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第5期「MUFG Digital アクセラレータ」キックオフ開催! スタートアップ5社のプレゼンの高い熱量に大きな期待

第5期「MUFG Digital アクセラレータ」キックオフ開催! スタートアップ5社のプレゼンの高い熱量に大きな期待

2015年にスタートして以来、早くも5期目を迎えた「MUFG Digital アクセラレータ」のキックオフが2021年1月14日に開催された。今回は新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言下であることも踏まえ、プログラム史上初の試みとして、MUFG SPARK(東京・日本橋)を発信拠点としたオンライン開催となった。以下では、5期目で採択されたスタートアップ5社によるプレゼン内容を登壇順に紹介する。

第5期「MUFG Digital アクセラレータ」とは

過去最多の応募の中から、ディスカッションを通じてスタートアップ5社を採択

MUFG Digital アクセラレータは、スタートアップ企業と三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)によるアクセラレータ・プログラムだ。2015年にスタートした同プログラムでは、これまで26社のスタートアップ企業が採択され、この中の50%以上は具体的な協業案件に発展している。例えば、4期目でグランプリを受賞した株式会社GINKANは、三菱UFJニコスとの協業を通じて、三菱UFJニコスカードでの決済データを加盟店のマーケティングに活用する実証実験を始めることを発表した。また準グランプリの1社であるMoxtra, Inc.は、三菱UFJ銀行とコミュニケーション基盤「Moxtra」の活用に向けた実証実験を行うなど、協業に向けた活動が進められている。

第5期となる今回はコロナ禍の厳しい環境にもかかわらず、2020年3月の募集開始後、過去最多の応募があった。また、今回からは審査の過程で応募企業とMUFGのディスカッションの場が設けられ、これまで以上に深い意見交換が行われた。これらプロセスを経て最終的に採択されたのは、アルプ株式会社、Crezit株式会社、サステナブル・ラボ株式会社、株式会社トーラス、yup(ヤップ)株式会社の5社のスタートアップとなった。

採択企業に対しては、MUFGメンター、プロメンター、ファシリテーターによるビジネスのアドバイスが提供される。MUFGメンターの候補企業は、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJニコス、三菱UFJファクター、アコム、ジャックス、ペイジェントなど、MUFG各社。またプロメンター、アドバイザーとしては、金融系のリーダー企業や事業立ち上げのプロフェッショナルなど、そうそうたるメンバーが名を連ねる。この他、ICT/PRパートナーには、アマゾンジャパン、アマゾンウェブサービス、DEJIMA、帝国データバンク、日本IBM、日本マイクロソフト、SEデザイン、PR TIMESなどが参加し、各社が強みを持つビジネス分野での支援が提供され、5社をバックアップする。

MUFG Digital アクセラレータは、形づくり(Shaping)、構築(Building)、マーケティング(Marketing)、仕上げ(Pitching)の4つのフェーズで構成されるプログラムだ。今回のキックオフから3ヶ月間のサポートを経て、4月のDEMO DAYに迎えることになる。

採択企業によるプレゼンテーション

株式会社トーラス:登記簿データはAI分析の宝庫

株式会社トーラスは、全国の不動産情報を集約・分析し、不動産オーナーの情報や活動の可視化や、提案のための予測モデルを提供する不動産テック企業。銀行で富裕層の開拓の経験を持つ同社の代表取締役 木村 幹夫 氏は「登記簿はデータの宝庫。アセットの状態から顧客の問題を探知し、適切な提案を先読みするための素材」と語る。1,000万筆以上の不動産登記簿や商業登記簿のビッグデータをAIで分析することで、新たなビジネス価値が生まれるという。


(株式会社トーラス 代表取締役 木村 幹夫 氏)

Crezit株式会社: SaaSモデルで与信ビジネスを支援

Crezit株式会社は、消費者信用事業(貸金・割賦販売など)への参入を検討する企業に対して、金融サービス構築に必要なシステム基盤やオペレーションをCredit as a Service「X Crezit」で提供する。米国では非金融企業による新しい与信サービスなどの市場が拡大しているが、日本では参入障壁が高い。同社のCOO 村井 亮太 氏は「与信事業のオペレーションやシステムなどの高度なプロセスを、さまざまな外部機能のAPI連携の技術によって提供し、ビジネス成長を迅速化するのが狙い」だという。


(Crezit株式会社 COO 村井 亮太 氏)

アルプ株式会社:SaaS/サブスクリプションビジネスの複雑な契約・請求管理業務を支援する

アルプ株式会社では、サブスクリプションや定期課金、従量課金ビジネスの複雑な契約や請求管理などを効率的に行うサービス「Scalebase」を開発・提供する。同社の代表取締役 伊藤 浩樹 氏は、元ピクシブ株式会社のCEOだ。自身のサブスクリプション事業の経験から、複雑で難解なオペレーションそのものが成長の阻害要因になっていると感じ起業したという。すでに多くの導入実績を持ち、日本の商習慣や制度対応にも柔軟・迅速に対応していくという。


(アルプ株式会社 Co-Founder, 代表取締役 伊藤 浩樹 氏)

サステナブル・ラボ株式会社:AI分析でサステナビリティの費用対効果を示す

サステナブル・ラボ株式会社では、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を推進するために、企業の環境・社会貢献度をAIで数値化する「ESGテラスト」を開発・運営する。「例えていうならば帝国データバンクのSDGsやESG版をめざす」と語るのは、同社の代表取締役 平瀬 錬司 氏。独自のデータ解析技術を用いて、これまで効果測定が困難だとされてきた「企業のサステナビリティへの活動」の費用対効果を可視化させ、ファイナンス、HR、IR、PRなどにも応用する。


(サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 平瀬 錬司 氏)

yup株式会社:BtoB決済のクラウド化・デジタル化で中小企業を支援する

yup株式会社は、BtoB決済サービスの提供、与信モデルの企画開発、運営を行っており、BtoB決済プラットフォームを開発する。請求関連の業務がひとつのプラットフォームで完結するサービスを提供することにより、BtoB決済のクラウド化・デジタル化に繋げ、アナログな請求業務に追われる中小企業を支援する。


(yup株式会社 代表取締役社長 阪井 優 氏)

MUFGからのメッセージ

日本のイノベーションを牽引するアクセラレータ・プログラムのさらなる発展

プログラム事務局を担う三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタル企画部 尾高 孝祐 氏は「MUFG Digital アクセラレータは今年ですでに5期目を迎え、単なるお祭りではない地に足のついた取り組みとして定着してきました。これからも日本のイノベーションを牽引する場として発展させていきたいです。コロナ禍の中にあっても、今回もこれまで熱量を維持しながらアクセラレータ・プログラムの提供価値を最大化できるように、関係者一同が全力でサポートしていきます」と決意を語る。

今回も革新的なビジネス創出や社会の変革をもたらす兆しを感じさせる斬新なアイデア、テクノロジーを持つスタートアップ5社が揃った。今後、メンターやアドバイザーとのセッションによって、さらにビジネスプランやアイデアが練られていくだろう。その集大成となる4月のDEMO DAYでは、大きな成果が見られることになるはずだ。キックオフ当日に感じた熱量で、イノベーションの実現をめざす5社にMUFGとの新たな協業の道が拓けることを期待したい。


(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループデジタル企画部 尾高 孝祐 氏)