全行ユーザーのデータ利活用を支援

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 完倉 広樹)
Q. データエンジニアリングチームと、その中におけるデータプロバイダーサービスラインの役割について教えてください。
完倉:データエンジニアリングチームは、全行のユーザーに安心・安全、かつストレスなくデータを利活用できる環境を提供しています。その中で、ITアーキテクトラインがインフラ面を整備する一方で、データプロバイダーサービスラインは、そのインフラの上に構築されるデータをどのようにつくっていくかというアプリケーション的な役割を担っています。私たちのラインには3つの主要なミッションがあります。1つ目はデータ作成で、各部署のユーザーが利用できるデータパイプラインを提供します。現場では作成が困難な細かいデータやクリティカルなデータの作成も行います。2つ目はデータ公開で、データの所有者と利用者をつなぎ、誰が、どの目的でデータを使えるかをガバナンスし、アクセスコントロールを実行します。3つ目は、各部署のデータ作成における性能提案で、各部署の構築している処理を解析し、より早くデータ作成ができるようチューニングします。データプロバイダーサービスラインに所属しているのは、データマネジメントチーム15名のうち6名で、ビジネスパートナーのSIerから26名が同じオフィス内で業務にあたっています。
Q. 現在、取り組んでいるプロジェクトを教えてください。
完倉:2つの大きなプロジェクトを進めています。1つは処理機構の高度化です。吉田さんが主に担当しています。
吉田:当行で扱うデータ量と処理数は劇的に増加しており、既存の処理機構では対応しきれなくなってきています。そのため、データパイプラインのつくり方を変えて、システムの性能を向上させ、鮮度の良いデータをより早く全行に提供できるように取り組んでいます。
完倉:もう1つは開発標準に関わることで、膨大かつ多岐にわたるデータを、高品質を維持しながら少人数で提供することをめざしています。
Q. 銀行でデータ作成や提供に関わる難しさや今の仕事のやりがいはどのようなところにありますか。
完倉:今日、データ分析は、過去や現在の状況を示すだけでなく、未来予測にも使われています。BIやAIを活用して精度の高い未来予測を行うには、特徴量を持つ大量のデータを迅速に作成・提供する必要があります。一方、銀行は個人情報や機微情報を多く扱うので、データのリテラシーやガバナンスの確保は必須です。併せて、データの精度も重要で、他の業界では概算で許容されても、銀行では通用しないことが多々あります。このように、私たちの仕事は、アクセルを踏みつつ、ブレーキをかけることも求められるという性質を持っています。そのバランスを取るのは容易ではありませんが、さまざまな制約や条件がある中で、必要なデータを各部署に適切に提供して、現場からデータドリブン経営に貢献できることには、大きなやりがいを感じます。
吉田:具体的な話をすると、私は現在、ETLツール(※)を活用したデータの加工、集計、そして行内の依頼者に対するデータ提供を行っています。大規模なプロジェクトに貢献するデータも多く、自分たちが作成するプログラムが、会社の意思決定を支える重要な役割を果たしていると思うと、やりがいを感じます。
※ETLツール:データの抽出(Extract)、格納(Load)、変換(Transform)の略。データを分析基盤へ取り込んだ後に加工を行うこと。
データエンジニアリングとしてスケール感に大きなやりがい

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr吉田 隼航)
Q. これまでのキャリアを教えてください。
完倉:2010年3月に理学部応用数学科を卒業し、金融分野に強いSIerに入社、約15年在籍して、主に政府系金融機関や民間金融機関のシステム構築・運用に携わりました。当行に入行したのは2025年2月です。現在はデータプロバイダーサービスラインのラインヘッドを務めています。
吉田:修士課程で数学を専攻し、2014年に修了しました。その後、通信業界で約10年、データエンジニアとして、データ分析基盤の構築やデータパイプラインの開発に主に携わってきました。2024年9月に当行に入行してからは、全行のデータレイクであるOCEANの提供業務を担当しています。
蟹江:大学では商学部で計量経済学を学び、統計学を使って経済理論の実証研究を行っていました。データにもともと興味があったことが、この分野に進むきっかけとなり、2021年4月にSIerに入社、顧客企業のシステムの開発、運用にあたりました。当行に入行したのは2025年7月で、現在はデータ作成と公開を担当しています。
Q. 入行を決めた理由を教えてください。
完倉:新卒で入社したSIerに15年間勤務し、一通り経験できることは経験し尽くしたと感じました。転職に際して重視していたのは、より上流工程で、ビジネスやシステム開発に関わることです。中でも当行に決めたのは、仕事内容に加え、面接で「ぜひ一緒に仕事がしたい」と思える人たちに出会ったことも大きかったです。
吉田:私もキャリアアップを考えて、転職活動を始めました。エージェントに当行を紹介されたとき、これまでの経験を活かしながら、未知の領域にチャレンジできそうだという可能性を感じました。スケールの大きさにも惹かれました。
蟹江:私の場合は、新卒から勤務していたSIerで組織変更があり、仕事の内容が変わることが予想されたため、転職を決意しました。データに特化したキャリアを形成したいと考え、データエンジニアの求人を探しました。当行について魅力的だと思ったのは、扱うデータの量と種類の多さです。データエンジニアとして幅広い経験ができると感じました。
Q. 入行してからイメージのギャップはありましたか。
完倉:関係部署やステークホルダーが想像以上に多くて圧倒されました。加えて各部署で商品や戦略に特徴があり、それらを把握していなければ、適切なデータの提供は困難です。その分、業務知識が深まるほど、各ニーズに最適なデータのつくり込みができるおもしろさがあります。
吉田:イメージのギャップは特にありませんでした。チームの雰囲気としては、1つのことを突き詰めるタイプの人、データマートのパイプラインをつくるのが好きな人が集まっている印象です。落ち着いて仕事ができる環境です。
蟹江:当行についてのイメージのギャップというわけではないのですが、前職のSIerとは仕事の進め方が大きく違うことを感じています。というのは、前職では、要件を明確に定めてからスタートするのが通常でしたが、ここでは、要件自体がやわらかい状態からプロジェクトが始まります。自分がしっかり進行や段取りを決めて、内容を詰めていかなければ、方向が定まらず、手戻りが発生してしまいます。反省することもありますが、今の経験は自分の折衝力や管理スキルを伸ばすことにつながっていると思います。
刺激的な環境で成長機会が豊富

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部データマネジメントGr 蟹江 亮太)
Q. 今後の目標や将来の夢を教えてください。
完倉:最近、マネジメントグループ内でよく出てくるキーワードは「ファクトリー化」です。データプロバイダーサービスラインは、効率よく質の高いデータを作成して、各部署への提供やAIへのインプットを求められます。そのため、自チームの業務プロセスを自チームで評価し、改善できるハイテク工場のようになる必要があります。また、私自身は、チームづくりにも注力したいと思っています。具体的には、トップダウンではなく、各メンバーがボトムアップで意見を出し合い、自発的かつ継続的に改善提案ができるチーム文化をつくりたいと考えています。
吉田:処理機構の高度化も改善の一環で取り組んでいます。設計はかなり進みました。将来像を思い描くと、ワクワクしますね。
蟹江:銀行のビジネス面について学びながら、そのビジネス知識をデータ利活用に落とし込める人材になりたいと考えています。施策立案し、データ利活用の促進にチャレンジしたいです。
Profile
※所属・肩書は取材当時のものです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr
完倉 広樹
2025年2月入行。2010年4月に理学部応用数学科を卒業後、SIerに入社、主に政府系金融機関や保険業界向けのシステムに携わる。現在は、データプロバイダーサービスラインでラインヘッドを務める。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr
吉田 隼航
2024年9月入行。修士課程で数学を専攻、2014年に修了後は通信業界でデータエンジニアとして勤務、データ分析基盤の構築やデータパイプラインの開発を担当。現在は、データプロバイダーサービスラインにて、データマート作成や処理機構の高度化を担当している。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 データマネジメントGr
蟹江 亮太
2025年7月入行。商学部で計量経済学を学び、2021年にSIerに入社、顧客企業のシステムの開発、運用を担当。現在は、データプロバイダーサービスラインにて、データ公開やデータマート作成を担当している。



