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若手行員が語るMUFGのデジタル領域で働く魅力

若手行員が語るMUFGのデジタル領域で働く魅力

MUFGは金融業界でいち早くDXに参入し、2024年度からの新中期経営計画では、AI・データ基盤の強化を重要な要素に掲げている。より推進力を高めるために同年、デジタル戦略統括部を新設。部署間の垣根を越えたDX戦略に注力している。そこで今回は、デジタル戦略統括部AI・データ推進Grの石井千星と、デジタル戦略統括部事業開発Grの田渕柊に、業務内容や今後のキャリアについて話を聞いた。

(写真左から)
●三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 田渕 柊
●三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 石井 千星

部署の垣根を越えてデジタル領域でプロジェクトを推進

Q.お二人が所属されている部署の役割について教えてください。

田渕
私が所属しているのは、コーポレートセンター配下のデジタル戦略統括部の事業開発グループです。同グループのミッションは、「デジタル×投資・アライアンス」を軸にした事業開発を通じて、MUFGの進化に貢献することです。中でも私は、当行が展開するレンディングビジネスへのAI活用および導入余地を探り、MUFGグループ全体のレンディングビジネスの競争力を強化していく事をミッションにした「AIクレジットモデル開発チーム」に所属しています。
業務は大きく2つあります。1つ目は「外部企業が保有するAIクレジットモデル評価および知見蓄積」です。そもそも、AIクレジットモデルとは顧客への融資判断を行うAIモデルの事を指します。当チームでは他部署の出資案件に参画し、出資候補先企業が持つAIクレジットモデルを中心としたテクノロジーを適切に評価します。オンラインでのやりとりや、必要な場合には海外等現地に赴きヒアリングして情報を収集し、当チームの基準に照らし合わせて評価を行います。その情報を出資検討に係る経営会議用の資料にアウトプットすると同時に、得られた知見はチーム内に蓄積していきます。
2つ目の業務は「蓄積した知見を基にしたMUFGグループへの還元」です。関連会社やパートナーバンクを含むMUFGグループにおける、デジタルレンディングに係る課題やニーズを調査し、蓄積した知見を基にして改善方針の提案やモデル開発のサポートを実施しています。サポートの過程では当行のシステム開発基盤にてコーディングをすることもあり、学生時代に学んだプログラミングの知識が仕事にも役立っています。

石井
私はデジタル戦略統括部のAI・データ推進グループに所属しています。当行では、全行的な業務のデジタル化を推進し、更なる成長をめざしています。あらゆる活動がデータ化される中で、データに基づいた迅速な意思決定やデータの分析・生成など、AIの役割が非常に重要です。私たちAI・データ推進グループは、全行的なAI推進の戦略立案や案件管理を通じて、行内全体のデジタル化施策をサポートし、AI目線で業務、システム、データを整備することをミッションとしています。例えば、MUFG全体でのChatGPT等の生成AIの導入・利活用の推進(MUFG版「ChatGPT」の開発秘話)や、金融に特化したLLMの開発、データ分析・AIを活用した業務の効率化・高度化、各種AIソリューションの導入、AIガバナンスの強化、新しいゲームチェンジにも早急に対応すべく、新技術の探索およびビジネスへの適用調査などを行っています。AIがより真価を発揮しやすい環境を整えるべく、日々の業務に邁進しています。

Q.現在のお仕事において、一番印象に残っていることや面白いと感じる点を教えてください。

田渕
外部企業のAIクレジットモデルの評価を主担当としてやり遂げた経験が、とても印象に残っています。それまでは上席の方に付き従っていましたが、具体的なスケジュール決めをはじめ、部内での調整、各種マネジメントなど、メンバーのサポートを頂きながら主体的に行えた経験は私の自信につながりました。特に評価基準の項目に照らし合わせて評価コメントを記載する工程は専門的な知識が必要です。これまで業務を通じて学んでいたことが身になっていたのだと、実感できました。また、どのような仕事でも、スケジューリングや期日までの工程を逆算して行うプロセス、業務を完結できた経験は、今後様々な場面で活かせると感じています。

石井
業務フローにAIを組み込むことで業務量削減や新たなインサイトの発見ができる点が面白いです。例えば、行内のLegalTech(法務DX)推進を担当し、電子帳簿保存法に則った契約管理業務の効率化を図りました。契約書の必要項目を自動で読み取り・検索・抽出するソリューションを導入し、業務の大幅な削減に成功しました。また、技術探索フェーズでは世界中のビッグテックやスタートアップ各社とコネクションを築き、最先端AI技術の研究動向をキャッチアップでき、非常に贅沢かつ貴重な機会を頂いていることを実感しています。AIとビジネスが掛け合わせることで新しい価値が生まれる。そのようなプロジェクトを推進し、成果を出していくことに面白さを感じています。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 田渕 柊
(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 田渕 柊)

若手がやりがいを持って働ける、雰囲気のいい職場

Q.就職先を当行に決めた理由を教えてください。

田渕
大学院時代に、機械工学の研究を行っていました。研究分野の知見を活かす就職先は、自動車関連のメーカーや重工メーカーが一般的です。しかし、研究に対する完全燃焼感があったうえ、新しいことに興味が湧く性格から新領域への就職も考えていました。そんなときに、説明会でMUFGの話を聞く機会がありました。「これからはデジタルの力で、日本が誇る質の高い金融サービスを全世界に届けられる可能性がある」と知り、強く興味を持ったのを覚えています。
とはいえ、最終的にもう一社と当行で迷っていましたが、内々定を承諾する前最後に面談した方がとても魅力的かつ熱く、このような方がいる会社で働きたいと思い入行を決めました。

石井
3つの段階がありました。まず初めに考えたのは、ITを専門とするのではなく、事業との掛け合わせの観点から探そうということです。私も理系出身で、技術の研究開発にも憧れがありましたが、個人的にはAIなどの技術は業務プロセスに取り入れて、(例えば業務削減効果が出るなど)効果が目に見えて初めてその価値が発揮されると思っています。事業会社側にいればビジネスからデータまで手元にあり、最後まで一貫して取り組むことができます。だからこそ、ビジネスに携わるならITを専門とするのではなく、事業会社でITの視点から推進していく立場にいたいと思いました。次に、金融に絞った理由です。就職活動をしていた当時、フィンテック界隈が賑わい、金融機関のビジネスが危ぶまれている時代でした。私はそれを好機と捉え、ビジネスの転換期に関われるチャレンジングな世界に携わりたいと思い、金融に目を向けました。データサイエンスの観点から、蓄積された静的データに対する変革の余地も大きいと思いましたし、数学を専攻していたので、金融の数理的な側面にも興味がありました。最後に、当行に決めた経緯ですが、技術方面から銀行の経営戦略に若いうちから入り込める可能性が一番あると思ったからです。デジタル技術は一部署にとどまらず、銀行全体に溶け込むべきものです。デジタル領域から旗を振って銀行全体のホワイトスペースを開拓していける場所はやりがいがあると思いました。また、お話を伺う方すべてがデジタルに対して「変えていかなければならない」という前向きな姿勢を示されていたことも印象的でした。

Q.実際に当行で働いてみて、どう感じましたか?

田渕
実際に働いてみると、私が思っていたよりもずっとフランクな雰囲気の職場で、少し驚きました。デジタル戦略統括部ということもあり、服装も皆さんカジュアルです。いつも和やかに仕事ができる環境だなと感じています。
また、当行には私も把握しきれていないくらい多くの部署・業務があり、本当に多種多様な人が携わっています。裏を返せば、どんな強みや弱みを持っている人でも、活躍できる場はあるということです。努力次第で、自分の才能を開花させられる場所だと思います。

石井
全てのプロジェクトの根底に、抜本的に金融ビジネスを変革していこうという理念があり、自身の事業会社でデジタル領域に携わっていくイメージと合致していました。実際に、私の所属グループの業務はマネジメント層からも非常に注目されており、とてもやりがいを感じています。
また、個人的な話にはなりますが、業務を通じてAIに対する意識が変化していきました。実は、学生時代にはAIをひとつの技術に過ぎないと考えていました。しかし、ビジネス側で扱う立場になったことで、AIはあらゆる分野や業界を交差させるツールであり、機械学習のような技術領域の範疇を超え、多角的な視点で倫理観や哲学的な価値まで考究していくような領域横断的にアプローチしていく分野なのだと認識できました。
それは私にとって興味深い発見で、いい意味でのギャップでしたね。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 石井 千星
(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 石井 千星)

デジタル領域と業務知識の双方を高め、組織へ貢献

Q.MUFGのデジタル領域について働く魅力を教えてください。

田渕
当行にデジタル戦略統括部が新しく発足したことからも分かるように、当行が現在力を入れている領域です。デジタル領域では、常に新しいテクノロジーが勃興しています。また、各事業本部の戦略も意識しながら、各部門と横断的にやりとりしつつ業務を行うため、スケールが大きい領域である点も魅力ですね。

石井
AIといえば、ノーベル物理学賞と化学賞の両方に選ばれたことが記憶に新しく、いよいよ科学の最前線にAIが出てきたことを実感させられた象徴的な出来事でした。AI技術そのものは未完成ですが、「いち技術」で終わる存在ではなく、これからますます社会や文明までも変えていくものだと思っています。その分野で入行して間もないうちから、中心的に携われる貴重な経験を得られるのが、MUFGのデジタル領域で働く魅力です。時代は急変し、今ではコーディングはChatGPTがやってくれますので、より上流の要件定義などが必要とされる時代になったと思います。当行のデジタル領域にて組織の垣根を越えて業務を行うことで、ビジネスを俯瞰でき、より多角的な視点を持てるようになります。若いうちから上流工程に主体的に携わり、貴重な業務経験が積める点も大きな魅力です。

Q.今後の展望について教えてください。

田渕
現業務を通じてデジタル領域の知見を養っているので、今後はより顧客に近い位置で金融実ビジネスに携われる業務に従事していきたいです。最終的に金融とデジタル、双方の知見を磨いて、当行に貢献できる人材をめざしていきたいと考えています。

石井
金融は人々の生活に溶け込み、世の中のどこにでも介在しているため、あらゆるプロセスでその人が何かをしたいときに基盤から支えることができる点が、金融ビジネスの魅力だと思います。入行当初から、そういった金融の本質に携わりたいという思いが強かったため、単なるデジタル人材ではなく、デジタルと金融の両輪を意識しています。短期的な目標としては、AIに関する知見を高める努力をしつつ、早いうちに業務部署での経験を積み、銀行業務の知見を深めたいです。デジタルと金融の双方の視点を持ち合わせ、最終的には現在所属している部署のような戦略部署にて経営的な側面に携わりたいと考えています。

左から 三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 田渕 柊 石井 千星

Profile

※所属・肩書は取材当時のものです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 田渕 柊

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部

田渕 柊

大学院修士課程修了後、2022年に三菱UFJ銀行に入行。支店研修、システム研修を経て、AIクレジットモデルを含むデジタルレンディングビジネスに関わる業務に従事。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 石井 千星

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部

石井 千星

大学院修士課程修了後、2022年に三菱UFJ銀行に入行。支店研修、システム研修を経て、生成AI関連の業務やシステム所管に携わる。2024年12月からは大学との共同研究にも参画。