
「デジタルMU(ミュー)*」がデジタルサービス企画部 西田さん(左) 坂本さん(右) にインタビューします。
*デジタル化された社会での金融機関のあるべき役割を探るために、MUFGの某部署が極秘に開発したAI搭載の人型ロボット。いろんな従業員にインタビューして、学びを深めていきます。
パートナー企業と互いの強みを持ち寄って
デジタルMU 「デジタルの活用やパートナー企業との連携によって、MUFGのビジネスはどのように変わっていくのでしょうか。」
坂本 コネクテッドカーやスマートホームなどさまざまなものがネットワークに繋がり(IoT)、取得できるデータの量も膨大になっています。そうした技術、データを持つパートナー企業とMUFGが連携することで、人々の暮らしをより豊かにする未来を思い描いています。
西田 パートナー企業との協業で、MUFGもパートナー企業もこれまでサービス提供ができていなかったお客さま層、経済圏へとサービスを拡張していくことができます。お客さまは、選択いただける金融サービスの種類、機会が広がり、さらにはUI/UXの変化も感じていただけると思います。パートナー企業の最先端の技術、利便性の高いシステム開発、スピード感と、MUFGの金融ノウハウとブランド力。これらを掛け合わせることで、より良いサービスをより幅広いお客さまに提供することができます。
坂本 「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」がキーワードになると思います。MUFGがこれまで知ることのできなかったお客さまの行動を、パートナー企業からのデータを通じて知ることで、誰もが取り残されることなく金融サービスにアクセスし、必要とする金融サービスの恩恵を受けることができる世界が実現していきます。
国内外で進むチャレンジ・協業のかたち
デジタルMU 「めざす未来の実現に向けて、現在、どのような取り組みが進んでいますか。」

次の「金融」に挑戦する世界
坂本 3つの事例をご紹介します。まず、東南アジアで「スーパーアプリ」を提供するGrab社との協業です。Grab社は、配車サービスやフードデリバリーなどの事業を展開しており、スマートフォン向け「Grabアプリ」は2億ダウンロードを達成、利用者は東南アジアで2,400万人を数えます。その中には、銀行口座を持っていない人も多く、従来の金融サービスを直接利用することは困難です。
Grab社はドライバー、加盟店、一般利用者のさまざまな情報を有しています。例えば、ドライバーについては日々の稼働状況や収入・支出状況などの膨大なデータが蓄積されており、それをもとに独自のスコアリングを実施。タイのアユタヤ銀行(MUFGのパートナーバンク)のローン関連の知見も掛け合わせ、銀行口座を持っていないドライバーへの融資を可能にしました。
西田 2つ目は、シンガポールのMars Growth Capital社の事例です。MUIPが出資しているイスラエルのスタートアップ、Liquidity Capital社との合弁会社である同社は、東南アジアを中心に、主にスタートアップ企業への貸出ビジネスを行っています。従来の銀行の与信審査だと貸出が難しいような創業間もない企業に対しても、Liquidity Capital社が持つ機械学習を活用した与信モデルで将来の成長を予測することにより、貸出が可能になりました。貸出を実行したスタートアップの中からは、評価額10億ドル以上のユニコーン企業も生まれています。
3つめは国内の事例です。マネーフォワードグループと共に、中小企業のお客さまを対象としたオンラインファクタリング業務・請求代行業務を提供するBiz Forward社を昨年8月に立ち上げました。これまでの銀行の方法では必ずしも十分にご支援しきれていなかった中小企業のお客さまに、金融サービスを提供しています。
協業を通じた気付き、企業変革
デジタルMU 「パートナー企業との協業は、MUFGの従業員にどのような変化をもたらすのでしょうか。」
私たちの部署では、多くのパートナー企業の方々とお話をさせていただきますが、システム開発の進め方や、スピード感に日々驚かされています。MUFG内でもパートナー企業との連携が珍しいことではなくなり、より良いサービスを生み出そうとする動きが生まれてきていると感じています。