ゼロから未来を描く。
エンベデッド・ファイナンスの新領域
アコムアコム発・社内ベンチャー「GeNiE」
- 成長を
つかむ
アコムの社内ベンチャーとして生まれ、2022年に独立した「GeNiE(ジーニー)」。パートナー企業の事業サービスの中に金融を自然に溶け込ませる、「エンベデッド・ファイナンス」という新しい仕組みで、これまでにない金融体験を生み出しています。会社を設立し、営業開始から1年。前例のない挑戦の道のりを、4人のメンバーが振り返ります。
GeNiE株式会社
経営管理部
部長
白神 光一さん
2006年アコム入社。経営企画部で中期経営計画に携わり、GeNiEの立ち上げに創業メンバーの一人として参画。現在は、リスク・コンプライアンス・人事などバックオフィス全般を統括。
「アコムらしさ」を超えて──ゼロから始まった挑戦
「アコムの中で“0から1”の会社をつくる。そんな経験をしたことがある人はほとんどいませんでした」。GeNiEの創業メンバーの一人、白神さんは創業当時をそう振り返ります。
アコム中期経営計画のワーキンググループの議論から生まれたアイデアをきっかけに誕生した同社。事業会社のサービスに金融を組み込むエンデベッド・ファイナンスはこれまで、銀行によるBaaS(Banking as a Service)の事例はありましたが、レンディング(融資)に特化した事業は国内では他に例がありませんでした。会社の登記から定款づくり、リスクやコンプライアンス体制の整備まで、全てが手探りのスタートでした。
「アラジンと魔法のランプ」に登場するランプの精をイメージした社名には、「やりたいことの実現に背中を押す存在でありたい」という願いが込められています。「アコムというブランドを使う選択もありましたが、私たちは“切り離す”ことを選びました。自由な発想で新しい顧客体験を生み出す──それがGeNiEの使命だと思ったんです」と白神さんは言います。
お客さまに「違和感なく」使っていただけるシステムをめざして
新しい金融体験を支えるのは、スピードと信頼を両立させる堅牢なシステムです。その構築を担った一人が山口さんです。「私は当時、まだアコムにいてサポート的な立場だったのですが、最初に示されたGeNiEの仕組みを見たとき、正直これで本当に業務が回るのかと不安になりました」と苦笑します。アコムのシステムは貸金業に最適化された完成度の高いもの。「貸金業は参入障壁が高く、法令対応やガバナンスが厳格であるため、お客さまの使いやすさも考慮した上で細かな仕組みを作り上げる必要がありました」。お客さまの使いやすさ、パートナー企業や外部ベンダーとの調整、情報セキュリティの確認、データの保管方法の検証。アコムやMUFGの情報管理部門にも何度もレビューをお願いしてお墨付きをもらい、ようやくお客さまに届けることが可能になりました。
現在、協力会社とも連携しつつ、3人のチームでシステム運用を担う山口さん。「無担保ローンは信用そのものです。誰もが違和感なく使える金融体験を提供することが大切だと思います。お客さまがシステムを自然に、何の違和感もなく使っていただけるものにするために、日々改善を重ねています」。
GeNiE株式会社
システム部
山口 悠斗さん
2018年アコム入社。システム企画室で国内外の基幹システム開発を担当後、GeNiEのシステム立ち上げをサポート。2025年にGeNiEに完全出向し現職。
GeNiE株式会社
事業企画部
横溝 優さん
エンターテインメント業界から2025年にキャリア入社。法人営業とデジタルマーケティングの経験を生かし、新規提携企業への営業を担当。
提携パートナーに「データ」という価値を届けたい
GeNiEの実際のサービス開始は2024年10月。最初に提携したパートナー企業のサービスを通じて、初めてお客さまが申込手続きをされた瞬間を、白神さんは今も鮮明に覚えています。「画面の向こう側でお客さまが興味を持ち、実際にスマートフォンから入力をされている。その事実を目の当たりにし、これまでの準備が現実につながったのだと実感し、鳥肌が立ちました」。
2025年9月末現在、GeNiEの金融システムを利用する提携パートナーは20社を数えます。その事業拡大を最前線で担うのが、横溝さんです。「前職はチケット販売会社の法人営業や、芸能事務所での販促・デジタルマーケティングで、金融業界は未経験でしたが、新しい事業を“育てる”仕事に惹かれました」。横溝さんが入社した3月当時はまだ提携先は8社ほどで、「活動当初は『エンベデッド・ファイナンスって何ですか?』という反応ばかりでした」と言います。
それでも一社一社、丁寧に説明を重ねるうちに、サービスの必要性を理解いただけるようになりました。パートナー企業にとっても、ローンサービス導入は安定的な収益源になります。また、今後は、データ連携を通じて顧客理解を深める手段としても活用が期待されています。
また、商談時に必ず話題になるのが「レピュテーションリスク」です。「日本ではお金を借りることへの心理的ハードルがあります。パートナー企業のブランドや世界観の中に溶け込む形で金融サービスを提供していけるのがGeNiEの強みであり、お客さまの安心にもつながっていると感じます」。
「声」から広がる信頼、そして次のステージへ
営業開始当初、コールセンターに鳴る電話は一日数件。その静けさを、今も吉田さんは覚えています。「本当にお客さまが来てくださるのかな、私たちの仕事は本当にあるのかなと不安でした」。
それから1年。問い合わせ対応チームは当初の4名から30名体制へと広がり、提携先の拡大に合わせて、利用される方も順調に増えてきています。「GeNiEという社名はまだ浸透していませんが、提携企業の商品名やサービス名を出すとすぐにご理解いただけます。お客さまに安心していただけるよう、声のトーンや言葉遣いに特に気を配っています」と言います。
そんな彼女にとっての喜びは、感謝の言葉を受け取る瞬間です。「GeNiEさんを利用して良かったと仰っていただけると、本当にうれしいです。お客さまの信頼が積み重なるたびに、この生まれたばかりの会社が、社会から必要とされ、活き活きと活動していることを実感します」。
白神さんは、これからの目標をこう語ります。「エンベデッド・ファイナンスを通じて、資金が理由で夢を諦める人を減らしたい。シームレスな金融体験を社会に広げたいんです」。
GeNiEが小さなランプの灯のように、人の想いに寄り添い、世界を少し明るくする。その挑戦は始まったばかりです。
GeNiE株式会社
カスタマーサービス部
吉田 真歩さん
2020年アコム入社。リアルサービスセンターでお客さま応対を経験し、GeNiEの営業開始とともに出向。お客さま対応窓口を担う。
My MUFG Way Story
MUFG Wayは、
MUFGで働く一人ひとりに息づき、
社員からお客さま、そして社会へと、
共鳴の輪を広げています。
ここでは社員のMy MUFG Wayの一部をご紹介します。
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