アジア:第2のマザー・マーケットへ豊かな人口と若い労働力、豊富な天然資源を背景に、経済成長を続けるアジアの国々。世界中から多くの企業が生産の拠点として、また将来の有望な消費市場としてアジアに進出しているほか、インフラストラクチャーの整備など大型開発も活発に行われています。MUFGは、アジアを日本に次ぐ「第2のマザー・マーケット」としてとらえ、アジアの経済成長をMUFGの成長につなげるべく、アジアでの成長戦略を着実に実行しています。

100年を超えるアジアでの歴史

MUFGは、横浜正金銀行時代の1893年に北京駐在員事務所を開設して以来、アジアにおいて100年を超える歴史を刻んできました。第二次世界大戦後は、日本企業のお客さまのアジア進出と歩調を合わせて拠点網を拡大し、お客様のビジネスを金融面から支えるとともに、プロジェクトファイナンスや貿易金融など通じてその国の発展に貢献してきました。近年では、アジアを「第2のマザー・マーケット」として位置付け、クルンシィ(アユタヤ銀行)の子会社化や、ベトナムのヴィエティンバンクやフィリピンのセキュリティバンクとの資本・業務提携を通じて、地元企業や個人のお客さま向けのサービスを含む総合金融サービスの展開を加速しています。

アジアにおけるネットワーク

2010年を100とした場合の名目GDP | アジアおける営業純益

地域の特色に応じた経営戦略

アジアと一言で言っても、文化や政治体制、経済発展の状況、金融に関する規制環境は実にさまざまです。MUFGでは、それぞれの地域の特色をとらえ機動的かつ柔軟に戦略を実行できるよう、アジアを「東アジア」と「アジア・オセアニア」および「クルンシィ」の3つに分けてそれぞれに本部を設置し、ビジネスを展開しています。

東アジア地域では、「グレーターチャイナ」と呼ばれる中国・香港・台湾の地域で経済的なつながりが一層深まっており、この地域でビジネスを展開するお客さまの「人民元での決済ニーズ」が高まっています。三菱東京UFJ銀行は2010年中国・日本間で初めて人民元の送金を実現したほか、人民元の国際化に合わせ、2016年5月に上海に「人民元国際化業務推進室」を設置し、グローバルに流通しつつある人民元ビジネスの推進を強化しています。

人口の増加と中間所得層の拡大や地元企業の成長・国際展開の加速が期待されるアセアン地域では、個人や法人向けの預金や貸出、決済といった伝統的な商業銀行ビジネスの拡大余地が大きいといわれています。また、豊かな労働力と経済成長の継続は、外国企業にとっても製造拠点や将来の消費マーケットとしての魅力も大きく、アセアン諸国に進出する企業がますます増えています。MUFGは、アセアン地域の経済成長をグループの成長に取り込めるよう、独自の拠点ネットワークの拡大に加え、地元の銀行の買収・出資・提携を通じて、地域に根ざした商業銀行ビジネスを強化しています。

アジアにおける貸出平均残高 | アジアにおける預金平均残高

日本との交流がますます進むタイ

クルンシィ・MUFGのシナジー加速

MUFGは、2013年12月タイで5番目の資産規模を持つクルンシィ(アユタヤ銀行)を子会社化。2015年1月の三菱東京UFJ銀行バンコック支店との統合以降、クルンシィは、MUFGとのシナジーを発揮し、メコンビジネス*のプラットフォームとしてますます存在感を増しています。

  • * タイを中心とするメコン川流域の経済圏でのビジネス

お客さまの新たなビジネスを創出~ビジネスマッチング~

お客さまの新たなビジネスを創出~ビジネスマッチング~

三菱東京UFJ銀行(BTMU)とクルンシィは2014年以降、日本企業とタイ企業のお客さまを引き合わせ、新たなビジネスを促進するため、ビジネスマッチングを積極的に行っており、そこから数々のビジネスが生まれています。BTMUのお取引先で、料理教室ABCクッキングスタジオを手がける株式会社ABC Cooking Studioは、2014年BTMUとクルンシィによるお取引先紹介をきっかけに、大手百貨店グループCentralグループが有するバンコックの東南アジア最大級の商業施設「Central World Plaza」にタイで初となるABCクッキングスタジオを開店しました。タイではもともと屋台が人気ですが、「手料理」人気も高まっており、開店以来多くの人々が和食から洋食までさまざまな料理を学びに通っています。また、クルンシィは、ビジネスマッチングをきっかけに同社のタイでのメインバンクとして従業員向け給与振込などさまざまなサービスを提供しています。

タイの大手グローバル企業の海外M&Aを支援

国外へのビジネス展開をますます加速させるタイの大手企業。クルンシィにとって、三菱東京UFJ銀行の海外ネットワークや高度な商品力は大きな強みとなっています。2015年タイの大手飲料メーカーが、ベトナムの大手上場食品会社の株式を取得するにあたり、クルンシィは、三菱東京UFJ銀行シンガポールにあるアジア・オセアニア本部およびホーチミン支店と協働。三菱東京UFJ銀行が単独で7億米ドルのブリッジ・ファイナンスを引き受けたほか、クルンシィとともにファシリティーエージェントに就任しました。

クルンシィと三菱東京UFJ銀行それぞれの長所を活かす
リスクマネジメントの現場から

リスクマネジメントグループでは、日本スタッフ3名、タイスタッフ208名が一緒に働いています。赴任して約3年、一番の苦労でもあり成果は、三菱東京UFJ銀行バンコック支店とクルンシィの統合を成功させるため、1年という短い時間のなかで、全く異なる両行の与信審査体系やルールを、クルンシィの地元密着銀行としての良さを維持しつつ、グローバル基準に対応した三菱東京UFJ銀行のルールに適合させるというプロジェクトでした。現在、成長しながら不良債権比率も比較的低く維持できているのは、両行の長所を活かした運営が軌道に乗ってきているからだと思います。まだ、いろいろな課題はありますが、タイの「トップティアバンクに入る」という目標に向かって頑張りたいですね。

不良債権比率他社比較

チームメンバーとのショット(右から3番目が小林氏)

小林 兼
ヴァイスプレジデント、三菱東京UFJ銀行からクルンシイに出向し3年目
チームメンバーとのショット(右から3番目が小林氏)

当期純利益、 貸出残高

フィリピンの経済成長を取り込む

セキュリティバンクと資本・業務提携

2016年4月、三菱東京UFJ銀行は、今後も高い経済成長が見込まれるフィリピンにおいて商業銀行ビジネスを強化するため、フィリピンの商業銀行Security Bank(セキュリティバンク)の約20%の株式を取得し、持分法適用会社としました。

フィリピンは近年、内需を中心に高い経済成長を実現し、今後もアセアン第2位の約1億の人口を背景に長期的に成長することが期待されており、また、金融サービスの社会への浸透度が相対的に低く、銀行セクターの将来的な事業拡大余地が大きいといわれています。MUFGはセキュリティバンクが進める成長戦略を後押しすることで、フィリピン成長の取り込み、フィリピン、アジアにおける存在感の拡大をめざします。

SECURITY BANK

フィリピンの魅力

① 堅実な経済成長

~内需主導で高い経済成長を実現。平均年齢23才かつ1億超の人口や英語を母国語とする強みを背景に成長継続見込み~

② 潜在的な銀行セクターの成長

~銀行サービスの浸透率が相対的に低く、経済成長とともに需要拡大見込み~

③ 日本との関係

~日本は主要貿易相手国。ASEANのなかでも地理的に最も近く、近年、日系企業の進出も増加~

2016年1月の調印式

Security Bank at a Glance

ページ上部へ