第1部 Spark X 2024 表彰式
防災・地方活性化・水産業DXで社会課題解決をめざす受賞案件
丸ビルホール(東京・丸の内)で多数の来場者及びオンライン視聴者が見守る中、6組のファイナリストの入場で幕を開けた「Spark X Award 2024」。
まず、MUFGグループCDTO 山本忠司がファイナリストの栄誉を称えて全員に特別メダルを授与した。
その後、最終審査会のプレゼン動画を視聴した方から投票によって最も多くの支持を得た「じぶんち防災」のオーディエンス賞授賞が発表された。本件は、防災の悩みを抱える方やその家族に対して、防災のパーソナライズとアフターケアのサービスを提供、いざというときに備える。
投票者からの「多くの可能性を秘めたアイデア」「一番熱のこもったプレゼンだった」との応援メッセージが紹介されると、受賞者の丸山は「2人でディスカッションしながら準備を重ねてきました」と、授賞に向けた取り組みを振り返った。
続いてグランプリには届かなかったものの、事業化を検証するに値すると認められる特別賞に「寺社Connect」が選ばれた。本件は、京都市内の寺社の敷地内に存在する未活用の遊休地・資産を、不動産などの事業者に繋ぐプロジェクト。MUFGが「未活用資産プロデューサー」となり、寺社経営支援を起点に地方活性化に取り組む。
受賞者の鮫島は「嬉しさと同時に、ここからが本当のスタートだとの責任も感じています」と語り、藤田は「応援してくれた京都支店の仲間に喜びを伝えたい」、迎田は「深刻な社会課題を、MUFGの力を借りて解決したい」と語った。
そしていよいよグランプリの発表となり、「AI-kata~アイカタ~」が今回応募された245件の頂天に輝いた。本件は、水産市場業務における目視・手書き・手入力を中心としたアナログな取引のDXを実現するサービスの提供、将来的にはDXによって得られる流通データ活用を通じて、水産業への投融資拡大のきっかけとなることをめざす。
受賞者の畠山は第1期から応募し続けており、3回目のチャレンジでグランプリ受賞者となった。万感の想いを込めて、支えてくれた家族への感謝の気持ちを伝えるとともに、「日本の水産業を支えるために、しっかりと責任を果たしていきたい」と決意を語った。
事業化に向けた更なる挑戦
受賞チームには、MUFGグループCEO亀澤宏規より表彰が行われ、事業化に向けたエールが送られた。グランプリ・特別賞を受賞した2チームは、今後MUFGの全面的なサポートの下、本格的な事業化をめざす。
Awardには、2022・2023年度の受賞チームも登壇。外部企業へ出向してのビジネスモデル検証、銀行店舗を利用しての事業検証、関係部署を巻き込んだ与信モデル策定など、各チームが事業開発責任者として試行錯誤を繰り返しながら多様な活動に取り組んでいることが報告された。こうした取り組みを経て、2022年に特別賞を受賞した案件「理事会のないマンション管理組合」を実現する“~PROTHIRD~”が、2024年6月にSpark X初の本格事業立上げに至った。「想いを形に、挑戦を実践する場がある」というSpark Xのコンセプトが改めて証明され、会場を大いに湧かせた。
第2部 Spark X 2025 キックオフ
挑戦に一歩踏み出す面白さ
続く第2部ではスペシャルゲストを招き、「挑戦に一歩踏み出す面白さ」をテーマにしたトークセッションが行われた。
スペシャルゲスト
坂井 風太氏(株式会社Momentor代表)
麻生 要一氏(株式会社アルファドライブ 代表取締役社長)
山本 忠司(MUFGグループCDTO)
ステージにはスペシャルゲストの各氏及び6組のファイナリストが登壇。新規事業への挑戦をテーマに本音を語るトークセッションを開催。挑戦へ一歩踏み出したきっかけをはじめとするファイナリストのリアルな声、ゲストによる経営哲学や大企業が新規事業に取り組む意味に対する意見、そして挑戦を後押しする組織の姿など多岐にわたるテーマで、熱い討論が展開された。
山本は「アイデアは行動して初めて価値になる」と一歩踏み出すことの大切さを強調し、麻生氏は「自分には無理と思わずとにかく一回エントリーしてみてほしい」と訴え、坂井氏は「最初からうまく行くわけがないと割り切って、徐々にでいい」と語り、「Spark X 2025応募者」に力強いエールを送った。
加速するSpark X、広がる挑戦のあり方
本プログラムは今年で4期目を迎え、「Spark X」を運営する事務局では、事業立ち上げに必要な知識や技術を学ぶプログラムや、アイデアの磨き上げを支援するワークショップなど様々なコンテンツを拡充。さらに2025年度からは、本業や家庭の都合で応募が難しい人や選考過程で非通過となった人も参加できる「サポーター制度」を新設予定だ。起案者は周囲の協力を得て活動しやすくなり、起案者以外も自身の有する経験やスキルを活かして起案者のサポートができるようになり、「Spark X」への参加、新規事業創出への挑戦のあり方が広がる。
起案者、サポーター、事務局など様々な挑戦の仕方で、MUFGのパーパス「世界が進むチカラになる。」ことをめざしていく。