漆彫刻家
青木 千絵
金沢美術工芸大学工芸科 漆・木工コース准教授

BODY22-2ー生命の記憶ー
人間の存在をテーマに、等身大の身体と抽象形態を融合した漆作品を制作。主な展覧会に「ジャンルレス工芸」(国立工芸館、2022)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、2022)。作品は徳島県立美術館、ミネアポリス美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、金沢21世紀美術館、国立工芸館などに収蔵。

作品に向かう熱意は、必ず人の心を動かします。全ての人に受け入れられる作品より、誰かの心に突き刺さる作品を。これまで見たことのない世界を感じさせてくれる瞬間に出会えることを期待しています。
画家/工芸家
上出 惠悟

甘蕉 房 色絵椿文
1981年石川県生まれ、2006年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同年より、1879年創業の九谷焼窯元の後継者として伝統を引き継ぐ。2013年合同会社上出瓷藝設立。個人作家としても活動。

一言で工芸と言っても、伝統や地域性、実用性、芸術性など様々な側面がありますが、常に新しい技術や素材、思想を取り入れ、社会に訴える力を持つものだと思います。現代における工芸の可能性をぜひ見せてください。
アーティスト
桑田 卓郎

赤化粧金彩点滴石爆埦
1981年広島県生まれ。2021年 京都嵯峨芸術大学短期大学部美術学科陶芸コース卒業、2002年 陶芸家の財満進氏に師事。2007年 多治見市陶磁器意匠研究所修了。ニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で展覧会を開催。

あなたが制作に向き合い見つけた感動を見ること、未来につながる新しい工芸との出会いを楽しみにしています。
美術家 / ガラス作家
佐々木 類

植物の記憶 / Subtle Intimacy 2012-2023
Photo by Nik van der Giesen / 金沢21世紀美術館蔵
1984年高知県生まれ茨城県育ち。石川県を拠点に制作。身近にある自然や生活環境にインスピレーションを得ながら、主に保存や記録が可能な素材であるガラスを用い、自分が存在する場所で知覚した「微かな懐かしさ」のありようを探求している。コーニングガラス美術館(アメリカ)、ラトビア国立美術館、金沢21世紀美術館など作品収蔵多数。

近年、急速に多様化している工芸や美術の世界を一緒に模索・探求できればと思います。まずは、応募することで一歩が始まります。多くの方のご応募をお待ちしています。
テキスタイルデザイナー
須藤 玲子

たなばた
Photo by Sue McNab
茨城県石岡市生まれ。株式会社 布デザインディレクター。東京造形大学名誉教授。2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業協同組合他のテキスタイルデザインアドバイスを手がけ、2016年より株式会社良品計画アドバイザリーボード。作品はニューヨーク近代美術館、ロサンゼルス州立美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館他に永久保存。

創造的アプローチは多様だと思います。技術に関して優れた専門知識があること、持続可能性への強いコミットメントがあること、新しい技術を受け入れる柔軟性があること、伝統的な形態にこだわりすぎないことなどを、私は気にかけています。各分野において、独自のスキルを使い、手工芸的な表現を用いた作品の登場に期待しています。
現代美術家
舘鼻 則孝

ヒールレスシューズ
Photo by GION
東京都生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻卒。代表作のヒールレスシューズから絵画作品、文楽公演など創作は多岐に渡る。創作活動の概念として「Rethink」を掲げ、伝統工芸技法を現代的に活用した作品を多数制作している。

現代に活動する作家の価値観で、ものづくりに取り組むことが大切だと思っています。伝統的な素材や技法を活用し、創作活動を通して現代へ継承することが作品を制作する意義になります。伝統と革新が交錯するような新しい表現に期待しています。
竹工芸家/Artist
四代田辺竹雲斎

WORMHOLE
Photo by Tadayuki Minamoto
東京藝術大学美術学部彫刻科卒業後、父である三代竹雲斎に師事。2017年四代田辺竹雲斎を襲名。用途に即した花籃など代々の技術を受け継いだ作品を制作する一方で、インスタレーションや現代的なオブジェを制作。

今までにない新しい挑戦を感じられる作品、未来に可能性を広げることのできる作品を期待しています!!どんな作品が見られるのかを楽しみにしています。
kanakeno
田山 貴紘

あかいりんご
鉄器職人兼kanakeno代表。kanakenoでは「寂びると遊ぶ」をコンセプトに、工芸の生態系を創造する公園内のギャラリー「SUNABA」、持続可能な若手職人育成の仕組み「あかいりんごプロジェクト」などをプロデュース。

才能ある若い力が、見出されることによって次の時代を創っていくと信じています。とても楽しみにしています。
中川木工芸比良工房 主宰
中川 周士

WAVE
中川木工芸比良工房を主宰,京都の伝統的な木桶工房の三代目、父清司(人間国宝)に師事。大学でコンテンポラリーアートを学び、木桶製作技法とアートやデザイン、建築などと融合させて新しい木桶の製作に挑戦し木桶を未来につなぐ活動をしている。

私は作品を作ることは科学の実験みたいなものだと考えています。実験に失敗は付き物です。失敗を恐れていては何も始まらない。挑戦することにより革新は生まれます。まだ見ぬ世界を見てみたい、粗削りでもいい、エネルギーに溢れる作品を期待します。
漆芸作家
中田 真裕

Gaia
Photo by ア・ライトハウス・カナタ
1982年北海道生まれ、29歳の時に香川漆芸に出会い伝統技法「蒟醤(きんま)」(漆の表面を刃物で彫り色漆を埋めて研ぎ出す加飾技法)を用いて、両手を広げたサイズまでの作品を制作している。記憶の中で熱を帯びた景色を描き、時代を超えて観る人の心を揺らすことを願う。

私が大学生でダンスをしているときは、アーティストを仕事にできるなんて思いもよらなかった。創造する事で自分も人も喜ばすことができる最高の夢だ。今、手を動かしているあなたに拍手喝采。
人形師
中村 弘峰

黄金時代
人形師の家系の四代目として生まれ、東京藝術大学大学院を修了後、家業を引き継ぎながら「もしも江戸時代の人形師が現代にタイムスリップしたら?」という視座から縦横無尽な作品を展開し国内外で発表を続けている。

人と自然がこれから手を取り合って行かねばならない時代において、工芸は世界にそのヒントを与えることができると思っています。僕もまだ見ぬ、そういうヒントを持っている若き才能に出会えることを心から楽しみにしています。
株式会社細尾
細尾 真孝

「HOSOO Textile Collection Abstract」
「HOSOO Cushion New York」
株式会社細尾 代表取締役社長。元禄元年(1688年)より織物業を営む西陣織の老舗、細尾家に生まれる。大学卒業後、音楽活動、大手ジュエリーメーカーでの勤務を経て2008年、細尾に入社。西陣織の技術・素材をベースにしたテキスタイルをディオール、シャネルの店舗に提供するなど、世界のトップメゾンをクライアントに持つ。2021年著書「日本の美意識で世界初に挑む」をダイヤモンド社より上梓。

工芸の可能性は無限です。皆さんと共に、その魅力を未来へ繋ぎ、次世代へ受け継いでいきたいと考えています。
陶芸家・美術作家・九谷焼作家
牟田 陽日

山入り
1981年東京都渋谷区生まれ。2008年ロンドン、ゴールドスミスカレッジ、ファインアート科卒業。2012年石川県立九谷焼技術研修所卒業。現在、石川県能美市にて工房兼住居を構える。陶磁器に彩色を施す色絵の技法を主軸に、日常的な食器、茶器などの美術工芸品からアートワークまで多岐に渡り制作。現代の自然に対する意識の在りようをテーマに、動植物、神獣、古典図案等を再構成し色絵磁器に起こしている。日本の美感、工芸、アートの間を相互に交信するような作品制作を目標とする。

学外で作品や制作姿勢について他者を交えて話せるのはなかなか稀な機会です。自分が今手を動かしていることはどういったもの、ことなのか、それぞれの観点から見合うことによって相互的に気づきが得られるかもしれません。是非、自分の制作を体現するような作品を見せてください。