前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある新たな事項又は重要な変更として当社が認識しているものは以下のとおりです。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本四半期報告書提出日現在において判断したものです。
なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応するものです。
当社グループは、各種のリスクシナリオが顕在化した場合の影響度と蓋然性に基づき、その重要性を判定しており、今後約1年間で最も注意すべきリスク事象をトップリスクとして特定しています。2020年10月の当社リスク委員会において特定されたトップリスクのうち、主要なものは以下のとおりです。当社グループでは、トップリスクを特定することで、それに対しあらかじめ必要な対策を講じて可能な範囲でリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的な対応が可能となるように管理を行っています。また、経営層を交えてトップリスクに関し議論することで、リスク認識を共有した上で実効的対策を講じるように努めています。
主要なトップリスク
※リスク事象:2020年10月の当社リスク委員会での審議を経て、取締役会に報告されたものの一例です。一般的に起こり得る事象で、当社固有でない情報も含まれます。
格付機関による当社グループの格下げにより、当社グループの市場業務及びその他の業務が悪影響を受けるおそれがあります。特に外貨調達においては、調達コストの増加、又は調達余力の減少により、当社グループの流動性や収益力が悪影響を受ける、また市場業務においては、担保拠出の追加が求められる、又は顧客からの信用低下等を起因に一定の取引を行うことができなくなる等の悪影響を受けるおそれがあります。例えば、2020年3月末時点のデリバティブ取引及び信用格付に基づいて、当社及びその主要3子会社(株式会社三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社及び三菱UFJ証券ホールディングス株式会社)の格付が全て1段階格下げされたと仮定した場合、合計で約588億円、全て2段階格下げされたと仮定した場合、合計で約870億円の追加担保をMUFG及びその主要3子会社が提供する必要があったと推定されます。なお、2020年4月に、Fitch Ratingsは当社、三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行の長期発行体デフォルト格付をA(弱含み)からA-(安定的)に1段階格下げし、Standard and Poor'sは同3社のアウトルックを「ポジティブ」から「安定的」に変更しました。また、Fitch Ratingsは同3社及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社のアウトルックを、2020年8月に「安定的」から「弱含み」に変更しましたが、2020年9月に「弱含み」から「安定的」に変更しました。
格付機関は、当社の財務体質や当社グループの関連子会社の評価、国内外の金融業界全体に影響を与える要因などに基づいて、当社を定期的に評価していますが、当社グループがコントロールできない要因も含まれており、また、格付評価機関の評価手法については当社がコントロールしうるものではありません。当社は、資金流動性リスク管理上の指標を設ける等、適正な資金流動性の確保に努めておりますが、上記要因などに基づく評価又は格付方法の変更の結果、当社の格付又は当社子会社の格付が引き下がる可能性があり、かかる事態が生じた場合には、当社グループの市場業務及び他の業務の収益性に悪影響を与えるおそれや、当社グループの財政状態及び経営成績にも悪影響を与えるおそれがあります。
当社グループのシステム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、事業を行う上で非常に重要な要素の一つであり、リモートワークや非対面チャネルを通じた業務の拡大やデジタル戦略を推進している中で特に重要性が高まっており、適切な設計やテストの実施等によりシステム障害等を未然に防止し、セキュリティ面に配慮したシステムの導入に努めていますが、システム障害やサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染、人為的ミス、機器の故障、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、新技術、新たなシステムや手段への不十分な対応等を完全には防止できない可能性があります。また、すべてのビジネス要件や金融機関に対する規制強化の高まりからくる規制要件に対応するシステムの高度化への要請を十分に満たせない可能性や、市場や規制の要請に応えるために必要なシステム構築や更新がその作業自体の複雑性等から計画どおりに完了しない可能性があります。その場合、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生する可能性、当社グループの信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。
以下の記載における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
当中間連結会計期間の業績につきましては、以下のとおりとなりました。
当中間連結会計期間の連結業務粗利益は、バンクダナモンの連結子会社化に伴う資金利益の増加に加え、市場関連収益の増加もあり、前中間連結会計期間比1,238億円増加して20,930億円となりました。
営業費は、前中間連結会計期間比105億円増加して13,525億円となり、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前、信託勘定償却前)は、前中間連結会計期間比1,133億円増加して7,404億円となりました。
与信関係費用総額は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な信用リスクの増加や、海外連結子会社における会計方針の変更(「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更) (追加情報) (米国財務会計基準審議会会計基準更新書(ASU)第2016-13号「金融商品-信用損失」の適用)」ご参照)の影響もあり、前中間連結会計期間比2,403億円増加しました。
株式等関係損益は、株式等償却の減少を主因に前中間連結会計期間比65億円増加しました。
このほか、持分法による投資損益が前中間連結会計期間比35億円増加した一方、退職給付費用の増加等もあり、経常利益は前中間連結会計期間比2,008億円減少して5,902億円となりました。
特別損益は、固定資産処分損益等が改善したものの、前中間連結会計期間における子会社株式売却益の剥落もあり、前中間連結会計期間比84億円減少、以上の結果、親会社株主に帰属する中間純利益は、前中間連結会計期間比2,061億円減少して4,008億円となりました。
財政状態につきましては、総資産が前連結会計年度末比118,568億円増加して3,484,282億円、純資産は前連結会計年度末比4,667億円増加して173,224億円となりました。
主要な勘定残高といたしましては、資産の部では、貸出金が前連結会計年度末比6,376億円減少して1,084,770億円、有価証券が前連結会計年度末比94,503億円増加して750,054億円となりました。負債の部では、預金が前連結会計年度末比140,807億円増加して2,017,042億円となりました。
なお、金融再生法に基づく開示債権比率は、前連結会計年度末比0.11ポイント上昇して0.76%となりました。
当中間連結会計期間における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
*与信関係費用(信託勘定)+一般貸倒引当金繰入額+与信関係費用(臨時損益)+貸倒引当金戻入益
+偶発損失引当金戻入益(与信関連)+償却債権取立益
(注) 時価算定会計基準及び時価算定適用指針を前連結会計年度末より適用しており、前中間連結会計期間については当該会計基準等を遡及適用した後の数値を記載しております。
以下、(2行合算)は、株式会社三菱UFJ銀行及び三菱UFJ信託銀行株式会社の単体数値の単純合算を示しております。
(i)貸出金(含む信託勘定)
貸出金(含む信託勘定)は、国内店が増加も、海外店及び海外子会社が減少し、前連結会計年度末比6,750億円減少して1,087,994億円となりました。
*2行間の貸出金及び持株会社、MUAH、並びにアユタヤ銀行向け貸出金を除いております。
<参考> 金融再生法開示債権の状況(2行合算+信託勘定)
金融再生法に基づく開示債権比率は、前連結会計年度末比0.11ポイント上昇して0.76%となりました。
(ⅱ)預金(2行合算)
預金(2行合算)は、国内法人預金その他、国内個人預金、海外店ともに増加し、前連結会計年度末比128,665億円増加して1,822,428億円となりました。
(注) 譲渡性預金、特別国際金融取引勘定分、並びに2行間の一部預金を除いております。
(ⅲ)その他有価証券評価差額
その他有価証券評価差額は、国内株式の増加を主因に前連結会計年度末比6,638億円増加して35,525億円となりました。
当中間連結会計期間における主な報告セグメントの営業純益は、法人・リテール事業本部で前中間連結会計期間比243億円減少して1,091億円、コーポレートバンキング事業本部で前中間連結会計期間比187億円減少して972億円、グローバルCIB事業本部で前中間連結会計期間比70億円減少して656億円、グローバルコマーシャルバンキング事業本部で前中間連結会計期間比553億円増加して1,510億円、受託財産事業本部で前中間連結会計期間比6億円増加して366億円、市場事業本部で前中間連結会計期間比1,264億円増加して3,492億円となりました。
なお、当中間連結会計期間において、事業本部間の粗利益・経費の配賦方法を変更しており、前中間連結会計期間のセグメント情報は、変更後の算定方法に基づいた数値で比較をしております。また、「(会計方針の変更) (追加情報)」に記載のとおり、「時価算定会計基準」等を前連結会計年度末より適用しており、前中間連結会計期間のセグメント情報については、当該会計基準等を遡及適用した後の数値を記載しております。
国内・海外別収支の内訳は次のとおりであります。
当第2四半期連結累計期間の資金運用収支・信託報酬・役務取引等収支・特定取引収支・その他業務収支の合計は国内が14,893億円で前年同期比1,151億円の増益、海外が9,772億円で前年同期比646億円の増益となり、合計では20,930億円で前年同期比1,238億円の増益となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(海外店を除く。以下、「国内連結子会社」という。)であります。
「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。
2 「資金調達費用」は金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。
3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
4 時価算定会計基準及び時価算定適用指針を前連結会計年度末より適用しており、前第2四半期連結累計期間の国内・海外別収支については、当該会計基準等を遡及適用した後の数値を記載しております。
国内及び海外の役務取引等収支の状況は次のとおりであります。
当第2四半期連結累計期間の国内の役務取引は、役務取引等収益が5,897億円で前年同期比485億円の減収、役務取引等費用が1,287億円で前年同期比158億円減少した結果、役務取引等収支では、前年同期比326億円減少して4,610億円となりました。海外の役務取引は、役務取引等収益が3,258億円で前年同期比308億円の増収、役務取引等費用が589億円で前年同期比37億円減少した結果、役務取引等収支では、前年同期比346億円増加して2,669億円となりました。
この結果、役務取引等収支合計では前年同期比5億円減少して6,190億円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2 「その他商業銀行業務」には、預金・貸出業務、代理業務、保護預り・貸金庫業務等を含んでおります。
3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
国内及び海外の特定取引収支の状況は次のとおりであります。
当第2四半期連結累計期間の国内の特定取引は、特定取引収益が818億円で前年同期比74億円の増収、特定取引費用が21億円で前年同期比21億円増加した結果、特定取引収支では、前年同期比53億円増加して796億円となりました。海外の特定取引は、特定取引収益が1,700億円で前年同期比851億円の増収、特定取引費用が629億円で前年同期比195億円増加した結果、特定取引収支では、前年同期比656億円増加して1,071億円となりました。
この結果、特定取引収支合計では前年同期比757億円増加して1,951億円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
3 時価算定会計基準及び時価算定適用指針を前連結会計年度末より適用しており、前第2四半期連結累計期間の国内・海外別特定取引の状況については、当該会計基準等を遡及適用した後の数値を記載しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金+定期積金
4 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。
(注) 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては先進的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
(単位:億円、%)
(注) 当社のモルガン・スタンレーに対する出資の大半(2020年9月末基準:9,537億円)は、ダブルギアリングによる自己資本控除額を算出する際の対象資産から除外しています。この取り扱いは、金融庁長官の承認を受けたものであり、2013年3月31日から2023年3月30日の期間(ただし、2019年3月31日以降は対象金額が毎年20%ずつ逓減)に限る取り扱いです。
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(単位:%)
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加及びコールローン等の減少などにより、前第2四半期連結累計期間比278,749億円収入が増加して、251,208億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、前第2四半期連結累計期間比113,189億円支出が増加して、94,912億円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付社債の償還による支出が増加したことなどにより、前第2四半期連結累計期間比2,882億円支出が増加して、2,205億円の支出となりました。
現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末比151,817億円増加して935,174億円となりました。
(注) 時価算定会計基準及び時価算定適用指針を前連結会計年度末より適用しており、前第2四半期連結累計期間
については、当該会計基準等を遡及適用した後の数値を記載しております。
当社グループは、当中間連結会計期間において、会計上の見積りを行うにあたり、前連結会計年度に置いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関する仮定の一部を変更しております。
これにより、当社の主要な連結子会社である株式会社三菱UFJ銀行は、貸倒引当金の見積りについて、前連結会計年度に置いた仮定の一部を変更しております。
また、当社の米国会計基準を適用する一部の在外子会社においては、当中間連結会計期間の期首より米国財務会計基準審議会会計基準更新書(ASU)第2016-13号「金融商品-信用損失」を適用しており、貸倒引当金の見積り及び仮定が変更されております。
これらの詳細は、「第4経理の状況 1中間連結財務諸表 注記事項(中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4会計方針に関する事項 (6)貸倒引当金の計上基準(追加情報)」にそれぞれ記載しております。
当社グループでは、資産をセグメントに配分していないため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しており
ます。
(㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ)
a 重要な設備計画の変更
(注) 上記設備計画の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。
(*) 本件は連結子会社である株式会社三菱UFJ銀行との共同システム案件です。
(㈱三菱UFJ銀行)
a 重要な設備の新設等
(注) 投資予定金額に外貨が含まれる場合、円貨に換算しております。
b 重要な設備計画の変更
(注) 1 上記設備計画の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。
2 投資予定金額に外貨が含まれる場合、円貨に換算しております。
(*) 本件は親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの共同システム案件です。
(Global Open Network㈱)
a 重要な設備計画の変更
(注) 上記設備計画の記載金額には、消費税及び地方消費税を含んでおりません。
該当事項はありません。