主な取り組み
スタートアップ支援
MUFGではこれまで、国内外のスタートアップの成長段階に応じて、グループ機能を活用したさまざまなバリューアップ支援や、協業による新しいサービスの開発を推進してきました。
この結果、アジアのデジタル関連企業への出資やMars Growth Capitalのファンド組成などを通じた国内外における投融資枠の合計は9,000億円規模まで拡大しています。
また、国内では政府による「スタートアップ育成5か年計画」発表の2022年が「スタートアップ創出元年」と位置付けられ、注目度はますます高まっている環境です。
こうしたなか、MUFGは今後も、金融支援に留まらずMUFGの国内外ネットワークを活かしたビジネスマッチングや海外展開支援による新たな事業拡大機会の創出等、さまざまな面でスタートアップのバリューアップ支援を加速していきます。
これらの活動の目標として、支援するスタートアップの時価総額合計を2026年度に20兆円まで高めていくことを掲げ、産業発展や社会課題解決に挑戦するスタートアップの活動をサポートしていきます。
国内では、ベンチャーキャピタルである三菱UFJキャピタルによる出資や銀行による融資に加え、信託の証券代行業務・MUFG FUNDOOR(株式管理・経営管理のプラットフォーム)によるDX支援、証券の株式上場支援等、高い専門性が求められるサービスをグループで提供しています。
これらが評価され、経団連がスタートアップエコシステムの重要な一角を占める大企業の行動変容をめざしリリースした「2023年度スタートアップフレンドリースコアリング」において、MUFGは回答企業約150社のうち、金融グループとして最高位に選出され「資金の提供」の項目では、最高評価である「Aランク評価」を取得しました。
宇宙産業の発展と課題解決に貢献
宇宙産業の市場規模は、2023年の56兆円から、2030年には90兆円に達する見通し(注)であり、世界で最も成長する産業の一つです。
今後、人工衛星を通じた通信や測位、地球観測データの利活用はさらに幅広い分野で拡大していくことが想定され、さまざまな社会課題の解決に貢献することが期待されています。
銀行では新たな事業の創出や、宇宙の持続可能性の実現に貢献するため事業共創投資を行っています。銀行の有する幅広いネットワークや、総合金融サービスの知見・ノウハウの提供等により、宇宙産業の発展を支援していきます。
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社による試算
地方創生に向けた取り組み
「MUIC Kansai」
MUFGは観光産業の課題解決および関西経済の活性化をめざす取り組みとして、2021年2月に会員制イノベーション創出拠点「MUIC Kansai」を大阪に開設しました。
MUIC Kansaiでは、イノベーション創出に向けた「課題解決プログラム」を中核機能に位置づけ、「観光・インバウンド」をテーマに会員大企業とスタートアップ企業を掛け合わせ、社会課題の発掘、ソリューションの実証実験、社会実装を一貫して行えるプラットフォームを提供。創業以来、数多くのユニークな事業アイデアを起案し、各種メディアからも注目が集まっています。
当初は2025年4月の大阪・関西万博を運営期限としていましたが、万博を機に多用な技術シーズ(万博レガシー)の社会実装が期待される中、テーマを「観光・インバウンド」から関連領域に拡張し、発展的に事業を継続することを決定しました。
今後は、スタートアップ企業へのより包括的な支援体制を構築し、関西スタートアップエコシステムのハブ組織となることをめざします。また大企業とスタートアップ企業との連携による「社会課題解決モデル」を全国に広げ、万博レガシーの社会実装プラットフォームの一つとして社会に貢献していきます。
エスコンフィールド北海道
銀行と株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(以下、ファイターズ)は金融とスポーツを掛け合わせた事業共創をめざして、2023年にパートナーシップ契約を締結しました。
ファイターズは、2023年3月に開業した新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」(以下、エスコンフィールド)を核にした「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」の開発・事業運営を行う企業です。エスコンフィールドを中核に、宿泊施設や商空間、農業学習施設、認定こども園、レジデンスなどを設けた持続可能な街づくりを進めています。
銀行はエスコンフィールドにおけるスポーツを中心とした新しい街づくり・事業づくりに参画しています。その象徴としてインタビュールームのネーミングライツを取得し、「MUFG Co-Creation Room」と命名。地域の皆さまや、さまざまなステークホルダーとのハブ機能担いつつ、MUFGのめざすスポーツを通じたイノベーションの社会実装・社会課題解決を推進しています。
ファンドを活用した投融資ALL-JAPAN観光立国ファンド
観光は、「地方創生の切り札」「GDP600兆円に向けた成長戦略の柱」とされる日本の最重要施策の一つであり、また、訪日外国人観光客の増加等を受け、新たなマーケットが創出される成長産業です。一方で、観光産業は、観光資源発掘、宿泊施設の不足や老朽化・多様化するニーズへの対応、施設運営者の高齢化・事業承継等、多くの課題を抱えています。
銀行は、このような課題の解決に向け、2018年4月に、さまざまな業界のリーディングカンパニーと地域金融機関が連携し、地域の枠を超えて47都道府県全てを投資対象とした、民間では日本初かつ最大規模の観光立国ファンド「ALL-JAPAN観光立国ファンド」を組成しました。本ファンドを通じて、観光の活性化や地方創生に向けた取り組みを推進し、日本の産業・経済の発展に貢献しています。
1号ファンドの投資実績は計37件(不動産投資15件、ベンチャー投資22件)となっており、投資案件の事例は以下の通りです。
また、2023年6月に2号ファンドを設立しました。2号ファンドには新スポンサーとして株式会社JTBを招聘し、ファンドのソリューション機能を強化しました。今後も観光産業や地方創生のプラットフォームとして活動していきます。