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全社規模のビッグデータ基盤の設計 大型プロジェクトに構想から関わり、経営を支える

全社規模のビッグデータ基盤の設計
大型プロジェクトに構想から関わり、経営を支える

膨大なデータを利活用することが組織の競争力に大きく関わる今日、デジタル戦略統括部データマネジメントGrデータエンジニアリングチームは銀行特有の厳しい条件を満たしながら、安心・安全かつ快適なデータ環境の構築に取り組んでいる。今回は、同チームの取り組みにフォーカスし、前編ではITアーキテクトラインから、チームヘッドでラインマネージャーの市川宜、メンバーの谷山徳太郎、白波瀬敬之に、全社ビッグデータ基盤のアーキテクチャ設計に関わるやりがいや難しさ、さかのぼってこれまでのキャリアや入行の動機まで、幅広く話を聞いた。後編では同チームでデータの管理・作成・公開などを担うデータプロバイダーサービスラインの取り組みを紹介する。

(写真左から)
三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr データエンジニアリングチーム ITアーキテクトライン
谷山 徳太郎
市川 宜
白波瀬 敬之

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データエンジニアリングチームインタビュー(後編:データプロバイダーサービスライン)

データ基盤設計は常に挑戦に満ちている

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 市川 宜
(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 市川 宜)

Q. データエンジニアリングチームと、その中におけるITアーキテクトラインの役割について教えてください。

市川:データエンジニアリングチームの役割は、膨大なデータを安心・安全かつ快適に使用できる環境を構築することです。銀行は個人情報を含む機密情報を多く扱うので、安心・安全の観点は特に重要です。同時に、データを引っ張ってくるだけで何十分、分析に何時間もかかるようでは、ストレスが大きすぎるので、快適性の追求も必須です。さらには、コスト効率も考慮しなければなりません。これらの条件を満たしつつ、今後は10倍から100倍のデータを扱うことができるようにする必要があります。データエンジニアリングチームは現在18名で構成されています。その内、ITアーキテクトラインは11名で、全社対象のデータ基盤、分析基盤の導入、機能改善、企画立案を行っています。

Q. 現在、取り組んでいるプロジェクトを教えてください。

市川:主に2つあります。1つ目は、データ分析基盤の継続的な性能向上です。そして2つ目は、これからのニーズに応えるシステム構築です。これまでは主に財務情報など比較的安定したデータを扱ってきましたが、これからはAIやマーケティングなどに対応して、より複雑で大量のデータを扱うことが求められます。

Q. 銀行でデータ基盤導入・機能拡張に取り組むにあたって、難しさやおもしろさはどのようなところにありますか。

市川:一番難しいのは、機密性が非常に高い情報を扱うことです。他の業界であれば使える最新の技術やツールでも、金融機関では採用のハードルが格段に上がります。一方では、高速で高効率なシステムが求められており、この制約の中で、いかに最適なシステムを構築するか、そこが最大の挑戦です。AWSやマイクロソフト、Googleなどのベンダーの最新情報をいち早くキャッチし、関連部署と交渉して、安全性を証明できるかどうかがポイントになります。保守的と思われがちな金融機関で、最新、安全、最速のものを選び出し、採用につなげるのは難しい分、非常におもしろく、やりがいを感じるところです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 谷山 徳太郎
(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 谷山 徳太郎)

互いに敬意と感謝を持って個人も成長するチーム

Q. 入行から現在までのお仕事を教えてください。

市川:私は2000年に文学部哲学科を卒業、まず商社に入社して2年在籍しました。最初は本店に勤務、その後、ロンドン、ウィーンなどに駐在しました。次に通信社の金融情報システムを扱う部署に1年、その後、カナダの銀行に1年、アメリカの銀行に12年、運用会社に1年、そして証券会社に4、5年勤務。2社目からはほぼ一貫して金融情報システムに関わってきました。当行には2024年6月に入行、現在はデータエンジニアリングチームのチームヘッド、ITアーキテクトのラインマネージャーを務めています。

谷山: 2003年に工学部を卒業して、日本の航空会社のシステムグループ会社に入社、約19年勤務しました。その間は、データ基盤の開発と運用を経て、データを活用して顧客マーケティングを高度化する業務に携わりました。それから金融機関に約3年在籍、金融業界の中で同様の業務にあたりました。2025年4月に当行に入行し、現在は、データ分析基盤の開発を中心に担当しています。具体的にはPMとして、グループ会社のMUIT(三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社)と協業して、ビジネス面とシステム面の要件定義、関連部署との交渉、ユーザー側のテストの取りまとめ、予算管理などを行っています。

白波瀬:私は知識科学を専攻して2019年に卒業、SIerに入社して、通信系のお客さまの基幹系システムの保守開発を約2年、その後、同じお客さまの情報系システムの刷新プロジェクトや金融機関へのデータ利活用に関する提案業務を約3年担当しました。当行に入行したのは2024年8月です。現在は、AIの活用に向けて、AIシステムとOCEANを連携させるアーキテクチャの設計を行っています。PM的な立場で、アーキテクチャの方針決定を行うほか、関連部署と連携しつつ、データマネジメントグループとしての意思決定の取りまとめなども行っています。

Q. 入行を決めた理由を教えてください。

市川:それまで扱っていたデータ分析基盤よりもさらに大きなデータ量と、業界トップレベルの情報環境があったからです。

谷山:転職に際しては、システム面を中心にデータに関わってきた経験を活かしたいと思っていました。その中でも当行は、取り組み内容や、組織体制面から、データを活用した経営改革に取り組む姿勢の本気度を強く感じ、そこに惹かれました。

白波瀬:エンドユーザーに近い立場で設計に携わりたいと思い、転職を決意しました。当行については、データ基盤界隈で知られていたOCEANが魅力でした。

Q. 入行してから思い出に残っているエピソードはありますか。

市川:入行してすぐに、システムの性能向上を最速で行うように求められ、半年で本番化したのですが、期待されていた成果が出せなかったんです。その時は本当にあせりましたし、つらかったですね。まさに背水の陣。メンバーが個人の知識と経験をマックスで出してくれて、なんとかリカバリーできました。でも、この経験でチームの結束が固まり、その後のチームビルディングはむしろスムーズでした。

白波瀬:私もその場にいましたが、自分の視野の狭さを思い知らされました。確かに大変でしたが、今となっては貴重な経験になっています。

谷山:私は部門の意思決定と組織としての動きの速さに驚かされました。大組織というとステレオタイプ的に意思決定が遅いということがイメージされると思います。もちろん当行内においてもそういった側面がまったくないとまでは言いませんが、マネジメントの意思決定のもと、各チームが有機的に連携して対応を進めていくスピード感を日頃から感じています。各チームのプロフェッショナルなメンバーと協力しながら、スピード感を持ってデータドリブン経営を支えている実感が持てるのは、この仕事の醍醐味です。

Q. チームの雰囲気を教えてください。プロパー行員とキャリア採用社員との関係はいかがですか。

市川:メンバーのほとんどがキャリア採用で入行しています。このチームの良いところは、一人ひとりが上昇志向を持ちつつも、協力することがその近道だと理解している点。互いに敬意と感謝を持って、それぞれの役割を全うしています。こんなにまとまりが良いチームは珍しいと思います。

谷山:私は、プロパー社員とキャリア採用社員がうまく融合していることによる、居心地の良さを感じています。どんな会社でもそうですが、会社特有のやり方、風土、習慣といったものがあると思います。一般的には、そうしたことの理解はキャリア採用社員にとっての壁になってしまうことがあると思いますが、当部ではプロパー社員が根気よく丁寧に教えてくれたり、お互いの違いを認め合い、助け合って業務を進めています。マネジメントが日頃より、お互いへの敬意と感謝だと言い続けてくれていることがそうした雰囲気を醸成しているのではないかと思います。

白波瀬:このチームには、さまざまなバックグラウンドを持つ人が揃っています。私はSIer出身でシステムをつくることが専門でしたが、コンプライアンス、リスク管理、最先端のデジタル技術対応などで経験を積んできた人もいます。スキルセットが多彩なメンバーからは、日々多くのことが学べます。

プロフェッショナルとしてMUFGの競争力に貢献

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 白波瀬 敬之
(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 白波瀬 敬之)

Q. 今後の目標や将来の夢を教えてください。

市川:この会社には、一人ひとりをしっかりサポートしてくれる風土があります。私もその一員としてメンバーをサポートしつつ、会社の競争力向上に貢献したいと思っています。

谷山:入行してまだ1年にもなりませんが、すでに2年分か、それ以上の経験をしたような充実感があります。当面は現在のプロジェクトに力を尽くします。今の仕事は自分のキャリアの大きな柱になると思っています。

白波瀬:10年20年先の具体的なキャリアはまだ明確に描けていませんが、MUFGには、さまざまなチャレンジができる制度があるので、これまで知らなかった領域のスキルもどんどん身につけていきたいですね。

Profile

※所属・肩書は取材当時のものです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr 市川 宜

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr

市川 宜

2024年6月入行。2000年に大学を卒業、外国銀行、運用会社、証券会社などに勤務。マーケットデータ、クラウドテクノロジー、データマネジメントの経験を蓄積。現在はデータエンジニアリングチームのチームヘッド、ITアーキテクトのラインマネージャーを務める。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr 谷山 徳太郎

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr

谷山 徳太郎

2025年4月入行。2003年に工学部を卒業、日本の航空会社のシステムグループ会社に約19年在籍、データ基盤の開発・運用に主に従事、後半は顧客マーケティング部門にて、データマーケティング高度化に向けたデータ基盤構築を経験。その後、金融機関に転職、マーケティング部門にてデータ基盤の開発の他、新ビジネスの立ち上げ準備などを約3年担当。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr 白波瀬 敬之

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr

白波瀬 敬之

2024年8月入行。知識科学を専攻して2019年に卒業、SIerに入社して、情報系企業の基幹系システムの保守開発、情報系システムの刷新プロジェクト、金融機関へのデータ利活用に関する提案業務を経験。