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第4期アクセラレータ参加企業8社が決定! 白熱、超満員のキックオフピッチをレポート

第4期アクセラレータ参加企業8社が決定! 白熱、超満員のキックオフピッチをレポート

世界に変革をもたらす熱意を持つ起業家やベンチャーと、ビジネスの立ち上げを目標に掲げる「MUFG Digital アクセラレータ」。4ヵ月にわたりビジネス立ち上げの専門家、金融事業領域の専門家などから成るメンター陣によるメンタリング、ビジネスマッチング支援、専用のワーキングスペースなどを無償で提供する充実のプログラムが組まれ、集大成となる「DEMO DAY」では、プログラム期間中の成果を発表する。

第4期となる今回は過去最多の応募があり、2度の審査を経て、同じく過去最多となる8社を選出。採択企業の中には、「海外企業」「女性代表の企業」「農業分野」と初の顔ぶれも見受けられた。2019年3月15日には、プログラムスタートの合図となるキックオフが開催され、満席の会場からも注目度の高さがうかがえた。

第4期のコアメッセージを発表! 本気で取り組み、ビジネスの活路を見出してほしい

キックオフのメインとなる8社のピッチに先立ち、第1期からメンターを務めているインクルージョン・ジャパン株式会社の吉沢康弘氏から、第4期のコアメッセージ「本気と本気は、響き合う。」が発表された。

「このコアメッセージは、メンターやプログラム運営に関わる人たちに圧倒的な支持を得ました。本気で取り組んだチームが成果を残すのが、このプログラムの一番のポイント。私自身もかなりの時間をこのプログラムにコミットして費やしています。例年、5月初旬ごろにチームが空中分解したりフラストレーションが貯まったりすることでしょう。しかし、極めて厳しい4カ月間が、成果につながる営みになると断言できます」(吉沢氏)


インクルージョン・ジャパン株式会社 吉沢康弘氏

このコアメッセージは、元電通のコミュニケーション・ディレクターで、「バイトするなら、タウンワーク。」(リクルート)、「世界は誰かの仕事でできている。」(ジョージア)などのコピーライティングを担当したインクルージョン・ジャパン株式会社の梅田悟司氏が中心となり、吉沢氏や運営事務局のメンバーが過去のプログラムを振り返りながら制作。その後プログラム関係者の間で議論の上、決定された。

「本気で取り組むとお互いの本質が見えてきます。何かを成し遂げたときに、ビジネスモデルが変わり、新しい活路が見えてくるはずです。『本気と本気は、響き合う。』。早速今日から皆さんと進んでいきたいと思います」(吉沢氏)

また、PR・ICTパートナーには、アマゾンジャパン、アマゾンウェブサービス、DEJIMA、帝国データバンク、日本IBM、日本マイクロソフト、ZUU、PR TIMESなどが参加。プログラム中は、各社が得意とするビジネス分野で8社を全面バックアップする。

グルメSNSからアグリテックまで 個性際立つ8社8通りのビジネス

では、どのような企業が選ばれたのか、8社のピッチを発表順に紹介しよう。

(1)クラウドポート 貯蓄から投資の流れに新たな選択肢を提供

事業資金を借りたい企業と個人をつなぐ日本初の貸付ファンドのオンラインマーケットを運営。個人がスマホ1つで世界中の貸付案件や債券に簡単にアクセスできるマーケットプレイスを作りたいと考え、2019年1月23日に「funds」をローンチした。同社独自のスキームで設計された金融商品である貸付ファンドを提供しており、上場企業を中心にファンドを組成している。


株式会社クラウドポート 藤田雄一郎氏

(2)FlyData 「名寄せ」の業務効率化に一石を投じる

複数の個人データから、名前や電話番号などを手掛かりに同一人物を探し出し、データを統合する作業「名寄せ」。FlyDataでは、AI技術を活用した高度な分析基盤により、高精度の名寄せを実現。従来は、表記の揺れにより名寄せが難しかったケースでも、AIの活用によるマッチングが可能となった。


FlyData株式会社 三野隆博氏

(3)GINKAN AIとユーザーで外れ無しの飲食店開拓に導くグルメSNS

グルメSNS「SynchroLife(シンクロライフ)」を開発。「良い体験」レビューをもとにしたレストランデータベースを持ち、SNSでのアクションや数値化されたユーザー同士のレストランの価値観などを活用して厳選、パーソナライズして飲食店をレコメンドする。47カ国19万件のクチコミを蓄積しており、グローバルな展開をめざす(3月15日時点)。「コアレビュアーへの報酬」「飲食代金からの還元リワード」にブロックチェーンベースのトークンを活用している新規性も目を惹く。


株式会社GINKAN 神谷知愛氏

(4)Moxtra モバイルからデスクトップまで、仕事効率化とコラボレーションを加速

個人、ビジネス用の仕事効率化とコラボレーション・ソリューションを提供。Moxtraのアプリは、ファイル管理や他のユーザーとのチャット、タスク管理等の機能を備え、クラウド・ベースのプロジェクト・バインダーとして活用することができる。プライベート・グループの共有機能、音声録音と注釈追加機能、リアルタイム・ミーティング機能も提供。マルチデバイスに対応しており、チームコラボレーションや営業活動を効果的にサポートすることにより、モバイル時代のビジネスワークフローを変革させる。


Moxtra,Inc. Raghavendra Ramesh氏

(5)SAgri スマート農業にとどまらず完全自動農業を見据える

スマート農業を実現させるアプリを開発。衛星データとブロックチェーンの2つのテクノロジーを活用。スマホアプリから農家、農作物、品種などをデータベース化して、衛星データと農業データを用いて農業を最適化する。データにもとづく農業により、経験に頼らない農業の普及をめざしている。最終的に完全自動農業、そして消費者が農業を気軽に支援できる時代を切り拓きたいと意気込む。


SAgri株式会社 坪井俊輔氏

(6)ノバルス 乾電池×IoTで社会問題に挑む

IoTの技術を取り込んだ新しい乾電池を作り、乾電池をIoTプラットフォームとして活用するサービスを開発。例えば、高齢者がリモコンの電池に同社のガジェットを装着するだけで利用状況のモニタリングができ、見守りにつながる。設置も簡単であることから、費用負担も少なくて済み、見守られる側の心理的負担も軽減される。家中のあらゆる乾電池を使用する電化製品で利用可能。どのボタンをどれくらいの頻度で押したか、ビッグデータを解析することで認知症の早期発見にも役立てられる可能性があるという。


ノバルス株式会社 岡部顕宏氏

(7)STOCK POINT 世界初の株価連動型ポイントを発行

日常の買い物で貯まるポイントを活用し、簡単に投資体験ができるサービスを展開。ポイントが企業の株価に連動して、毎日値が動く。ポイントが銘柄の1株以上と同等になると、現物株式と交換することも可能。株式170銘柄以外にも外国為替、リート、投資信託、ビットコインなどを取り扱っている。生活が投資につながる新しいライフスタイルの創出をめざす。


STOCK POINT株式会社 土屋清美氏

(8)Wabi Project 消費者が安心して“ホンモノの“商品を確認できるサービスを提供

海外では日本製の商品が人気だが、それに比例して偽物も多い。そこで、偽造が不可能とされるRFIDチップとブロックチェーン技術を採用して、同社が運営するECサイトで購入した商品や店に並んでいる商品が本物かどうか、流通経路や生産者情報等を消費者自身が確認できる”ホンモノ保証”のサービスを展開。RFIDチップをスキャンするとトークンが付与される仕組みを採用しており、確認するという行動自体のモチベーションを喚起する仕掛けも提供している。


Wabi Project PTE.LTD. 高山靖弘氏

ここまで、社会とビジネスに変革をもたらす兆しを感じさせた全8社のピッチを振り返った。耳を傾ける来場者の表情は真剣そのもので、会場全体が熱気を帯びていた。最終発表となるDEMO DAYは7月26日に開催を予定している。プログラム史上最大となる500人規模の会場で実施する予定だ。これからメンターやアドバイザーのアドバイスを受け、各社のビジネスプランがどのように洗練されていくのか、期待が高まる。