主な取り組み
スタートアップ支援
MUFGは、スタートアップに対しさまざまなバリューアップ支援や、協業による新サービス開発をグループ一体で推進してきました。この結果、アジアのデジタル関連企業への出資やMars Growth Capitalのファンド組成などを通じた国内外における投融資枠の合計は1兆1,000億円規模まで拡大しています。
このような活動が評価され、経団連による「第3回スタートアップフレンドリースコアリング」では、2年連続で金融機関最高位に選出されました。昨年度同様、「資金の提供」項目に加え、「製品・サービスの調達」と「人材輩出」の項目で新たに最高評価である「Aランク評価」を取得しました。
なお、本領域におけるMUFGの決意表明として、タグライン「さぁ、世界を驚かせに行こう!」を初めて策定しました。スタートアップを取り巻く全ての関係者とともに、日本発のイノベーションで世界を驚かせに行く、という思いを込めています。

主な取り組み
- 支援先の企業価値向上(銀信証協働)
- 2025年1月末時点、中計目標20兆円

- スタートアップとの接点構築・裾野拡大
産学・地域連携強化を通じた優良スタートアップの早期発見、裾野を拡大しています。

- エコシステムへの貢献・認知度向上
各地でイベントを開催し、事業会社との共創機会を提供しています。
また、ビジネスマッチングを通じて、地域や業種を超えた企業間のつながりを促進し、ビジネス創出および社会課題の解決を推進しています。

宇宙産業の未来を開拓
宇宙産業の市場規模は、2023年の68兆円から、2030年には101兆円に達する見通し(注)であり、世界で最も成長する産業の一つです。
今後、人工衛星を通じた通信や測位、地球観測データの利活用はさらに幅広い分野で拡大していくことが想定され、さまざまな社会課題の解決に貢献することが期待されています。
宇宙産業を構成する上流から下流までのバリューチェーンに対して、金融機関としてさまざまな機能を提供し、日本の宇宙産業の発展に貢献しています。
上流への取り組みとして、輸送機器、衛星や射場などの次世代産業インフラ創出に向けた金融支援を行っています。また、民間ロケット打上げを行うスタートアップや衛星軌道上サービス(宇宙ゴミ回収など)を提供する事業者への出資やファイナンスも実施しています。さらに、事業会社や官公庁、自治体、研究機関とも連携して、さまざまな取り組みを進めています。
下流では、衛星データを用いて、お客さまの事業はもちろんのこと、MUFG 自身の事業創出にも取り組んでいます。具体的には、GHG 排出量削減のための企業努力の見える化やカーボンクレジット組成に向けたGHG 削減・吸収量計測などがあります。
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社による試算

「日本と地球低軌道を繋ぐエコシステム構築-宇宙往還機Dream Chaser®の大分空港着陸に向けて-」が、第7回日本オープンイノベーション大賞「選考委員会特別賞」を受賞
2025年2月、銀行と日本航空株式会社、兼松株式会社、大分県、東京海上日動火災保険株式会社、Sierra Space Corporation、一般社団法人Space Port Japanとの共同の取り組みである「日本と地球低軌道を繋ぐエコシステム構築 -宇宙往還機Dream Chaser®の大分空港着陸に向けて-」が、内閣府主催の第7回日本オープンイノベーション大賞において「選考委員会特別賞」を受賞しました。
本取り組みは、官民連携および国際的な連携の下、大分空港を宇宙往還機のアジア拠点化をめざすものです。異業種間の専門知識を組み合わせた協業を行い、宇宙事業への新規参入を推進する先駆的な連携体制を構築しており、今後の展開という観点で高く評価されました。
食産業の課題解決に挑む、Food-X Project
2022 年に立ち上げたFood-X Project は、日本の食産業が抱える構造的な課題の解決を通じて、持続可能なフードシステムの構築および個人にとっての豊かな食生活実現をめざす取り組みです。
MUFGは、食領域に関わる生産・加工・小売・外食などの多岐にわたるお客さまや官公庁、アカデミアなどのステークホルダーとともに、「食」の未来に向けて協働を進めています。生産者から消費者に至るバリューチェーンの再構築、国際競争力の強化、食の課題を解決する新技術や新規事業創出のサポートに取り組んでいます。
グローバル・フードテックカンファレンス
「SKS Japan 2024」への協賛・登壇

MUFG×ICJアクセラレータープログラム
テーマ「FOOD×TECH」を選定


地方創生に向けた取り組み
「MUIC Kansai」
MUFGは観光産業の課題解決および関西経済の活性化をめざす取り組みとして、2021年2月に会員制イノベーション創出拠点「MUIC Kansai」を大阪に開設しました。
MUIC Kansaiでは、イノベーション創出に向けた「課題解決プログラム」を中核機能に位置づけ、会員大企業とスタートアップ企業を掛け合わせ、社会課題の発掘、ソリューションの実証実験、社会実装を一貫して行えるプラットフォームを提供。創業以来、数多くのユニークな事業アイデアを起案し、各種メディアからも注目が集まっています。
2025大阪・関西万博を機に多用な技術シーズ(万博レガシー)の社会実装が期待される中、テーマを従来の「観光・インバウンド」に加え、「環境」「健康」「食」「エンタメ」等といった領域に拡張。スタートアップ企業へのより包括的な支援体制を構築し、関西スタートアップエコシステムのハブ組織となることをめざします。
また大企業とスタートアップ企業との連携による「社会課題解決モデル」を全国に広げるため拠点を拡大中。万博レガシーの社会実装プラットフォームの一つとして社会に貢献していきます。
エスコンフィールド北海道
銀行と株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(以下、ファイターズ)は金融とスポーツを掛け合わせた事業共創をめざして、2023年にパートナーシップ契約を締結しました。
ファイターズは、2023年3月に開業した新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」(以下、エスコンフィールド)を核にした「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」の開発・事業運営を行う企業です。エスコンフィールドを中核に、宿泊施設や商空間、農業学習施設、認定こども園、レジデンスなどを設けた持続可能な街づくりを進めています。
銀行はエスコンフィールドにおけるスポーツを中心とした新しい街づくり・事業づくりに参画しています。その象徴としてインタビュールームのネーミングライツを取得し、「MUFG Co-Creation Room」と命名。地域の皆さまや、さまざまなステークホルダーとのハブ機能担いつつ、MUFGのめざすスポーツを通じたイノベーションの社会実装・社会課題解決を推進しています。


ファンドを活用した投融資ALL-JAPAN観光立国ファンド
観光は、「地方創生の切り札」「GDP600兆円に向けた成長戦略の柱」とされる日本の最重要施策の一つであり、また、訪日外国人観光客の増加等を受け、新たなマーケットが創出される成長産業です。一方で、観光産業は、観光資源発掘、宿泊施設の不足や老朽化・多様化するニーズへの対応、施設運営者の高齢化・事業承継等、多くの課題を抱えています。
銀行は、このような課題の解決に向け、2018年4月に、さまざまな業界のリーディングカンパニーと地域金融機関が連携し、地域の枠を超えて47都道府県全てを投資対象とした、民間では日本初かつ最大規模の観光立国ファンド「ALL-JAPAN観光立国ファンド」を組成しました。本ファンドを通じて、観光の活性化や地方創生に向けた取り組みを推進し、日本の産業・経済の発展に貢献しています。
1号ファンドの投資実績は計37件(不動産投資15件、ベンチャー投資22件)となっており、投資案件の事例は以下の通りです。
また、2023年6月に2号ファンドを設立しました。2号ファンドには新スポンサーとして株式会社JTBを招聘し、ファンドのソリューション機能を強化しました。2号ファンドの2025年6月現在の投資実績は、計10件(不動産投資4件、ベンチャー投資6件)となっており、今後も観光産業や地方創生のプラットフォームとして活動していきます。