皆さまには、平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
今年、日銀は17年振りとなる利上げを行い、日本でも「金利のある世界」が到来する一方で、欧米では政策金利の引き下げが始まりました。こうした変化の激しい環境においても、顧客部門を中心に稼ぐ力が向上し、国内外での預貸金収益の伸長に加え、資産運用をはじめとする各領域で手数料収益も大きく伸長したことにより、本業の利益を表す業務純益は、1兆3,053億円と前年同期比2,195億円の大幅増益となりました。これは中間期としてMUFG発足以来の最高益となります。
親会社株主純利益は、業務純益に加えて、政策保有株式の削減の進展により株式等関係損益が大きく増加し、前年同期比3,309億円増加の1兆2,581億円となり、中間期として初めて1兆円を超えました。目標を設定した当時の経済環境からの変化や、当初目標である1兆5,000億円に対して進捗率が83%に達したことなどを踏まえ、目標を2,500億円引き上げて1兆7,500億円に設定しました。「9%程度」としていた中期経営計画のROE目標についても、今年度に前倒しで達成することをめざします。
この利益目標の上方修正に伴い、年間配当予想を昨年度比で19円増配の60円に引き上げるとともに、総額3,000億円を上限とする自己株式取得を決議しました。今年度累計では4,000億円になります。
今年度は「成長を取りに行く3年間」と位置付けた中期経営計画の初年度です。戦略の3本柱として掲げた「成長戦略の進化」・「社会課題の解決」・「企業変革の加速」は、それぞれ着実に進捗しています。
「成長戦略の進化」は、中期経営計画の利益成長目標に対して半年で40%の進捗率となり、7つの戦略はそれぞれ順調に始動しています。
国内では、auカブコム証券の完全子会社化と、三菱UFJ eスマート証券への社名変更を決定するなど、グループ一体でマスリテールビジネスの進化を着実に進めています。
海外では、アジアにおけるMUFG経済圏を拡充し、グローバルに見て相対的に高い成長を面で取り込むために、新たにタイのAscend MoneyやフィリピンのGlobe Fintech Innovationsに出資しました。
「社会課題の解決」においては、MUFGトランジション白書2024を発刊し、国際連携の必要性を訴求するなど、成長戦略の進化と社会課題の解決を両輪で進めています。
また、「企業変革の加速」では、基盤整備のため、AI活用推進や社内の手続き・ルールの見直しをするとともに、MUFGのポテンシャルを「覚醒」させるために、グループ横断でMUFG Way共鳴セッションを行うなど、一人ひとりの社員が持つチカラを最大限に引き出し、自ら考え、主体的に決断して直ちに行動するカルチャーの醸成に取り組んでいます。
今後も、「世界が進むチカラになる。」というパーパスの下、さらなる企業価値の向上に向けて、グループ一丸となって取り組んでいきます。
皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年11月
取締役
代表執行役社長 グループCEO
亀澤 宏規