主な取り組み
金融包摂に係るコミットメント
商品・サービスの開発・改善にあたっては、お客さまの声や各地域のニーズの把握に努め、それらを踏まえた金融商品・サービスの提供、デジタルチャネルや金融教育等を通じて、金融サービスの利用機会と提供範囲の拡大を図っています。また、お客さまへの商品説明や対応が公正かつ適切に行われるよう、方針の整備や役職員への研修・周知に取り組んでいます。
これらの金融包摂に関する各種施策の進捗状況や方針については、経営会議において定期的に報告・審議を行い、適切な監督を実施しています。
さらに、業界団体、教育機関、地域団体、フィンテック企業等の外部関係者とも連携し、個別の商品・サービスの提供にとどまらず、金融包摂を支える市場・エコシステムの発展に貢献していきます。
アジアにおけるデジタル金融プラットフォームの土台形成開始
アジアではインターネット、スマートフォンの普及等を背景に、デジタル金融サービスのニーズが急速に高まっています。今後、さらなるデジタル化が予想されるアジアのコンシューマーファイナンス領域の成長捕捉、将来のトッププレイヤーの取り込みへの布石のため、MUFGはデジタル金融事業者への戦略出資を開始、デジタル金融プラットフォームの土台形成に着手しています。
今中計でも「アジア×デジタル」戦略の下、デジタル金融事業者への戦略出資機会を追求するとともに、出資先の成長支援に注力することで、従来の伝統的金融では捕捉しきれなかったアジアのデジタル金融の成長を取り込みつつ、地域の金融包摂に貢献していきます。例えば、タイのAscend MoneyやフィリピンのMynt(GCash)では、スマートフォンを通じた決済、送金、融資等のデジタル金融サービスを展開しており、金融機関の店舗へのアクセスが限定的な利用者を含む幅広い層に対して金融サービスを提供しています。これらのデジタルプラットフォームの普及により、従来の銀行サービスでは十分に対応できなかった顧客層への金融アクセス拡大を後押ししています。
加えて、インドの大手ノンバンクであるShriram Financeへの出資を通じ、銀行サービスへのアクセスが限定的な個人・中小事業者向けの金融サービス拡大を支援しています。同社はインド全土に3,000超の拠点網を有し、その多くを農村・準農村地域に展開することで地域に根差した金融サービスを提供しており、金融包摂の推進にも貢献しています。
また、出資先のデジタル金融事業者、パートナーバンク、MUFG関連会社との協働・知見共有を促進し、グループ外のパートナーも含めたMUFG独自のデジタル経済圏の構築をめざしていきます。
アジアの成長に貢献
MUFGでは、これまでのMUFGのデジタル金融事業者への出資を通じて得られたコンシューマーファイナンスの知見蓄積、MUFG出資企業間の知見共有・ビジネスシナジーの創出にも注力しており、「MODE(MUFG Openly-connected Digital Ecosystem)」というMUFG独自のエコシステムを形成しています。その活用によって、デジタルレンディングの提供機会を拡大することで、新興国における経済発展の加速に貢献します。
2034年度までにASEAN成人人口シェア(注1)1/4程度をめざすとともに、レンディングとペイメントの両面でパートナーバンクとのシナジーを追求していきます。
- パートナーバンク所在国(タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)における成人人口総計約400百万人(UN Population Prospectsに基づく)に占めるデジタル金融ユーザー数の割合
パートナーバンク
Hattha Bank Plc.を通じたマイクロファイナンスの提供
パートナーバンクであるタイのクルンシィ(アユタヤ銀行)では、カンボジアの子会社Hattha Bank Plc.(以下 HTB)をはじめ、新興国・途上国のお客さまが金融サービスにアクセスする機会を提供しています。
HTBでは、マイクロファイナンスの提供に加え、主要スポンサーとして、カンボジアの社会的に不利な立場にある若年層の教育機会拡大と生活の質向上を目指した取り組みを積極的に支援しています。その一環として、Credit Bureau Cambodiaと連携し、サービス利用開始時に、計画的な借入や信用履歴の重要性について理解を深めることを目的とした「デジタル金融リテラシープログラム」を実施しています。こうした取り組みにより、顧客の長期的な生活水準の向上に貢献しています。
| HTB:2025年実績 | |
|---|---|
| 貸出残高(百万米ドル) | 840 |
| 拠点数 | 156 |
クルンシィ(アユタヤ銀行)による、女性起業家の資金ニーズを支援するソーシャルボンド(ジェンダーボンド)の発行:Krungsri Women SME Bond (Gender Bond)
パートナーバンクであるタイのクルンシィでは、女性起業家の活躍支援を目的資金使途とするソーシャルボンド(ジェンダーボンド)を発行しています。
ボンドの発行代わり金は、女性が経営するタイの中小企業への融資に充当され、本ボンドの発行を通じて今まで十分な支援が行き届いていなかった女性に金融サービスへのアクセスの機会を提供するとともに、急成長するアジアのソーシャルボンド市場の発展に貢献しています。
| 2025年度実績 | |
|---|---|
| 融資残高(WSMEボンド) | 17,821百万バーツ |
| 新規融資実行額(WSMEボンド) | 3,069百万バーツ |
| 融資実行による雇用創出人数 | 13,186人(内郊外7,049人、バンコクおよび近郊6,137人) |
| 貸出件数 | 943件 |
| 資金使途 | Women Bondsによる調達資金は、以下のカテゴリーに該当する社会課題解決プロジェクトを対象とした既存貸出枠のリファイナンス、または新規貸出枠に充当されます。 ・女性が経営する中小企業や女性向けマイクロファイナンスを通じた雇用機会の創出 ・経済的に困難な状況にある女性や社会的に弱い立場の女性グループへの資金提供を通じた社会的・経済的な地位向上とエンパワーメント |
| SDGとの関連性 | SDG5: ジェンダー平等を実現しよう SDG8: 働きがいも経済成長も SDG10: 人や国の不平等をなくそう |
クルンシィ(アユタヤ銀行)における金融リテラシー向上に係る取り組み:Krungsri Financial Literacy: Simple to Manage Project
パートナーバンクであるタイのクルンシィ(アユタヤ銀行)では、Krungsri Financial Literacy: Simple to Manage Projectを実施し、タイにおいて気候変動や家計債務の影響を最も受けやすい農業従事者の金融リテラシー向上を図っています。
Social Enterprise Thailand Association(SE Thailand)と協働しながら、農業従事者の家計管理、借入・返済、貯蓄、マーケティング、地域産品開発に関する知識向上をめざし、人々の生活水準の改善に貢献しています。
| 2025年度実績 | |
|---|---|
| 参加人数 | ピッサヌローク県・スコータイ県の16郡で472名 |
バンクダナモンにおける金融リテラシー向上に係る取り組み
インドネシアのバンクダナモンでは、Group Marketing部門、シャリア事業ユニット、支店ネットワーク、およびサステナビリティファイナンス部を通じて、幅広い金融リテラシー向上施策を実施しています。
2025年度は、Underbanked層(注)や、学生等の被扶養者を含む延べ9,167名が対面形式の金融教育活動に参加しました。
- 十分な金融サービスを受けていない人々
- Literasi Keuangan untuk Semua
本プログラムでは、幅広い層に対して金融知識を提供し、経済的自立の促進をめざしています。
加えて、環境意識や災害に対する備えに関する内容も取り入れることで、バンクダナモンのサステナビリティ価値の向上に対する幅広いコミットメントを反映した取り組みとなっています。
本取り組みの一環として、ジャカルタの特別支援学校において、障がいのある生徒、教員および保護者を対象に、職業訓練および金融リテラシー教育を提供し、障がい者の就業機会拡大と経済的自立の支援をしています。
Sunyi Academyと連携し、コーヒーに関する実践的な技能研修を提供するとともに、Zurich Asuransi Indonesiaとの協働により、教員・保護者40名を対象とした資産管理や保険に関する金融教育を実施しました。本プログラムを通じて、障がい者コミュニティへの支援を強化するとともに、インクルーシブな教育・雇用環境の構築に取り組んでいます。 - Tour D’Banking Program
本プログラムは、インドネシア全国の学生を対象として、銀行業界に関する理解、ならびに基礎的な金融知識の提供を目的としています。
2024年度には、Gadjah Mada Universityにおいて、“Learning Strategies to Navigate the Cycle of Financial Life” をテーマとした金融教育セミナーを実施し、ライフステージに応じたファイナンシャル・プランニングの基本的な考え方を説明しました。また、2025年度も継続して取組を行い、17回の金融教育・能力開発プログラムを実施し、生徒、大学生、教員および大学講師を含む1,470名の受益者に教育機会を提供しました。
また、一部の取り組みはMUFG グループ(MUFG ジャカルタ、Bank Danamon、Adira Finance、Home Credit、Zurich Asuransi Indonesia)との協働により実施されたものであり、若年層の金融リテラシー向上と、将来世代の金融面での安定性・自立性の強化に向けたグループ全体としてのコミットメントを示す取り組みとなっています。

