国内外拠点のDX施策を推進

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr 市川 純子)
—Global DX CoEチームとBPRソリューションチームについて教えてください。
市川:近年、効率化のソリューションが急増する一方、現場は通常業務に追われ、自力での導入は容易ではありません。かつては支援が立ち上げ段階にとどまり、リリースまで伴走できず頓挫するケースや、専門知識の習得が追いつかないという課題もありました。 そこで、専門性を持って現場に寄り添い、デジタル化を完遂させる組織として、2024年4月にコンサルティングGrが創設されました。立ち上げ初年度での国内での成功を受け、さらに支援領域を海外に拡大するためにGlobal DX CoEチームが、2025年4月に新たに創設されました。
市瀬:BPRソリューションチームは、各部の窓口であるコンサルティング&デリバリーチームから持ち込まれた案件の要件定義から実行までの支援を行っています。また、行内展開を目的とした基盤導入も進めています。
—現在、注力している仕事について教えてください。
市川:私がリーダーを務めるGlobal DX CoEチームは、立ち上がって間もないこともあり、現在は各地域で何が必要か、また何が課題かを丁寧に把握しつつ支援内容を検討している段階です。海外拠点では、「デジタル化を検討する人材がいない」「予算が確保できない」といった課題を抱えているケースが少なくありません。そこで、本部での取り組みを海外拠点に発信し、現地での検討を後押しする仕組みづくりや、来年度に向けた予算確保の支援に注力しています。また、オフショアによる安価で高品質な開発体制の構築も検討し、資源・リソース両面での支援を検討しています。
市瀬:BPRソリューションチームでは、全行向けのとある基盤導入に力を入れています。後ほど話しますが、銀行での基盤導入は求められるものが非常に多く、チームメンバーのみならずシステム企画部や開発部も一丸となって進めています。私自身は、複数の基盤導入プロジェクトとBPR案件に関わっています。
永井:私はGlobal DX CoEチームに所属していますが、BPRソリューションの業務に携わる機会も多いです。現在は、各本部の業務効率化案件を担当しており、ヒアリングから要件定義、ローコードツールを用いたアプリ開発、納品までを一貫して行っています。また、基盤導入系のプロジェクトでは技術検証や各種検討を担当、海外も含めた導入済ツールの管理などにも注力しています。
—世界各地域を対象とする苦労はどういうところにありますか?
市川:対象となる拠点は100以上にのぼります。すべての拠点と直接やりとりをしていては収拾がつかないため、欧州・米国・アジアにそれぞれ地域CoEを設けています。地域CoEに現地のニーズや課題を集約してもらい、Global DX CoEチームからは資源・リソース支援にとどまらず情報提供やガバナンス体制構築などを行うという形です。地域CoEの担当者は、日本人の場合もあればローカルスタッフの場合もありますが、AI・DXツールを導入した後の利用定着まで見据えると、グローバル展開にはローカルの知見・協力が不可欠であるため、ローカルのスタッフも巻き込むことが必要です。文化や商習慣の違いによって解釈が異なることもあるため、コミュニケーションには細心の注意を払っています。加えて、国や地域ごとに規制やルールが異なる点も難しいところです。可能な限り、共通のツールを使ってもらいたいと考えていますが、実情に合わせてどこまで個別対応を認めるか、そのバランスには常に悩みます。
—金融機関でのDX推進の難しさとおもしろさはどのようなところにありますか?
市川:グローバルは国内と比較してAI・DX化の余地が大きく伸びしろが大きい状況です。グローバルでも約1万5,000人が対象になるため、一つの仕組みやシステムを導入した際のインパクトは非常に大きく、その分、達成感もあります。一方で先ほども申し上げた通り、特に各地域の規制やシステム・文化の違いを考慮する必要があり、言語の壁もあるため一筋縄にはいかず難しい面もあります。
市瀬:ガバナンス周りは特に難しいですね。例えばSaaS製品を一つ導入するとして、前職のベンチャーならボタン一つ押せば済んだことでも、銀行ではあらゆるリスクを想定し、対応策を講じる必要があります。ただ、技術進化がこれだけ速い中で、ガバナンスに時間をかけすぎるとスピード感が失われてしまう。そのジレンマに向き合いながら、最適解を探っていく点に、この仕事のおもしろさがあると感じています。
永井:ツール導入時にも、行内ルールに沿った準備や、セキュリティ対策案の検討など、さまざまな配慮が求められます。そうしたプロセスを一つひとつクリアし、無事に導入できたときの達成感は大きいですね。
自由な風土でスキルを活かせる喜び

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr 市瀬 将也)
—これまでのキャリアを教えてください。
市川:2011年に新卒で入行後、最初の3年間は支店での営業に従事しました。その後、企業審査部でのトレーニー、大企業営業部門、経営企画部に在籍、その後、現在の部署の前身となるデジタルサービス企画部DX室に加わりました。デジタル戦略統括部が立ち上がってからは、最初はコンサルティング&デリバリーチームに所属、Global DX CoEチームが立ち上がったときにチームリーダーになりました。もともとITやデジタルに強いわけではなかったのですが、銀行でキャリアを積むうちに、これから必要とされる専門性を身につけたいと感じるようになり、デジタル分野に主軸を移しました。
市瀬:私は2024年11月の入行です。大学院で経営工学を専攻し、2019年に修了後はコンサルティングファームに入社、約4年間、商社のDXと小売・流通業のデジタルマーケティング支援を経験しました。それから、AI ベンチャーで約2年間勤務、マネージャーとして活動。そのうちに、実際に事業を行っている会社で仕事がしたいと思うようになったところで、偶然転職サイト経由で声をかけていただきました。選考を経て銀行×デジタルに興味を持ち、入行を決めました
永井:2024年4月にシステム・デジタルコースで入行しました。大学院で数学を専攻、確率論を専門とする中で特に金融工学へ興味を持っていました。IT系の学部ではなかったものの、パソコンいじりが元々好きだったので、自然と金融×ITへ惹かれていきました。当行に決めたのは、受入型のインターンシップに参加した際に、部署の雰囲気や人柄、業務内容が自分に合いそうだと感じたからです。
—プロパー行員、キャリア採用者の関係はいかがですか?
市瀬:隔たりを感じたことはありません。キャリア採用者に限って言えば、それぞれ特定のスキルセットを持っています。AIに強い人やRPA推進に詳しい人など、尖った専門性を持っている人が多いですね。
市川:プロパーの行員は会社内のことをよく知っています。多数の部署があり、どこに話をすればいいのか、どういう調整が必要なのかを把握しています。一方で、市瀬さんが話してくれたような尖ったスキルを持っている人は少ないので、お互いに支え合い、良い循環が生まれていると思います。
—若手行員の活躍機会についてはいかがですか?
永井:自分の知見を活かせるプロジェクトに参加させていただいています。現在は、深いツール理解やIT知識を用いて業務効率化案件の推進しているほか、基盤構築プロジェクトでは技術検証や運営ツール作成などのモノづくり、知見を活かしたルールづくりなどに携わっています。新人だからといって壁を感じることはなく、非常にフラットな雰囲気で、のびのびと仕事ができています。幅広い経験ができ、学ぶことが多いので、毎日がとても充実しています。
デジタルコースで入行した同期とは定期的に同期会を開くのですが、話を聞くと、みんなそれぞれの部署で自分のスキルを活かして頑張っているようです。
前向きな姿勢で組織に貢献、個人も成長

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr 永井 俊輔)
—将来に向けて、チームとしての目標、個人の目標を教えてください。
市川:Global DX CoEチームは走り出したばかりなので、来年度・次期中計に向けて実績を出していく必要があります。資源・リソース面での支援などを着実に進め、各地域がAI・DXを進めるための土台を整えていきたいと考えています。
市瀬:チームとしては、現在進行中のプロジェクトを確実に進めていくことが重要です。個人的には、業務を通して銀行業務への理解を深め、業界の専門家になりたいですね。
永井:日本と海外で使われているツールが統一されていないので、整理していきたい思いがあります。個人的な目標としては、AIやBIなどの様々なツールの活用や、専門・資格を活かせるデータサイエンスやサイバーセキュリティといった分野にも挑戦してみたいです。
Profile
※所属・肩書は取材当時のものです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr
市川 純子
2011年に商学部を卒業、三菱UFJ銀行入行。支店・本店における営業・企画業務を経て、デジタルサービス企画部DX室に着任。2025年4月より現チームのリーダーを務める。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr
市瀬 将也
2024年11月にキャリア入行。大学院(経営工学)修士課程修了後、コンサルティングファームに約4年間、AI ベンチャーに約2年間在籍。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 コンサルティングGr
永井 俊輔
2024年に大学院(数学)修士課程修了後、4月にシステム・デジタルコースで入行。新人研修や支店研修、IT研修など半年間の研修期間を経て、デジタル戦略統括部に着任。




