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第6期「MUFG Digital アクセラレータ」の総評 | 5社が得たものと今後の展望を語る

第6期「MUFG Digital アクセラレータ」の総評 | 5社が得たものと今後の展望を語る

今回で第6回を迎え、これまでに数々のスタートアップの成長、そしてMUFGとの協業を生み出してきた「MUFG Digital アクセラレータ」。2022年9月に始動した第6期プログラムは、メンター陣によるメンタリング、アドバイザーによるコーチング、専門家による支援を受けながら約4ヵ月間にわたって開催された。
各社が2023年1月26日に開催されたDEMO DAYにおける熱い13分間のピッチ、そしてプログラム全体について振り返り、今後の展望について以下のように語った。

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【グランプリ】Cloudbase株式会社 COO 小川竜馬氏

—DEMO DAY当日を振り返った感想を教えてください

当日会場に到着する前まではそこまで緊張していなかったのですが、実際に会場の空気に触れると一気に緊張してしまいました。一方で、人生で何回もない貴重な機会に主役の一人として参加できたことは、企業としてはもちろん個人としても大変光栄なことでした。
結果的には各賞に加えてグランプリを受賞でき、関わってくださったメンターをはじめとするチームの皆さまや社内のメンバーに、感謝の気持ちを分かりやすく示せてホッとしています。

—プログラム全体を通じて苦労した点はありましたか?

全体を通じてサポートしてくださる方々からギブしてもらってばかりになってしまい、MUFGにとってプラスな点を自分たちからはあまり提供できなかったことに、申し訳なさを感じています。その点に関しては、今後の成長を通じてお返ししていければと思っています。

—プログラムを通じて得られたこと・良かったことを教えてください

「出会い」がたくさんあったことが一番得られたことです。サポートしてくださったメンターの方々はもちろん、事務局に繋いでいただいた大企業の方々などとお会いでき、事業面でも明確な成果に繋がっています。

Cloudbase株式会社 COO 小川 竜馬氏
(Cloudbase株式会社 COO 小川 竜馬氏)

—今後の展望について教えてください

短期的な展望としては、事業としてしっかりとした「成長」を作りたい、と考えています。お客様に明確な価値提供をすることで、売上や利益といった面でも結果を残していきます。
会社のバリューである「Unlock」を体現するためにも、各目標値を「Unlock」して周りが驚くくらいの成長を見せたいです。
また、中長期的にも継続的に成長を続けることが目標です。数字としても数十億、数百億といった大きな数値も将来的には見据え、価値提供を続けていきたいと考えています。

今はクラウドに特化したセキュリティのプロダクトを提供していますが、今後は時代の進化に応じて増えていく新しい「守るべき領域」にいち早く気づき、皆さんの課題をいち早く解決できるようになりたいです。
国内だけではなく海外でも同じような課題が多くあるため、国内にとらわれず「どうしたら世の中により多くの価値を提供できるか」を念頭において事業を展開していきます。

【準グランプリ】株式会社MEME 代表取締役 齋藤舞氏

—DEMO DAYでの結果に対する感想を教えてください

率直に受賞できて嬉しいです。弊社が行っているお金や子育てに関わる事業は、賛否が分かれるということは理解していたのですが、今回評価していただいたのは会社にとっても事業にとっても非常に嬉しいことです。
これまでお話しさせていただいていた取引先の皆さまにも今回の結果を知っていただき、改めて色々なお話が進みそうと感じています。

—プログラムを通じて苦労した点・良かった点を教えてください

協力してくださる皆さまから新しい視点のさまざまな良い意見を頂戴できたのは良い点であった一方、それらの意見の中からどれを採用するべきかを非常に悩んだ4ヵ月間でした。
この選択によって事業の方向性が大きく左右されてしまうので、ある意味チャレンジの連続でした。ただ、さまざまな意見と向き合うことで、会社として進むべき事業の方向性を都度再確認できたのは非常に有意義でした。

また、社外の方々に弊社の事業に関して考えていただいたことを通じて、外部の方々との関わり方を学べたことは良い経験でした。外部・内部を含めた今後のチームビルディングに活かせると考えています。

株式会社MEME 代表取締役 齋藤 舞氏
(株式会社MEME 代表取締役 齋藤 舞氏)

—今後の展望について教えてください

まずは既存サービス「manimo」をベースに、新しく検討している保護者と学校間のお金のやり取りをスムーズにするサービス含め事業を上手く展開させていきたいです。それらを通じて、親子間でお金の大切さを間接的に伝えられるサービスにしていきたいと考えています。
中長期的には市場規模の拡大を行い、今まで日本になかった親子向けの金融サービスを提供しつつ、国外にも進出できればと思っています。
また、MUFGとの協業という面でも、今も毎週行っているミーティングを通じて着実に進めていき、これまでサポートしてくださった方々に嬉しい報告ができればと思います。

【Microsoft Award】株式会社Stayway 代表取締役CEO 佐藤淳氏

—プログラムを通じて苦労した点・良かった点を教えてください

弊社の場合、このプログラムを通じて何を目標にするのかを決める、というのが課題でした。
一方で、アクセラレータプログラムに参加しているからこそ得られたグループ会社のご協力もあり、ファクタリングサービスについての話が進むなど、多くの良いことが起こったと思っています。

—プログラムを通じて乗り越えたことを教えてください

今回のようなピッチを行うという経験はあまりなく、メンターの方々にアドバイスを頂きながら磨きをかけていけました。その際にブラッシュアップした資料はそのまま営業資料にも転用するなど、幅広く役立っています。

株式会社Stayway 代表取締役CEO 佐藤 淳氏
(株式会社Stayway 代表取締役CEO 佐藤 淳氏)

—今後の展望について教えてください

まずは中小企業庁や経済産業省と行う取り組みをしっかりと拡大していきたいと考えています。
また、現在取り組んでいる補助金テックという分野を拡張し、政府や自治体との連携という側面でガバメントテック、さらにはフィンテックの領域にも入っていく、というのが中長期的な目標です。
中小企業向けの補助金関連サービスの提供について、MUFGとの連携をより深めていきたいと考えています。

株式会社シナモン 事業開発部 新井恒希氏
同社事業開発部 守屋圭氏

—DEMO DAY当日を振り返った感想を教えてください

守屋氏:弊社は2名で登壇し、話す領域も違うので1ヵ月程前からお互いの役割分担について話し合っていました。当日もしっかりと伝えられたかどうか不安はあったものの、「やり切った」と言える場だったと思います。

新井氏:大勢の初めての方々に対して、どのように表現したり伝えたりすればいいのか、という点では反省すべきことがある、というのが正直な気持ちです。ただ一方で、メンターの方々の指導のおかげで自分に何が足りないのかが分かった状態で登壇できたので、今後どのようにすればステップアップできるのかも知ることができました。

—プログラムを通じて苦労した点・良かった点を教えてください

守屋氏:私のテーマが製造業向けということもあり、金融ビジネスにどう絡みを持たせられるか、というところが苦労した点です。一方で、メンターの方とビジネスモデルについてお話しさせていただいて、今後の方向性について定められたのは良かったと思います。
また、他の企業の方々のプレゼンを見て非常に勉強になったことも多くありました。

新井氏:AIを用いて何ができるのか、についてサポートしてくださった方々に上手く伝えきれない、というのが難しい点でした。そこで、「AIでできること」についてディスカッションを重ねることで、この問題は解決していけたと感じています。
また、プログラムの初期では「やること」を決めるに留まっていましたが、VCやメンターの方々とお話しする中で、「その技術をどのように使うのか」「使うとどのような変化が起こるのか」まで考えを深めることができました。

株式会社シナモン 事業開発部 守屋 圭氏と新井 恒希氏
(株式会社シナモン 事業開発部 守屋 圭氏と新井 恒希氏)

—今後の展望について教えてください

守屋氏:自然言語処理を使用したトラブルサーチの事業を今後も進めていき、個社別に導入しているサービスをしっかりとプロダクト化していくことに注力していきたいと思っています。
中長期的には、知識を集約したものをビジネスに転用していくKCT(Knowledge Centric Transformation)の市場領域において、AIベンダーとして国内海外問わず活動していこうと動いています。

新井氏:国際領域においてAI-OCRというサービスを利用できる、ということを本プログラムを通じて知ることができました。海外にも拠点があるという弊社の強みを活かして、海外でも展開していきたいと考えています。
中長期的には金融業界だけではなく、幅広い業界でソリューションを提供していきたいと考えています。

víz PRiZMA株式会社 代表取締役 柿田京子氏

—DEMO DAY当日を振り返った感想を教えてください

素敵なタイトルロールの動画をご用意いただいた華やかな場でピッチでき、楽しませていただきました。まだこれから花開く事業で、投資家の方々には物足りない部分も多かったと思いますが、目新しいコンセプトや、率直な提案が印象に残ったという声もいただき、嬉しく思いました。

—プログラムを通じて苦労した点・良かった点を教えてください

弊社のサービスが、「人生の最期に救われ、幸せを感じること」にフォーカスしている一方、今回関わってくださった方々の多くが年齢的に若く、サービスの本質への共感性を持ちにくかったと感じました。アート思考の中身を上手く伝えることができなかった点は、今後の課題です。
メンターや事務局の方々には、本当にお世話になり、感謝しています。参加企業の皆さまも含め、多くの方に出会えたことは、今後きっと活きてくると思います。また、DEMO DAYにあった「5期参加企業によるパネルディスカッション」における、5期に選抜された先輩ベンチャーのお話は、良い刺激でした。

víz PRiZMA株式会社 代表取締役 柿田 京子氏
(víz PRiZMA株式会社 代表取締役 柿田 京子氏)

—今後の展望について教えてください

社の体制刷新や資金繰りに奮闘中で、DEMO DAYのあとは疲れ果て、事業を止めることも考えました。しかし、お客さまからの応援や、「一緒にやりたい」といった声を頂戴する中で、改めてこの事業の価値を再認識でき、次へ進む意欲が湧いてきたところです。プログラムの成果もふまえ、進化したサービスを創っていきたいです。
まずは、現在のα版システムをベースに、小さな実績をつくりながらファンを増やし、資金調達。そして、できるだけ早期に海外も視野に入れたサービスインを実現させたいと思います。人がより幸せになれるエンディングシーンをめざし、頑張ります。