レンディングビジネスのレベルアップに貢献

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr 金子 剛樹)
—AIクレジットモデル開発チーム発足の背景と、ミッションについて教えてください。
金子(剛):三菱UFJ銀行ではアジアを第二のマザーマーケットと捉え、その高い成長力を取り込むために積極的な投資を行っています。特に個人向けのコンシューマファイナンスを扱う金融機関への出資には力を入れています。フィンテック企業に代表されるこれらの金融機関はAIなどの先進的なテクノロジーを駆使することで、銀行口座を保有していない層などに対する金融サービスも積極的に行っている点が、従来の銀行と大きく異なる点です。当行がこうした金融機関への出資を検討するに際し、テクノロジーを正しく評価・分析する専門チームが必要ということで発足したのが、AIクレジットモデル開発チームです。
出資先への評価・分析を通じて得た知見を当行で活用すると同時に、われわれが長年培ってきたリスク管理などの知見を出資先に提供するといった、Win・Winの取り組みができたらと考えています。
また、与信・審査に関する業務についてグループ全体に横串を通しつつ、レンディングビジネスの知見を集約し、グループ全体でのレベルアップにつなげていこうという、センター・オブ・エクセレンス(CoE)的な機能も併せ持っています。
山口:金子の言うように、銀行の審査部門や与信部門は、情報秘匿などの面からなかなか横のつながりを持ちにくい部署です。そこを横串にできるというのは、このチームの非常に大きなバリューと言えるでしょう。
—プロジェクトのおもしろみや難しさについてはいかがでしょうか。
金子(剛):東南アジアの出資先との信頼関係をつくりつつ知見を得ることはおもしろみであり、難しさでもあります。出資する側・受ける側という立場を超えてコミュニケーションするには、スペシャリストとして信頼いただくことに加え、同じグループの$275D仲間$275Eとしての関係を築くことが大切です。
山口:出資先とのオンライン会議に参加させていただくと、日本の金融機関では考えられないデータを取り扱っていることが判明するなど、非常に刺激を受けます。「こんなデータを与信審査に使っているのか」と、発見は多いです。
データを持つ当事者として携わるやりがい

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr 山口 彩)
—データサイエンティストである皆さんが三菱UFJ銀行を活躍の場に選んだ理由を教えてください。
金子(舜):私は学生時代にアメフトに打ち込んでおり、スポーツとデータ分析という領域に関心を持って就職活動を進めていきました。金融業界を選んだのは、社会的な影響力の大きさに惹かれたためです。なかでも深く感銘を受けたのは、東南アジアで配車サービスを展開している企業と連携し、タクシードライバーの勤務データに基づく融資など、デジタル金融の普及を通じて現地の生活基盤の向上に貢献しようとする当行の取り組みでした。ここであれば社会に非常に大きなインパクトを与えられるに違いないと考え、入行を決めました。
山口:前職ではデータ分析会社にて銀行のレンディング分野に関するデータ分析を行っていましたが、分析結果をどう活用していくかという点にはタッチできていませんでした。データを所有する当事者としてデータ活用方法の検討を行い意思決定に繋げたいとの思いが転職のきっかけとなりました。
当行に決めたのは、今までのレンディング分野に関する知見を活かすことができ、希望にフィットする人材を募集していたからです。一つのプロダクトに依存するのではなく、幅広い領域のサービスに携われる点も魅力でした。
金子(剛):私はデータサイエンティストとしてキャリアを積む中で、過去在籍した企業において、取引先の信用格付けモデルや倒産確率の予測モデルに携わってきました。そうした知見を活かしてキャリアアップしたいと考えたときにこのチームの存在を知り、入行しました。
金子(舜):新卒入行2年目の行員として、このチームの自由度の高さには大きな魅力を感じています。特に決まった定型作業はなく、チームとしてのミッションに沿ったものであれば、どんなことにチャレンジしてもかまわない雰囲気があります。グループ会社や他部署に対する提案もトップダウンではなく主体的に取り組むことができる環境です。実際、配属されてすぐに一つの案件を担当として任せていただき、こんなに早くから責任を持って取り組ませてくれることに驚きました。
これは当行全体にもあてはまるカルチャーだと感じています。たとえばTPOは考慮するものの基本的にはカジュアルな服装で勤務も可能ですし、出勤・退勤の時間や出勤場所などもフレキシブルに対応できます。入行前に想像していた銀行の雰囲気とはまったく違うことは、大きな驚きでした。
このようなカルチャーですので上司に対しても自由に意見が言えますし、誰とでも臆せずに壁打ちができます。よりよいアウトプットのためにも、オープンなカルチャーは重要なことだと感じています。
山口:主体的に挑戦できる環境でありつつ、チーム一体となって取り組むことを大切にする点も魅力です。複数のプロジェクトが並行して走る中、ミーティングの際も、全員がプロジェクトの当事者という意識を持っていることが感じられます。
金子(剛):多様な専門性を持った人材が集まっている点も見逃せません。このチームですと私たちはデータやテクノロジーに関する専門性が強みですが、詳しい金融知識を持ち合わせているわけではありません。その領域は銀行員としてキャリアを重ねてきたメンバーが担ってくれます。お互いの専門性をリスペクトしながら一体感を大切にして取り組めるところが大きな魅力でしょう。
日本社会全体にインパクトを与えていく

(三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr 金子 舜)
—今後、チームとしてどのようなアウトプットをめざしているのでしょうか。
金子(剛):オルタナティブデータを活用した新しい与信モデルに基づく新しいビジネスのようなアウトプットをイメージしていただければと思います。
また、行内の事業部門や関係会社から「新たなビジネスを立ち上げたいが、AIを活用した与信モデルについて相談したい」と声をかけていただくことが多く、その期待にもお応えしていきたいと思います。
山口:私は与信モデルに携わるデータサイエンティストとして、国内でレンディングサービスを展開するグループ会社に対してデータ分析やモデル開発のサポートをさせていただいています。その結果がレンディングモデルの高度化につながり、これまでファイナンスできていなかったお客さまを支援することができるようになったらうれしく思います。社会に与えるインパクトは非常に大きいでしょう。
金子(剛):日本最大の金融グループとしての取り組みですので、私たちがチャレンジしていることは必然的に日本社会全体に大きく影響を及ぼすことになります。
金子(舜):私はこのプロジェクトのほかに、スタートアップへの出資に関するプロジェクトにも参画しています。この両者を掛け合わせた領域で新しい価値を生み出せたらと考えています。
金子(剛):私たちのような、事業会社におけるテクノロジー人材は、「技術」と「事業」の間の架け橋となる「ハブ」のような存在であるべきだと思います。
私自身もハブとしての機能にさらに磨きをかけ、新たなモデルの開発を通じて社会に貢献していきたいと考えています。
Profile
※所属・肩書は取材当時のものです。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr
金子 剛樹
チームリーダー。総合商社、通信会社、保険会社、大手物流会社などでデータサイエンティストとして活躍。2023年にキャリア入行。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr
山口 彩
データ分析を専門とする企業で、データサイエンティストとして金融系データの分析を担当。2025年にキャリア入行。

三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部事業開発Gr
金子 舜
大学院で生命科学と情報科学の融合した領域の研究に携わる。2024年にシステム・デジタルコースで新卒入行。支店営業、IT研修を経て1年目の10月より現職。



