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MUFGアクセラレータ・プログラムへの応募締切に向けラストスパート、全3回の説明会が終了

MUFGアクセラレータ・プログラムへの応募締切に向けラストスパート、全3回の説明会が終了

オープンイノベーションによる革新的な金融サービスの開発に取り組んできている三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は1月12日、スタートアップアクセラレータプログラム「MUFG Digitalアクセラレータ」の第3回説明会を終えた。これで、1月下旬の応募締切へ向けて最終段階に入った。

MUFG Digitalアクセラレータは、MUFGがスタートアップ、ベンチャー企業の参加を募り、ビジネスプランのブラッシュアップや製品プロトタイプ構築の支援、さらにはパートナーやアライアンスの選定など、事業化に向けたさまざまな支援を提供するプログラムだ。2016年に実施した「MUFG FinTechアクセラレータ」に続く第2期となる。

今回のアクセラレータ・プログラムでMUFGは、対象となる事業領域を2016年の「FinTech」から「Digital」分野に拡大。人工知能(AI)やIoT、量子コンピュータ、ロボティクスなどの先端分野に加えて、リスク管理やセキュリティ、デジタルマーケティングなどの有望なスタートアップを募集している。

現在までにMUFGはアクセラレータ・プログラムの説明会を3回にわたって実施。各回ともに約100人の参加者が集い、合計で約300人が興味を示してきている。1月12日の説明会を終えて応募期間もいよいよ終盤、応募登録と応募フォームの取得ができるのは1月22日までとなる。その後、一次となる応募書類による選考を経て、2月上旬には面談による2次選考を実施。10分間のピッチと10分間の質疑応答を経て、参加するスタートアップを絞り込む予定だ。

MUFGデジタルイノベーション推進部シニアアナリストの藤井氏は、選考のポイントについて「事業プランを見るので、新規性や革新性が非常に重要なポイント。使う人がどのようなベネフィットを受けるのか、具体的に知りたい。そういうものを実現できるのか、技術的な裏付けがあるのかと言う点もある」と解説する。またチームに加わっているメンバーの情報も参考にする見通しだという。

3月中旬にはプログラムがスタートする予定で、アクセラレータ期間中には、メンター陣だけではなく、弁護士やMUFGの社員からのアドバイスも得られるという。5月中旬にはMUFGの関係者も招いて「インターナルDEMO DAY」が予定されている。

さらに、プログラムの成果を発表する2017年7月28日のDEMO DAYに向けて、スタートアップの事業化を加速させる。DEMO DAYではMUFGのネットワークを生かして、ビジネスマッチングの機会も併せて設け、出資を得るチャンスもあるという。

2016年の実績としては、AlpacaDB,Inc.、スマートアイデア、xenodata lab.、ZEROBILLBANK Ltd.、ナレッジコミュニケーションの5社が参加。それぞれ事業モデルの洗練やプロダクトのプロトタイプの開発を推進した。その中で、xenodata lab.がAIを活用した企業レポートの自動作成システムを開発し、DEMO DAYのコンテストでグランプリを獲得した。

藤井氏によれば、今回は5~7社の参加企業を選出する予定とのこと。2016年のFinTechアクセラレータでは5社が参加しており、参加社数の拡大を見込んでいる。また、プログラムそのものもバージョンアップを図っており、大きなインパクトを与えるスタートアップが登場してくるか期待も高まる。藤井氏も「ぜひ革新的な事業を立ち上げる熱意を持つ参加者に参加してもらいたい」と意気込みを語る。

2016年の第1期のプログラムに参加したZEROBILLBANK Ltd.の堀口 純一CEO兼共同創業者は「スタートアップにとってヒト、モノ、カネといういろいろな資源があるなか、時間は非常に重要なリソース。同じ4ヵ月という時間を過ごすなら、これほど時間を有効に使える場はなかった」「人生で最も凝縮した期間だった」と話す。

2017年はDigital分野に対象を拡大して参加企業を募る中から、どんな有望なビジネスが登場してくるのか期待が集まる。