資金調達上又はその他の特典を当該金融機関に供与するような事態が生じた場合、当行は競争上の不利益を被るかもしれません。

・預金保険の基金が不十分であることが判明した場合、当行の支払うべき預金保険の保険料が引き上げられるおそれがあります。

・金融機関の破綻又は政府による金融機関の経営権取得により、金融機関に対する預金者の信任が全般的に低下する、又は金融機関を取巻く全般的環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。

・銀行業に対する否定的・懐疑的なマスコミ報道(内容の真偽、当否を問いません。)により当行の評判、信任等が低下するおそれがあります。

 

3.市場業務に伴うリスク

当行は、デリバティブを含む様々な金融商品を取り扱う広範な市場業務を行っており、大量の金融商品を保有しています。従いまして、当行の財政状態及び経営成績は、かかる活動及び保有に伴うリスクにさらされております。かかるリスクとしては、特に、内外金利、為替レート、有価証券等の市場変動等が挙げられます。例えば、内外金利が上昇した場合、当行の保有する債券ポートフォリオの価値に悪影響を及ぼす可能性があります。このような上昇が生じるケースとしては、例えばデフレ脱却の進行による本邦におけるマイナス金利付き量的・質的金融緩和の解除観測、本邦財政及び日本国債への信認低下等から日本国債金利が上昇する場合、米国の金融政策の変更等により、米国債金利が上昇する場合などが想定しえます。これらを含む、何らかの理由により内外金利が上昇した場合、当行の保有する大量の国債等に売却損や評価損が生じる可能性があります。また、円高となった場合は、当行の外貨建て投資の財務諸表上の価値が減少し、売却損や評価損が発生する可能性があります。

 

当行では、このような内外金利、為替レート、有価証券等の様々な市場の変動により損失が発生するリスクを市場リスクとして、市場全体の変動による損失を被るリスクである「一般市場リスク」と、特定の債券・株式等の金融商品の価格が市場全体の変動と異なって変動することにより損失を被るリスクである「個別リスク」に区分して管理しております。これらのリスク計測には、過去の市場変動に基づきポートフォリオの市場価値が今後一定期間でどの程度減少し得るかを統計的に推計する手法を採用しており、この手法により計測した一般市場リスク量と個別リスク量の合算値を市場リスク量としております。ただし、このように計算された市場リスク量は、その性質上、実際のリスクを常に正確に反映できるわけではなく、またこのように示されたリスク量を上回る損失が実現する可能性もあります。

また、本邦におけるマイナス金利付き量的・質的金融緩和が長期化する、又はマイナス金利幅が更に拡大した場合、市場金利の一段の低下を引き起こし、当行が保有する国債等の金融商品の再投資利回りが低下する可能性があります。

なお、市場業務に関連して保有する金融商品の時価に関する見積方法その他の会計上の取扱いは、当行の判断又は会計基準の変更等により、今後変更される可能性もあり、そのような場合には、結果的に損益に影響を与える可能性があります。

 

4.為替リスク

当行の業務は為替レートの変動の影響を受けます。為替レートの変動により、当行の重要な子会社であるMUFG Americas Holdings Corporation(その銀行子会社であるMUFG Union Bank, N.A.を含め、以下、「MUAH」といいます。)及びBank of Ayudhya Public Company Limited(以下、「アユタヤ銀行」といいます。)の資産及び負債の円貨換算額も変動することになります。さらに、当行の資産及び負債の一部は外貨建てであり、資産と負債の額が通貨毎に同額で為替レートによる変動の影響が相殺されない場合、又は適切にヘッジされていない場合、当行の自己資本比率、財政状態及び経営成績は、為替レートの変動により、悪影響を受ける可能性があります。

 

5.当行の格付低下等に伴う資金流動性等の悪化リスク

格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場業務及びその他の業務は悪影響を受けるおそれがあります。当行の格付が引き下げられた場合、当行の市場業務では、取引において不利な条件を承諾せざるを得なくなる、又は一定の取引を行うことができなくなるおそれがあり、加えて当行の資本・資金調達にも悪影響を及ぼすことがあります。かかる事態が生じた場合には、当行の市場業務及び他の業務の収益性に悪影響を与え、当行の財政状態及び経営成績にも悪影響を与えます。

 

6.当行のビジネス戦略が奏功しないリスク

当行は、収益力増強のためにグローバルベースで様々なビジネス戦略を実施しております。しかしながら、以下に述べるものをはじめとする様々な要因が生じた場合には、これら戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされる可能性があります。

・優良取引先への貸出ボリュームの増大が想定通りに進まないこと。

・既存の貸出についての利鞘拡大が想定通りに進まないこと。

・本邦におけるマイナス金利付き量的・質的金融緩和の長期化、又はマイナス金利幅の更なる拡大により、貸出利鞘の縮小が進行すること。

・当行が目指している手数料収入の増大が想定通りに進まないこと。

・海外事業の拡大等が想定通りに進まないこと。

・効率化を図る戦略が想定通りに進まないこと。

・現在実施中又は今後実施するグループ内の事業の統合・再編等の遅延により、顧客やビジネスチャンスの逸失若しくは想定を上回る費用が生じること、又は効率化戦略若しくはシステム統合において想定していた結果をもたらさないこと。

・当行の出資先が、財務上・業務上の困難に直面したり、戦略を変更したり、又は当行を魅力的な提携先ではないと判断した結果、かかる出資先が当行との提携を望まず、提携を縮小又は解消すること。また、当行の財政状態の悪化等により、出資先との提携を縮小又は解消せざるをえないこと。

 

 

7.業務範囲の拡大に伴うリスク

当行は、法令その他の条件の許す範囲内で、子会社及び関連会社も含めた業務範囲をグローバルベースで大幅に拡大しております。当行がこのように業務範囲を拡大していけばいくほど、新しくかつ複雑なリスクにさらされます。当行は、拡大した業務範囲に関するリスクについては全く経験を有していない、又は限定的な経験しか有していないことがあります。変動の大きい業務であれば、大きな利益を期待できる反面、大きな損失を被るリスクも伴います。当該業務に対して、適切な内部統制システム及びリスク管理システムを構築すると共に、リスクに見合った自己資本を有していなければ、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。さらに業務範囲の拡大が予想通りに進展しない場合、又は熾烈な競争により当該業務の収益性が悪化した場合、当行の業務範囲拡大への取組みが奏功しないおそれがあります。

 

8.新興市場国に対するエクスポージャーに係るリスク

当行は支店や子会社のネットワークを通じてアジア、中南米、中東欧、中東等、新興市場地域でも活動を行っており、これらの国々に関係する様々な信用リスク及び市場リスクにさらされております。具体的には、これらの国の通貨がさらに下落した場合、当該国における当行の貸出先の信用に悪影響が及ぶおそれがあります。当行の新興市場国の貸出先への貸付の多くは米ドル、ユーロ又はその他の外国通貨建てです。かかる貸出先は、現地通貨の為替変動に対してヘッジをしていないことが多いため、現地通貨が下落すれば、当行を含めた貸出人に債務を弁済することが困難となるおそれがあります。さらに、これらの国は、国内金利を引き上げて、自国通貨の価値を支えようとする場合もあります。そうなった場合、貸出先は国内の債務を弁済するためにさらに多くの経営資源を投入せざるを得なくなり、当行を含めた外国の貸出人に対して債務を弁済する能力に悪影響が及ぶおそれがあります。さらに、かかる事態又はこれに関連して信用収縮が生じれば、経済に悪影響を与え、当該国の貸出先及び銀行の信用がさらに悪化し、当行に損失を生じさせるおそれがあります。

また、各地域、国に固有又は共通の要因により、不安定な政治・社会情勢、テロや紛争等、様々なリスクがあり、それらが顕在化した場合には、当行においてそれに応じた損失その他の悪影響が発生するおそれがあります。

 

9.MUAHに関するリスク

当行の重要な子会社であるMUAHの事業又は経営の悪化により、当行の財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。MUAHの財政状態及び経営成績に悪影響を与える要因には、米国カリフォルニア州を中心とした米国の不動産・住宅業界その他の景気の悪化、カリフォルニア州を中心とした米国における銀行間の熾烈な競争、米国経済の不確実性、テロ攻撃の可能性、石油等の資源価格の変動とそれに伴う与信関係費用の発生、金利の上昇、米国金融制度上の制約、訴訟に伴う損失、貸出先の格付低下及び株価の低下、及びその結果生じる可能性のある企業の倒産等、並びにMUAH及びその子会社の内部統制及び法令等遵守態勢の不備に起因する費用の発生等が含まれます。

 

10.アユタヤ銀行に関するリスク

当行の重要な子会社であるアユタヤ銀行の事業又は経営の悪化により、当行の財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。アユタヤ銀行の財政状態及び経営成績に悪影響を与える要因には、タイを中心とした東南アジアの景気の悪化や銀行間の熾烈な競争、不安定な政治や社会情勢、洪水等を含む自然災害、テロや紛争等、金融制度や法律による制約、金利・為替・株価・商品市場の急激な変動、同地域に投資や進出をする企業の業績やそれらの企業が所在する国の景気・金融制度・法律・金融市場の状況、訴訟に伴う損失、貸出先の格付低下及び株価の低下、及びその結果生じる可能性のある企業の倒産、個人向け貸出の焦げ付き、他の大株主との協力関係の悪化等、並びにアユタヤ銀行及びその子会社の内部統制及び法令等遵守態勢の不備に起因する費用の発生等が含まれます。

 

 

11.消費者金融業務に係るリスク

当行は、消費者金融業に従事する関連会社等を有すると同時に消費者金融業者に対する貸出金を保有しております。消費者金融業に関しては、いわゆるみなし弁済を厳格に解するものを含め、過払利息の返還請求をより容易にする一連の判例が出され、これらに伴い過払利息の返還を求める訴訟が引き続き発生しております。さらに、平成19年12月より改正「貸金業法」が段階的に施行され、平成22年6月にはみなし弁済制度の廃止や総量規制の導入等の改正が施行されました。同時に、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の改正の施行により、金銭消費貸借契約の上限金利が29.2%から20%に引き下げられました。このような中、業界大手を含む消費者金融業者に多数の破綻事例が生じたことから、消費者金融業を取り巻く環境は依然として注視していかなければならない状況であり、これらを含む要因により、消費者金融業に従事する当行の関連会社等が悪影響を受けた場合、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、消費者金融業を営む当行の貸出先が悪影響を受けた場合、当行の消費者金融業者に対する貸出金の価値が毀損する可能性があります。

 

12.世界経済の悪化・金融危機の再発により損失を計上するリスク

世界経済は、米国においては量的緩和解除後も内需主導で景気は底堅く推移しているものの、EU離脱の意向が多数を占めた英国の国民投票の結果から生じ得る様々な事象が欧州経済に深刻な影響を与える可能性が懸念されており、また、中国における経済政策転換に伴う成長鈍化とそれに伴う新興国・資源国の景気低迷、さらに世界各地域における政治的混乱等の要因もあり、先行き不透明感が払拭された状況には至っておりません。再び状況が悪化すると、当行の一部の投資ポートフォリオや貸出に悪影響が出るおそれがあります。例えば、当行が保有する有価証券の市場価格が下落することにより損失が拡大する等の可能性があります。また、クレジット市場の環境変化が、当行の貸出先に財務上の問題や債務不履行を生じさせる要因となり、当行の不良債権及び与信関係費用が増加する可能性があります。さらに、有価証券の価格下落や資本市場での信用収縮の動きにより、国内外の金融機関の信用力が低下、資本不足や資金繰り悪化から破綻に追い込まれるケースが増加する可能性もあります。かかる問題により、これらの金融機関との間の取引により当行が損失を被り、当行の財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性もあります。加えて、世界的な金融危機の再発が世界の債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動を招くことなどにより、市場の混乱が世界経済に長期的な影響を及ぼす場合には、当行への悪影響が深刻化する可能性があります。

加えて、当行の貸借対照表上の資産の多くは、時価で計上する金融商品からなっています。一般的に、当行は市場価格を参照してこれらの金融商品の時価を定めています。時価で計上される金融商品の価値が下落した場合、対応する減損等が損益計算書上認識される可能性があります。世界金融危機・同時不況が再発すること等により、金融商品の市場価格が大きく下落し、又は適切な価格を参照できない状況が発生する可能性があり、市場における大きな変動又は市場における機能不全は、当行が保有する金融商品の時価に悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、金融商品の時価に関する会計上の取扱いについて、今後、制度・基準等が見直された場合には、当行が保有する金融商品の時価に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

13.外的要因(紛争・テロ・自然災害等)に関するリスク

紛争(深刻な政情不安を含みます)、テロや誘拐、地震・風水害・感染症の流行等の自然災害等の外的要因により、社会インフラに重大な障害が発生、又は当行の店舗、ATM、システムセンターその他の施設が直接被災、又は業務の遂行に必要な人的資源の損失、又はその他正常な業務遂行を困難とする状況が発生することで、当行の業務の全部又は一部が停止するおそれがあります。また、これらの事象に対応するため、追加の費用等が発生するおそれがあります。さらに、かかる要因に起因して、景気の悪化、当行の貸出先の経営状況の悪化、株価の下落等の事由が生じ、これにより、当行の不良債権及び与信関係費用が増加する、又は、保有する金融商品において減損若しくは評価損が生じるおそれがあります。 

上記の場合、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当行は、自然災害の中でも特に地震による災害リスクにさらされております。例えば、当行の重要な機能並びに我が国の企業、金融市場等が集中する首都圏において首都直下地震が発生した場合、有形資産や人的資産の直接損失のほか、市場混乱、景気悪化、復興費用発生見込みによる国債格下げ又はこれらの懸念などが生じる可能性があります。

 

当行では、このような災害リスクに対し必要な業務継続計画を整備し、常にレベルアップを図っておりますが、必ずしもあらゆる事態に対応できるとは限りません。例えば、平成23年3月に発生した東日本大震災のような大規模災害に伴う津波、液状化現象、火災、計画停電や節電対応等により、当行の店舗、ATM、システムセンターその他の施設の運営が悪影響を受けるおそれがあります。なお、東日本大震災後の原子力発電所の運転停止等を原因とする電力供給の制限等により、当該年度以降も、当行の店舗、ATMその他の施設の運営が悪影響を受けるおそれがあります。

 

14.システムに関するリスク

当行の事業において、情報通信システムは非常に重要な要素の一つであり、インターネット又はATMを通じた顧客サービスはもとより、当行の業務・勘定等の根幹をなしております。紛争(深刻な政情不安を含みます。)、テロ、地震・風水害・感染症の流行等の自然災害等の外的要因に加えて、人為的ミス、機器の故障、停電、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じる可能性があります。また、銀行に対する規制強化の高まりからくる、金融取引を管理するシステムの高度化への要請を十分に満たせない可能性があります。この場合、その程度によっては、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生し、また、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するため追加の費用等が発生する可能性があるほか、当行の信頼が損なわれ又は評判が低下し、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

15.サイバー攻撃等に関するリスク

当行の情報通信システムは、当行の業務・勘定等の根幹をなしており、外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセス、コンピュータウィルス感染等により、情報の流出、情報通信システム機能の停止や誤作動等が生じる可能性があります。この場合、その程度によっては、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生し、また、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するため追加の費用等が発生する可能性があるほか、当行の信頼が損なわれ又は評判が低下し、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

16.競争に伴うリスク

地域金融機関をはじめとした統合・再編の進展、ゆうちょ銀行の預入限度額の引き上げ等、金融業界における競争環境は大きく変化してきております。今後も、国内外の金融機関において様々な合併連衡が行われ、競争がさらに激化する可能性があることに加え、ICT(Information and Communication Technology)の進歩が、他業種から金融業界への参入等の新たな脅威をもたらす可能性があります。また、金融機関に対する規制の枠組み変更がグローバルに進められており、これにより金融業界における競争環境が変化する可能性もあります。当行が、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

17.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク

当行は、現行の規制及び規制に伴うコンプライアンス・リスク(当行が事業を営んでいる本邦及び海外市場における法令、政策、自主規制等の変更による影響を含みます。)のもとで事業を行っており、また、国内外の規制当局による昨今の規制運用実態の下で、内外規制当局による検査、調査等の対象となっております。当行のコンプライアンス・リスク管理態勢及びプログラムは、全ての法令及び規則に抵触することを完全に防止する効果を持たない可能性があります。

当行が、マネー・ローンダリング、金融犯罪その他の不公正・不適切な取引に関するものを含む、適用ある法令及び規則の全てを遵守できない場合、罰金、課徴金、懲戒、評価の低下、業務改善命令、業務停止命令、さらに極端な場合には業務についての許認可の取消しを受けることが考えられます。また、これらにより当行のレピュテーション・リスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失うなど事業環境が悪化する可能性もあり、当行の事業及び経営成績が悪影響を受けるおそれがあります。将来、当行が戦略的な活動を実施する場面で当局の許認可を取得する際にも、悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

なお、当行は、平成18年~平成19年の期間に米国の経済制裁規制に対する違反と見られ得る行為があったものとして、平成24年12月に米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control。以下、「OFAC」といいます。)との間で和解金を支払うことで合意し、また、平成14年~平成19年に取り扱ったイラン関連の米ドル建決済取引における適切性を欠いた事務処理があった等として、平成25年6月に米国ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services。以下、「DFS」といいます。)との間で、和解金の支払と、当行の経済制裁対応に関する現状の内部管理態勢について当行が第三者機関に検証を委託すること等につき合意しました。さらに、当行が平成19年~平成20年に自主的に社内調査を実施した、米国の定める経済制裁国向けの決済取引に関する報告書の調査・作成過程において、委託先であるPricewaterhouseCoopers LLPに対して行った指示及びDFSに対する説明に関し、当行は、平成26年11月にDFSとの間で、①合意した金額の支払、②当時の関係者に対する対応、③米国のマネー・ローンダリング防止対策機能等(OFAC規制対応を含む)のニューヨークへの移転並びに、④第三者機関に委託中の米国の経済制裁対応に関する当行の内部管理態勢検証についてDFSが必要と認めた場合に期間延長を行うことを合意しました。なお、当行はその他の関係当局ともこれらの事象について緊密に報告・協働し、必要な対応を行っております。今後、新たな展開又は類似の事象が生じた場合には、関係当局より更なる処分等を受け、又は関係当局との間で新たな和解金の支払合意を行うなどの可能性があります。

また、当行は、当行を含むパネル行が各種銀行間指標金利の算出機関に呈示した内容等を調査している各国の政府当局から、情報提供命令等を受けております。また為替業務に関しても、当局から同様の情報提供要請を受けております。当行は、これらの調査に対して協力を行い、独自の調査等を実施しております。上記に関連して、当行は、指標金利であれば他のパネル行、為替業務であればその他金融機関とともに、米国におけるクラスアクションを含む、複数の民事訴訟の被告となっております。今後、新たな展開又は類似の事象により、当行に重大な財務上その他の悪影響が生じる可能性があります。

 

18.規制変更のリスク

当行は、現時点の規制(日本及び当行が事業を営むその他の地域における法律、規則、会計基準、政策、実務慣行及び解釈、並びに国際的な金融規制等を含みます。以下、本項において同じ。)に従って、また、規制の変更等によるリスクを伴って、業務を遂行しております。足許では、リスク・ウェイト・アセット計測方法の見直しや、信用評価調整リスクの計測手法、レバレッジ比率規制の見直し等、銀行経営に大きな影響を及ぼしうる規制の検討が国際的に進められており、将来における規制の変更及びそれらによって発生する事態が、当行の事業、財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。しかし、具体的にどのような影響が発生しうるかについては、最終的に決定される規制の内容によるため、現時点でその種類・内容・程度等を予測することは困難であるとともに、当行がコントロールしうるものではありません。

 

19.テロ支援国家との取引に係るリスク

当行は、イラン・イスラム共和国(以下「イラン」といいます。)等、米国国務省が「テロ支援国家」と指定している国における法主体又はこれらの国と関連する法主体との間の取引を実施しております。また、当行はイランに駐在員事務所を設置しております。

米国法は、米国人が当該国家と取引を行うことを、一般的に禁止又は制限しております。さらに、米国政府及び年金基金をはじめとする米国の機関投資家が、イラン等のテロ支援国家と事業を実施する者との間で取引や投資を行うことを規制する動きがあるものと認識しております。このような動きによって、当行が米国政府及び年金基金をはじめとする機関投資家、あるいは規制の対象となる者を、当行の顧客又は投資家として獲得、維持できない結果となる可能性があります。加えて、社会的・政治的な状況に照らして、上記国家との関係が存在することによって、当行の評判が低下することも考えられます。上記状況は、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、イランと米国を含む国連主要6ヶ国は、平成27年7月に合意したイランによる核開発に関する包括的共同行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action)に基づき、平成28年1月、イランによる核開発に係る制裁措置の一部停止・解除を発表しました。本邦においても、外国為替及び外国貿易法に基づく制裁措置の一部が解除されました。しかし、米国による対イラン制裁措置は、米国人の関与するイランとの取引の禁止などが継続され、米国証券取引所に登録している企業(米国外企業を含みます。)には、特定のイラン関連の取引の開示が引き続き義務付けられています。また本邦においても、イランの拡散上機微な核活動・核兵器運搬手段開発に関与する者に対する資産凍結等の措置が残されており、当行では、かかる規制に則った措置を講じておりますが、かかる措置が米国における規制に十分対応できていないと米国政府に判断された場合には、米国政府による何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。なお、これに関連する処分等については、「17.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク」をご参照下さい。

 

20.自己資本比率に関するリスク

(1) 自己資本比率規制及び悪化要因

当行には、平成25年3月期より「バーゼルⅢ:より強靭な銀行および銀行システムのための世界的な規制の枠組み」(以下、「バーゼルⅢ」といいます。)に基づく自己資本比率規制が適用されております。バーゼルⅢは、従前の自己資本比率規制(バーゼルⅡ)と比べ資本の質を重視するとともに、自己資本比率の最低水準の引き上げにより資本の水準を向上させ、また、自己資本比率が一定水準を下回った場合には配当等の社外流出が抑制される資本バッファーを導入することなどを内容とするものであり、平成25年3月期から段階的に適用されています。当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率は「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準が適用されます。

当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。

また、当行及び当行の一部銀行子会社には、米国を含む諸外国において、自己資本比率規制が適用されており、要求される水準を下回った場合には、現地当局から様々な命令を受けることになります。

当行の自己資本比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。

・債務者及び株式・債券の発行体の信用力の悪化に際して生じうるポートフォリオの変動による信用リスクアセット及び期待損失の増加

・調達している資本調達手段の償還・満期等に際して、これらを同等の条件で借り換え又は発行することの困難性

・有価証券ポートフォリオの価値の低下

・為替レートの不利益な変動

・自己資本比率規制の不利益な改正

・繰延税金資産計上額の減額

・その他の不利益な事象の発生

(2) 規制動向

金融安定理事会(以下、「FSB」といいます。)は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループをグローバルにシステム上重要な銀行(以下、「G‐SIBs」といいます。)としています。G‐SIBsに対しては、平成28年から段階的により高い資本水準が求められています。G‐SIBsに該当する金融機関のリスト及び追加的に求められる資本水準は毎年更新されることから、今後、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループに対して更に高い資本水準を求められるおそれがあります。

(3) 繰延税金資産

バーゼルⅢの適用開始に伴い改正された上記の告示においては、繰延税金資産は普通株式等Tier1資本の基礎項目並びに調整項目から計算される一定の基準額まで自己資本に算入することができます。この基準額を超過する場合には、その超過額が普通株式等Tier1資本に算入できなくなり、当行の自己資本比率が低下するおそれがあります。

 

(4) 資本調達

バーゼルⅢの適用開始に伴い改正された上記の告示には、平成25年3月以前に調達した資本調達手段(適格旧資本調達手段)の資本算入に関する経過措置が設けられており、当該経過措置の範囲内で自己資本に算入することができます。これらの資本調達手段については、自己資本への算入可能期限到来に際し、借り換え等が必要となる可能性がありますが、上記の告示では、普通株式等による場合を除き、新たに調達する資本調達手段について自己資本への算入が認められる要件として、その調達を行った金融機関が実質的な破綻状態にあると認められる場合等に、元本削減又は普通株式への転換が行われる旨の特約が定められていることが必要とされており、市場環境等の状況によっては、同等の条件で借り換え又は発行することができないおそれがあります。かかる場合、当行の自己資本の額は減少し、自己資本比率が低下することとなります。

(5)破綻時における総損失吸収力(TLAC)規制の導入

平成27年11月にFSBは、G-SIBsに対して適用される新たな規制である総損失吸収力(以下、「TLAC」といいます。)規制の枠組みを公表しました。当該規制に基づき、G-SIBsは、平成31年から一定比率以上のTLACを維持することが求められることになります。当該規制は、自己資本比率規制に加えて追加的に適用される規制であり、当該規制により、今後、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、平成28年4月に金融庁が公表したTLACに係る枠組み整備の方針に従い、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、本邦におけるTLAC規制の実施を目的とした法令に基づく規制が導入された後も、当該規制上、銀行持株会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループが発行する社債は、TLACとして適格な負債として扱われることを意図しておりますが、所要の法令等の改正の内容は不確定であり、今後の国際的な議論の動向等によって当該枠組み整備の方針が変更される可能性もあります。

 

21. 退職給付債務に係るリスク

当行の年金資産の時価及び運用利回りが下落・低下した場合、予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合、又は退職給付に係る会計基準が改正された場合には、損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を与える可能性があります。これらの結果、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

22.情報紛失・漏洩に係るリスク

当行は、銀行法や金融商品取引法等に基づき、顧客情報を適切に取り扱うことが求められております。また、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)や行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)に基づき、当行も個人情報取扱事業者や個人番号関係事務実施者として個人情報・個人番号・特定個人情報の保護に係る義務等の遵守を求められております

不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正なアクセス、もしくはコンピュータウィルスへの感染等により、顧客情報や当行の機密情報が紛失・漏洩した場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等、直接的な損失が発生する可能性があります。加えて、かかる事件が報道され、当行のレピュテーション・リスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失うなど事業環境が悪化することにより、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

 

23.風評に関するリスク

当行の評判は、顧客、投資家、監督官庁、及び社会との関係を維持する上で極めて重要です。当行の評判は、法令遵守違反、役職員の不正行為・不祥事、潜在的な利益相反に対する不適切な処理、訴訟、システム障害、当行の名称を騙った第三者による不正行為・犯罪、コントロールすることが困難又は不可能な顧客や相手方の行動、並びに顧客との取引における不適切な取引慣行及び優越的地位の濫用等の様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを避けることができず、又は適切に対処することができなかった場合には、当行は、現在又は将来の顧客及び投資家を失うこととなり、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

24.人材確保に係るリスク

当行は、有能な人材の確保・育成に努めておりますが、必要な人材を確保・育成できない場合には、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(1) 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの経営管理契約

当行は、平成18年1月1日付で、当行の親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの間で、経営管理契約を締結しております。

本契約は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社・関連会社を含むMUFGグループの健全且つ適切な業務運営の確保と当行の業務進展を図ることを目的としており、当行は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループより、経営管理に関わる役務の提供を受けております。

 

(2)セキュリティバンクの株式取得

当行は、平成28年1月14日、フィリピン共和国(以下、「フィリピン」という。)の地場主要商業銀行であるSecurity Bank Corporation(以下、「セキュリティバンク」という。)と株式引受契約を締結し、平成28年4月1日、約20%の株式を取得すると共に、取締役2名を派遣し、セキュリティバンクは持分法適用関連会社となりました。

 

① 取得株式の概要

(ⅰ) 出資形態 :

当行はセキュリティバンクが実施する第三者割当増資に応じることにより、セキュリティバンク株式(普通株式及び議決権付優先株式を合わせた希薄化後発行済株式の約20%)を取得。当行は、既存筆頭株主であるDy Group(セキュリティバンクの名誉会長であるFrederick Y. Dy氏を中心とする株主グループ)に次ぐ第2位の主要株主になるとともに、セキュリティバンクを持分法適用関連会社としました。なお、当行は、本提携に際し、セキュリティバンクの既存筆頭株主であるDy Groupとの間で株主間契約を締結しております。

(ⅱ) 取得株式数 :

普通株式150,707,778株

優先株式200,000,000株

(ⅲ) 取得割合  :

セキュリティバンク株式(普通株式及び議決権付優先株式を合わせた発行済株式)の約20%

(ⅳ) 取得価額  :

普通株式一株当たり245フィリピンペソ

優先株式一株当たり0.1フィリピンペソ

 

(ⅴ) 出資総額  :

約369.43億フィリピンペソ

(ⅵ) 役員派遣  :

当行より派遣する2名がセキュリティバンク取締役として選任済み

 

 

② 業務提携の概要

両行が有するノウハウや顧客基盤を活かし、主に以下の分野を中心として協働を推進することにより、両行のお客さまへのサービス拡充を図ります。

[主な協働推進分野]

(ⅰ) 日系企業従業員向けの職域サービス

(ⅱ) 貿易金融

(ⅲ) プロジェクトファイナンス

(ⅳ) 相互の長期資金調達の支援

(ⅴ) 日系企業が関与する大型プロジェクト等の日系企業が関連するビジネス機会の捕捉

(ⅵ) 両行が有する各分野におけるノウハウの提供

(ⅶ) リース・証券・資産運用等の分野における株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のグループ企業との協働等

 

③ セキュリティバンクの概要

(ⅰ) 商号:Security Bank Corporation

(ⅱ) 事業内容:商業銀行

(ⅲ) 設立:1951年

(ⅳ) 所在地:フィリピン共和国、マカティ市

(ⅴ) 代表者:Mr. Alfonso L. Salcedo, Jr. President and CEO

(ⅵ) 資本金:6,089百万ペソ(平成27年12月31日時点)

(ⅶ) 当行との関係:
    当行とセキュリティバンクの間には開示を必要とする一切の資本関係、人的関係、取引関係はございません。

(ⅷ) 従業員数: 4,328人(平成27年12月31日時点)

(ⅸ) 支店数:268店舗(平成28年5月6日時点)

(ⅹ) 規模等(平成27年12月期)

(単位:百万フィリピンペソ)

粗利益

18,308

営業利益

8,302

親会社株主に帰属する当期純利益

7,536

総資産額

532,200

純資産額

53,214

 

(注) 1 「営業利益」は「粗利益」と「営業費用」の差額であります。

2 上記の数値は、フィリピン証券規制法(Securities Regulation Code)に基づくセキュリティバンクのForm17-Cの記載によっております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 

当連結会計年度の連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は、連結業務粗利益が資金運用収益の減少を主因に、前連結会計年度比766億円減少した一方、営業経費も前連結会計年度比376億円減少したことにより、前連結会計年度比389億円減少して1兆1,895億円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比457億円減少して6,858億円となりました。

 

当連結会計年度における主な項目は、以下のとおりであります。

 

 

前連結会計年度
(億円)
(A)

当連結会計年度
(億円)
(B)

前連結会計年度比
(億円)
(B-A)

資金運用収益

23,849

23,237

△611

資金調達費用(金銭の信託運用見合費用控除後)

5,120

5,356

235

信託報酬

125

131

5

 うち信託勘定償却

役務取引等収益

8,848

8,770

△77

役務取引等費用

1,520

1,592

72

特定取引収益

1,493

1,356

△136

特定取引費用

その他業務収益

3,537

4,276

739

その他業務費用

1,117

1,495

378

連結業務粗利益
(=①-②+③+⑤-⑥+⑦-⑧+⑨-⑩)

30,094

29,328

△766

営業経費(臨時費用控除後)

17,809

17,433

△376

連結業務純益
(一般貸倒引当金繰入前=⑪+④-⑫)

 

12,285

11,895

△389

その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額)

831

△1,696

△2,528

連結業務純益(=⑪-⑫-⑬)

 

11,453

13,591

2,138

その他経常収益

2,436

2,565

129

 うち貸倒引当金戻入益

 

 うち償却債権取立益

 

439

391

△47

 うち株式等売却益

 

772

1,260

488

資金調達費用(金銭の信託運用見合費用)

1

0

△0

営業経費(臨時費用)

267

201

△65

その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額控除後)

1,408

5,118

3,709

 うち与信関係費用

 

782

4,133

3,350

 うち株式等売却損

 

114

288

173

 うち株式等償却

 

37

232

195

臨時損益(=⑭-⑮-⑯-⑰)

 

758

△2,754

△3,513

経常利益

 

12,212

10,837

△1,374

特別損益

 

△682

157

840

 うち減損損失

 

△42

△110

△67

税金等調整前当期純利益

 

11,529

10,994

△534

法人税等合計

 

3,472

3,502

29

当期純利益

 

8,056

7,491

△564

非支配株主に帰属する当期純利益

 

740

633

△106

親会社株主に帰属する当期純利益

 

7,316

6,858

△457

 

 

 

1.経営成績の分析

 

(1) 主な収支

連結業務粗利益は、前連結会計年度比766億円減少して2兆9,328億円となりました。

資金運用収支は、貸出金利息の減少や外貨資金の調達費用の増加を主因に、前連結会計年度比847億円減少して1兆7,881億円となりました。

役務取引等収支は、国内の融資関係手数料等の減少を主因に、前連結会計年度比150億円減少して7,177億円となりました。

特定取引収支は、前連結会計年度比136億円減少して1,356億円、その他業務収支は、前連結会計年度比361億円増加して2,780億円となりました。

営業経費(臨時費用控除後)は、単体の営業経費減少を主因に、前連結会計年度比376億円減少して1兆7,433億円となりました。この結果、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比389億円減少して1兆1,895億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度
(億円)
(A)

当連結会計年度
(億円)
(B)

前連結会計年度比
(億円)
(B-A)

資金運用収支

 

18,728

17,881

△847

 資金運用収益

23,849

23,237

△611

 資金調達費用
 (金銭の信託運用見合費用控除後)

5,120

5,356

235

信託報酬

125

131

5

 うち信託勘定償却

役務取引等収支

 

7,328

7,177

△150

 役務取引等収益

8,848

8,770

△77

 役務取引等費用

1,520

1,592

72

特定取引収支

 

1,493

1,356

△136

 特定取引収益

1,493

1,356

△136

 特定取引費用

その他業務収支

 

2,419

2,780

361

 その他業務収益

3,537

4,276

739

 その他業務費用

1,117

1,495

378

連結業務粗利益
(=①-②+③+⑤-⑥+⑦-⑧+⑨-⑩)

30,094

29,328

△766

営業経費(臨時費用控除後)

17,809

17,433

△376

連結業務純益
(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)
(=⑪+④-⑫)

 

12,285

11,895

△389

 

 

 

(2) 与信関係費用

与信関係費用総額は、個別貸倒引当金の増加を主因に、前連結会計年度比879億円増加して2,044億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度
(億円)
(A)

当連結会計年度
(億円)
(B)

前連結会計年度比
(億円)
(B-A)

信託報酬のうち信託勘定償却

その他経常収益のうち貸倒引当金戻入益

その他経常収益のうち偶発損失引当金戻入益

10

△10

その他経常収益のうち償却債権取立益

439

391

△47

その他経常費用のうち一般貸倒引当金繰入

831

△1,696

△2,528

その他経常費用のうち与信関係費用

782

4,133

3,350

 貸出金償却

 

909

826

△82

 個別貸倒引当金繰入額

 

△267

2,880

3,147

 その他の与信関係費用

 

140

425

285

与信関係費用総額
(=①-②-③-④+⑤+⑥)

 

1,164

2,044

879

連結業務純益
(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)

 

12,285

11,895

△389

連結業務純益(与信関係費用総額控除後)

 

11,120

9,850

△1,269

 

 

 

 

(3) 株式等関係損益

株式等関係損益は、前連結会計年度比119億円増加して739億円となりました。

株式等売却益は前連結会計年度比488億円増加して1,260億円、株式等売却損は前連結会計年度比173億円増加して288億円、株式等償却は前連結会計年度比195億円増加して232億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度
(億円)
(A)

当連結会計年度
(億円)
(B)

前連結会計年度比
(億円)
(B-A)

株式等関係損益

 

620

739

119

 その他経常収益のうち株式等売却益

 

772

1,260

488

 その他経常費用のうち株式等売却損

 

114

288

173

 その他経常費用のうち株式等償却

 

37

232

195

 

 

 

2.財政状態の分析

 

(1) 貸出金

貸出金は、前連結会計年度末比3兆3,914億円増加して101兆76億円となりました。国内・海外とも貸出残高が増加いたしました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

貸出金残高(末残)

976,161

1,010,076

33,914

  うち住宅ローン[単体]

145,554

141,998

△3,555

  うち海外支店[単体]

238,774

249,550

10,775

  うち海外子会社
  (MUFG Americas Holdings Corporation)

91,501

92,586

1,084

 

 

 

○リスク管理債権の状況

当行グループのリスク管理債権(除く信託勘定)は、前連結会計年度末比1,201億円増加して1兆4,401億円となりました。

貸出金残高に対するリスク管理債権(除く信託勘定)の比率は、前連結会計年度末比0.07ポイント増加して1.42%となりました。

債権区分別では、破綻先債権額が前連結会計年度末比305億円増加、延滞債権額が前連結会計年度末比2,832億円増加、3ヵ月以上延滞債権額が前連結会計年度末比7億円増加、貸出条件緩和債権額が前連結会計年度末比1,944億円減少しております。

 

部分直接償却後 未収利息不計上基準(資産の自己査定基準)

[連結]

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

 

破綻先債権額

190

496

305

 

延滞債権額

7,094

9,927

2,832

リスク管理債権

3ヵ月以上延滞債権額

464

471

7

 

貸出条件緩和債権額

5,451

3,506

△1,944

 

合計

13,200

14,401

1,201

 

 

 

 

 

貸出金残高(末残)

976,161

1,010,076

33,914

 

 

 

前連結会計年度末
(A)

当連結会計年度末
(B)

前連結会計年度末比
(B-A)

 

破綻先債権額

0.01%

0.04%

0.02%

 

延滞債権額

0.72%

0.98%

0.25%

貸出金残高比率

3ヵ月以上延滞債権額

0.04%

0.04%

△0.00%

 

貸出条件緩和債権額

0.55%

0.34%

△0.21%

 

合計

1.35%

1.42%

0.07%

 

 

 

○リスク管理債権のセグメント情報

地域別セグメント情報

[連結]

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

国内

10,312

9,688

△623

海外

2,887

4,712

1,825

 アジア

997

1,379

381

  インドネシア

28

44

15

  シンガポール

184

184

  タイ

815

891

75

  中国

1

34

33

  その他

152

224

72

 米州

1,007

1,994

986

 欧州、中近東他

882

1,339

456

合計

13,200

14,401

1,201

 

 

 

業種別セグメント情報

[連結]

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

国内

10,312

9,688

△623

 製造業

3,262

4,059

797

 建設業

261

200

△61

 卸売業、小売業

2,074

1,629

△445

 金融業、保険業

53

14

△39

 不動産業、物品賃貸業

1,111

820

△291

 各種サービス業

824

670

△154

 その他

440

325

△115

 消費者

2,283

1,969

△314

海外

2,887

4,712

1,825

 金融機関

74

143

69

 商工業

1,206

3,183

1,977

 その他

1,607

1,385

△221

合計

13,200

14,401

1,201

 

 

 

[ご参考]金融再生法開示債権の状況

金融再生法開示債権は、前連結会計年度末比861億円増加して1兆2,631億円となりました。

開示債権比率は、前連結会計年度末比0.04ポイント増加して1.32%となりました。

債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が288億円増加、危険債権が2,655億円増加、要管理債権が2,083億円減少しております。

当連結会計年度末の開示債権の保全状況は、開示債権合計1兆2,631億円に対し、貸倒引当金による保全が4,470億円、担保・保証等による保全が6,127億円で、開示債権全体の保全率は83.89%となっております。

不良債権処理に関しましては、従来より重要課題として取り組んでおり、今後とも償却・売却等による最終処理、または再建可能な先の正常化を図ることで、不良債権残高を削減したいと考えております。

 

金融再生法開示債権

[単体]

債権区分

開示残高
 
(億円) 
(A)

貸倒引当金
 
(億円) 
(B)

うち担保・
保証等による
保全額
(億円)
(C)

非保全部分に
対する引当率
(B)
/[(A)-(C)]

保全率
[(B)+(C)]
/(A)

破産更生債権及び
これらに準ずる債権

1,168

(879)

173

(11)

995

(867)

100.00%

(100.00%)

100.00%

(100.00%)

危険債権

8,152

(5,496)

3,453

(1,470)

3,314

(2,887)

71.38%

(56.35%)

83.01%

(79.28%)

要管理債権

3,310

(5,393)

843

(1,602)

1,817

(2,216)

56.51%

(50.44%)

80.39%

(70.80%)

小計

12,631

(11,769)

4,470

(3,084)

6,127

(5,971)

68.73%

(53.20%)

83.89%

(76.94%)

正常債権

943,704

(911,170)

――

――

――

――

合計

956,335

(922,939)

――

――

――

――

開示債権比率

1.32%

(1.27%)

――

――

――

――

 

(注) 上段は当連結会計年度末の計数、下段(カッコ書き)は前連結会計年度末の計数を記載しております。

 

 

(2) 有価証券

有価証券は、前連結会計年度末比3兆9,357億円減少して50兆2,341億円となりました。地方債が2,213億円、社債が1,349億円、その他の証券が3兆3,725億円、それぞれ増加しましたが、国債が6兆9,698億円、株式が6,947億円、それぞれ減少しました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

有価証券

541,699

502,341

△39,357

 国債

289,558

219,859

△69,698

 地方債

1,881

4,095

2,213

 社債

19,265

20,614

1,349

 株式

49,319

42,372

△6,947

 その他の証券

181,673

215,399

33,725

 

(注) 「その他の証券」は、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

 

 

(3) 繰延税金資産

繰延税金資産の純額は、前連結会計年度末比657億円増加して△5,679億円となりました。

当行単体の発生原因別では、繰延税金資産は、評価性引当額の増加を主因に、前連結会計年度末比443億円減少して5,268億円となりました。また、繰延税金負債は、その他有価証券評価差額金の減少を主因に、前連結会計年度末比617億円減少して1兆947億円となりました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

繰延税金資産の純額

△6,337

△5,679

657

 

(注) 連結財務諸表上の繰延税金資産から繰延税金負債を差し引いたものです。

 

発生原因別内訳(単体)

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

繰延税金資産

5,711

5,268

△443

 貸倒引当金

2,811

2,678

△133

 有価証券有税償却

960

1,175

214

 その他有価証券評価差額金

133

192

59

 退職給付引当金

1,053

987

△65

 その他

2,058

1,841

△217

 評価性引当額(△)

1,305

1,606

301

繰延税金負債

11,565

10,947

△617

 その他有価証券評価差額金

9,252

7,563

△1,689

 繰延ヘッジ損益

745

1,874

1,128

 合併時有価証券時価引継

696

620

△75

 退職給付信託設定益

526

498

△28

 その他

343

390

47

繰延税金資産の純額

△5,853

△5,678

174

 

 

 

(4) 預金

預金は、前連結会計年度末比6兆8,296億円増加して147兆7,843億円となりました。
 国内個人預金[単体]が9,646億円増加、国内法人預金その他[単体]が4兆4,879億円増加、海外支店[単体]が1兆9,966億円増加しました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

預金

1,409,546

1,477,843

68,296

 うち国内個人預金[単体]

621,940

631,586

9,646

 うち国内法人預金その他[単体]

442,647

487,526

44,879

 うち海外支店[単体]

178,074

198,040

19,966

 

(注) 「国内個人預金[単体]」及び「国内法人預金その他[単体]」は、特別国際金融取引勘定分を除いております。

 

 

 

(5) 純資産の部

純資産の部合計は、利益剰余金が増加した一方、その他有価証券評価差額金、非支配株主持分の減少により前連結会計年度末比835億円減少して13兆1,182億円となりました。
 その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末比2,875億円減少して1兆8,116億円となりました。また非支配株主持分は、前連結会計年度末比603億円減少して1兆3,590億円となりました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

純資産の部合計

132,018

131,182

△835

  うち資本金

17,119

17,119

  うち資本剰余金

36,576

36,576

△0

  うち利益剰余金

40,710

43,341

2,630

  うち自己株式

△6,457

△6,457

  うちその他有価証券評価差額金

20,991

18,116

△2,875

  うち非支配株主持分

14,194

13,590

△603

 

 

 

3.連結自己資本比率(国際統一基準)

 

総自己資本の額は、純利益の積上げによる利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末比2,825億円増加の14兆132億円となりました。

リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比6,409億円増加して89兆4,566億円となりました。

この結果、連結総自己資本比率は、前連結会計年度末比0.20ポイント増加して15.66%、連結Tier1比率は、前連結会計年度末比0.50ポイント増加して12.71%、連結普通株式等Tier1比率は、前連結会計年度末比0.30ポイント増加して11.08%となりました。

 

 

前連結会計年度末
(億円)
(A)

当連結会計年度末
(億円)
(B)

前連結会計年度末比
(億円)
(B-A)

総自己資本の額

137,307

140,132

2,825

Tier1資本の額

108,488

113,752

5,263

普通株式等Tier1資本の額

95,718

99,177

3,458

リスク・アセットの額

888,156

894,566

6,409

総自己資本比率

①/④

15.45%

15.66%

0.20%

Tier1比率

②/④

12.21%

12.71%

0.50%

普通株式等Tier1比率

③/④

10.77%

11.08%

0.30%

 

(注) 総自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づく平成18年金融庁告示第19号に定められた算式に基づいて、国際統一基準を適用のうえ算出しております。

なお、前連結会計年度末の自己資本比率に係る各計数については、リスク・アセットの額の内、フロア調整額算定に必要なバーゼルⅠにおける住宅ローン債権を中心とした債権の一部で判明したリスクウェイト等の誤りについて、再計算を行った結果を反映しております。

 

 

 

 

4.キャッシュ・フローの状況

 

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (キャッシュ・フローの状況)」に記載しております。

 

 

5.事業部門別収益

 

当連結会計年度の内部管理上の区分けを基準とした事業部門別収益状況は、次のとおりです。

 

[各事業部門の主な担当業務]

 

リテール部門

国内の個人に対する金融サービスの提供

法人部門 

国内の企業に対する金融サービスの提供

国際部門

海外の個人・企業に対する金融サービスの提供

 うちMUAH    

MUFG Americas Holdings Corporation(その銀行子会社であるMUFG Union Bank, N.A.を含む)

 うちアユタヤ銀行 

タイの商業銀行

市場部門

為替・資金・証券の対顧客・対市場取引及び流動性管理・資金繰り管理

その他部門

決済・カストディ業務、出資金収支、部門間調整 等

 

 

 

  (億円)

リテール
部門

法人部門

国際部門

 

市場部門

その他部門
(注3)

合計

MUAH

アユタヤ
銀行
(注2)

業務粗利益

5,141

6,539

12,575

4,379

2,616

4,191

387

28,836

 

 単体

4,700

6,317

4,491

3,752

839

20,100

 

 

 金利収益

3,375

2,772

2,096

1,752

1,557

11,553

 

 

 非金利収益

1,325

3,545

2,394

2,000

△717

8,547

 

 子会社

441

222

8,083

4,379

2,616

439

△451

8,735

経費

4,178

3,218

8,009

3,180

1,311

807

1,088

17,303

営業純益(注1)

962

3,321

4,566

1,199

1,304

3,384

△700

11,533

 

(注)1 連結業務純益の内部取引消去等連結調整前の計数(子会社からの配当収入のみ消去)です。

社内管理のために算出した損益であり、財務会計上の損益とは一致しません。

2 アユタヤ銀行の計数は、タイの会計基準に基づいて算出しております。

3 その他部門の業務粗利益では、子会社からの配当収入、及び株式会社三菱UFJフィナンシャル・
グループ宛貸出収益を控除しております。

 

(1) リテール部門

市場金利低下の影響による円預金収益減少に加え、運用商品販売収益が減少しましたが、コンシューマーファイナンス収益が引き続き堅調に推移したほか、経費削減にも努めました。

(2) 法人部門

市場金利低下の影響、貸出利鞘の低下が継続した影響により、円預金・貸出収益が減少しましたが、ソリューション収益が堅調に推移したほか、経費削減にも努めました。

(3) 国際部門

貸出収益や手数料収益の減少を主因にアジアの粗利益が前年を下回りましたが、米州、アユタヤ銀行の粗利益は前年を上回りました。

(4) 市場部門

上半期における欧米金利上昇、米国利上げの影響により収益は前年を下回りましたが、外部環境の変化に対応した機動的な操作運営に努めました。