皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
2023年度中間期の業績は、預貸金収益や手数料収益が着実に増加するなど、顧客部門を中心とした稼ぐ力の向上により、本業の利益を表す業務純益が1兆857億円、最高益であった前年度から1,905億円の大幅増益となりました。
親会社株主純利益は、業務純益の増加に加えて、米国子会社のMUFGユニオンバンクの売却に伴い前年度に計上した一時的な損失がなくなったことや、モルガン・スタンレーの持分法適用決算期の変更等による増益要因もあり、前年同期比6,961億円増加の9,272億円となりました。これは中間期として過去最高益であり、通期業績目標1.3兆円と中期経営計画のROE目標7.5%の達成が、十分視野に入ってきました。
1株当たり配当金は、期初予想通り、中間配当を20.5円、年間の配当予想を前年度から9円増配となる41円とします。併せて、資本効率性改善の観点から半期としては過去最大の総額4,000億円を上限とする自己株式取得を決議しました。
現在の中期経営計画では、「世界が進むチカラになる。」というパーパスのもと、「挑戦と変革の3年間」と位置付け、「企業変革」・「成長戦略」・「構造改革」を戦略の3本柱に掲げてさまざまな施策を実行してきました。
成長戦略と構造改革では、各種の施策が進捗し、業務純益は当初計画を大きく上回って推移しています。成長戦略の一つであるアジアビジネスにおいて、アジアの成長や拡大するデジタル金融ニーズを多角的に取り込むために実施した複数の出資や買収案件が完了し、今後の成長に向けた事業ポートフォリオを拡充しました。
企業変革では、サステナビリティへの取り組みとして、「MUFG トランジション白書2023」を発刊しました。カーボンニュートラルに向けた日本のトランジション計画の透明性を高めるために、白書の発信を通じて、国際社会における理解促進を図っています。
また、モルガン・スタンレーとの戦略的提携では、これまでも投資銀行業務からウェルスマネジメント、資産運用等の分野に協働領域を拡げてきましたが、既存の協働領域の深化に加えて新たな領域でも協働し、今後数十年に亘って続く、更に強靭なパートナーシップである「アライアンス2.0」へと深化させていきます。
来年4月から始まる次期中期経営計画では、経営環境が大きく変化していく中で、パーパス経営、ROE重視の経営を維持しながらも、成長に向けた投資とビジネス基盤の強化にも取り組み、攻めの姿勢とスピード感をもって「成長」を取りにいく3年間にしたいと考えています。そして、分断が進む時代に、金融とデジタルの力で世界をつなぐ存在になることで、パーパスの実現をめざしていきます。
皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2023年11月
取締役
代表執行役社長 グループCEO
亀澤 宏規