[ ここから本文です ]

多様な人材の活躍推進

ジェンダー

MUFGの持続的な成長には、性別によらず、社員一人ひとりが実力を存分に発揮し自分らしく活躍することが不可欠と考えています。加えて、性別の偏りなく、多様な視点や価値観を経営や組織運営に取り入れるためにも、女性のマネジメント比率の向上は特に重要な課題です。

MUFGでは、女性マネジメント比率について中長期的な数値目標を設定し、経営トップのコミットメントのもと、女性社員本人だけでなく、上司や同僚への研修や啓発活動を通じて、女性社員のさらなる活躍とジェンダー・ギャップの解消を推進しています。

ジェンダー

数値目標の設定

銀行、信託、MUMSSの3社では、2027年3月末までに日本国内の女性のマネジメント比率を27%とする合同数値目標を設定しています。これは、多様な視点や価値観をより経営に近い領域で反映することを目的としたもので、2031年3月末までに女性マネジメント比率30%を実現するマイルストーンです。

なお、2024年3月末時点で銀行、信託、MUMSSにおける日本国内の女性マネジメント比率は22.3%です。

グループ各社においても、さらなる女性活躍に向けた行動計画を策定し、目標達成に向けて取り組んでいます。

女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
三菱UFJ銀行
行動計画(PDF / 322KB)
三菱UFJ信託銀行
行動計画(PDF / 155KB)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
行動計画(PDF / 134KB)
三菱UFJニコス
行動計画(PDF / 167KB)
アコム
行動計画(PDF / 135KB)
三菱UFJアセットマネジメント 行動計画

女性活躍推進の取り組み

女性社員が自分らしく活躍するためには、キャリアの支援だけでなく、ライフイベントや健康課題との両立支援が重要です。加えて、女性社員本人だけでなく、その上司や同僚を含めた組織・職場全体での相互理解と助け合いが不可欠です。MUFGでは、それぞれのキャリアステージとライフステージにおいて女性社員を支援するため、「女性社員本人」と「組織・職場」、「キャリア支援」と「両立支援」の観点で、多岐にわたるプログラムを提供しています。
女性活躍推進の取り組み

キャリア支援の取り組み

銀行、信託、MUMSSでは、主に管理職の女性社員向けに、役員によるメンタリングを実施し、キャリア形成上の課題解決等をサポートしています。また、選抜研修として、「WILL研修(注1)」を合同で開催し、より上位職での活躍に向けて、戦略構築力や論理的思考力等を補完的に習得する機会を提供しています。

管理職未満を対象とする「WISH研修(注2)」では、キャリア形成やリーダーシップ等をテーマに、同程度の職位の女性社員やロールモデルとなる女性マネジメント層との対話を通じて、経営・管理職をめざしていくなど、次世代のリーダー育成にも力を入れています。

また、先輩社員にキャリアとライフイベントとの両立に関する悩みを相談できるオンラインでのネットワーキングの場など、さまざまなプログラムを提供しています。

  1. Women’s Initiative for Leadership and Learning
  2. Women's Initiatives Seminar on How to design our own career

両立支援の取り組み

MUFGでは、出産・育児、介護、不妊治療などとの両立を支援する、さまざまな制度やプログラムを設けています。また、配偶者の転居や単身赴任を伴う国内・海外転勤の際の退職者の再雇用や休職制度、勤務地変更制度等を設けて、キャリアの継続を支援しています。詳細は両立支援をご覧ください。

上司・同僚への取り組み

■上司の理解促進と実践の後押し

社員のキャリア形成には、部店長の育成力・サポートが不可欠であることから、銀行、信託、MUMSSの部店長約1,200名を対象とする「MUFGダイバーシティ・マネジメントフォーラム」を2022年度から実施しています。MUFG社長を含むトップマネジメントの登壇や、外部有識者やダイバーシティ・マネジメントを実践する部店長の対談を通じ、部店長が企業経営・組織運営における女性活躍の必要性・有用性を理解し、現場で実践することを後押ししています。
上司の理解促進と実践の後押し

■職場や同僚の理解促進

社員一人ひとりが、女性社員が抱える悩みや課題についての理解を高め、性別によらず自分らしく活き活きと働くことができる職場づくりを実践できるよう、MUFGでは社員に対してさまざまな取り組みを行っています。女性特有の健康課題との両立について職場でコミュニケーションを取る際のQ&A集の発行や、「国際女性デー」でのセミナーの開催、DEI啓発月間での研修等を通じて、女性活躍の風土醸成を行っています。詳細はインクルーシブな職場づくりをご覧ください。

海外における女性活躍推進の取り組み

米州

「The Multicultural Women Executive Leadership Program (MWELP)」は、南カリフォルニア大学の教職者と実業界の実務家によるさまざまなカリキュラムからなる、女性向けリーダーシップ育成プログラムです。より広範なリーダーシップを発揮するための知識、スキルなどを身につけられ、MUFGは2018年以来、米州で30名を超える優秀なリーダーを支援しています。
米州

欧州

2023年5月に開始されたWomen in TECプログラムは、「EMEA Tech Gender Diversity initiative」の一環で、テクノロジー分野で活躍する女性社員を対象に、キャリア形成に必要なさまざまなスキルを磨く機会を提供しています。専門スキルの獲得を支援する研修やメンタリング、参加者同士のネットワーキング、セミナーに加えて、外部のメンターとの対話や社外のイベントを通じ、参加者が直面するキャリアやワークライフバランスなどの課題をテーマとしたディスカッションの場としても活かされています。
欧州

男女の賃金の差異と是正に向けた取り組み

男女の賃金の差異の是正に向けた取り組みを行っています。詳細は、2024年3月期有価証券報告書 5【従業員の状況】をご覧ください。

男女の賃金差異の主な要因

①コース区分における男女比率の差異
銀行では、主に定型業務を担うBS職において、応募・採用ともに女性が中心であった経緯があり、同コースは人数も多く、総合職と賃金水準の差があることから、男女の賃金差異が生じる要因になっています。2025年4月より総合職とBS職のコースの壁を取り払い、全員がプロフェッショナル職となる予定です。誰もが実力本位で、職務をベースに成長・挑戦できる環境を整備することで、男女の賃金差異の是正に取り組みます。
②より上位の職層における女性比率の低さ
相対的に賃金の高い上位の職層における女性の比率が低いことが、男女の賃金差異の一因になっています。各事業領域の女性登用目標の設定やサクセッションプランの策定と実行、女性社員向けのメンタリングプログラムや研修の実施・拡充、並びに育成・評価・登用を行う管理職向けの啓発活動の継続により、上位の職層における女性比率の向上をめざします。
③労働時間の男女の差異
時間外労働や短時間勤務制度の利用等、男女間の労働時間の差異が賃金差異の一因になっています。柔軟な労働環境の整備をはじめとした働き方改革の加速により、男女の賃金差異の是正に取り組みます。

男女の賃金の差異

男女の賃金の差異
  1. 銀行、信託、MUMSSを対象に、全労働者・正規雇用労働者管理職以上・正規雇用労働者非管理職・非正規雇用労働者の区分ごとに算出。
    全労働者・正規雇用労働者は、他社への出向者を含み、他社からの出向者を除く。非正規雇用労働者は、嘱託を含み、派遣社員を除く。
    平均値は(女性の平均年間賃金)÷(男性の平均年間賃金)により、中央値は(女性の年間賃金の中央値)÷(男性の年間賃金の中央値)により、割合を算出。
    給与は、基本給および各種手当を合算した金額(賞与を除く)

LGBTQ

MUFGでは、性的指向・性自認等にかかわらず、自分らしく働ける職場づくりをめざし、性的指向・性自認等に基づくハラスメントや差別を禁止しています。LGBTQ当事者が利用できる社内制度を整備しているほか、職場の多様な仲間同士が尊重しあえるように、LGBTQへの理解促進と啓発に向けた活動を行っています。
LGBTQ

MUFG人権方針への明記

MUFGでは、雇用や就業におけるあらゆる差別の解消・撤廃に取り組んでおり、性的指向・性自認等による差別やハラスメント行為を容認しないことを明確にし、役職員にその遵守を徹底しています。

LGBTQ当事者が利用できる社内制度

銀行、信託、MUMSS、ニコス、MUSビジネスサービス、MUS情報システム、三菱UFJインフォメーションテクノロジーでは、社員の同性のパートナーを配偶者と同等と認定し、休暇や家賃補助等、社内の福利厚生の利用を可能とする「同性パートナーシップ認定」制度を導入しています。また、当事者がさまざまな相談を行える社員向けの相談窓口を設置している他、トランスジェンダー当事者が性別適合手術・ホルモン治療を受ける際には、休暇制度の利用が可能であり、就業との両立を支援しています。

LGBTQへの理解促進と啓発に向けた活動

LGBTQについて正しく理解し、職場の仲間同士が尊重しあえるように、社員を対象にLGBTQやアンコンシャス・バイアスに関する研修やハンドブックの展開を行っています。また、LGBTQの理解者・支援者であるAlly/アライを社内で顕在化させるとともに、当事者の存在を意識するきっかけとすることを目的に、レインボーカラーのオリジナルストラップを制作し、賛同する社員に配布しているほか、Ally/アライの社員同士がつながる社内コミュニティを設けています。

「PRIDE月間」として、世界各地でLGBTQへの支持を示すイベントが行われる6月には、グローバル各地域で、LGBTQの理解を深め、その権利を尊重するための取り組みを行っています。

LGBTQへの理解促進と啓発に向けた活動
性的指向・性自認によらず、すべての人が自分らしく胸を張って生きることができる社会の実現に向けて、東京で開催される「東京レインボープライド」(注)に2018年から毎年協賛・参加しており、オンラインブースの出展やSNS投稿、有志の社員による東京レインボープライド パレードへの参加を行っています。また、2022年からは、みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループと企業グループを越えた協働を行い、「PRIDEプロジェクト」と銘打ち、合同での社員向けLGBTQ啓発イベントの開催や情報発信を行っています。
  1. 特定非営利活動法人「東京レインボープライド」が主催する、LGBTQ当事者とそのAlly/アライが一堂に会する国内最大級の啓発イベント。
PRIDEプロジェクト

障がい者

MUFGは、障がいの有無にかかわらず一人ひとりがお互いに尊重し、支え合う共生社会の実現をめざしています。グループ各社では、障がいのある社員が、安心して働ける環境のもとで、能力・適性に応じた役割を担い、働きがいを得ることができるよう、さまざまな取り組みを継続的に行っています。

MUFGの取り組みの変遷

MUFGの取り組みの変遷

MUFGで活躍する障がいのある社員

MUFGでは、障がい特性に配慮した職場環境整備や特例子会社の設置により、障がいのある社員の活躍の場を拡げています。MUFG全体では、約1,400人の障がいのある社員が活躍しており、国内のグループでの雇用率は2.68%(注)(2024年6月1日時点)となっています。

障がい者雇用率推移

2022年度

2023年度

2024年度

2.56% 2.60% 2.68%
  1. 各年度6月1日基準。法定雇用率制度で定められた算出式を用いて、銀行、信託(前述の2社は特例子会社およびグループ適用関係会社を含む)、MUMSS、ニコス、アコム、三菱UFJアセットマネジメントにおける国内の雇用率を算出したもの。但し、2022年度および2023年度は、三菱UFJアセットマネジメントを含まない。

グループ各社で進む環境整備

グループ各社では、障がいのある社員にとって働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

銀行では、聴覚に障がいのある社員には、音声情報を文字情報に転換して表示する音声認識アプリ付iPadの配付や、非常警告灯(パトライト)の設置を実施しています。視覚に障がいのある社員には、パソコンの文字を音声に変換して出力する音声読み上げソフトを導入しているほか、盲導犬同伴で勤務する社員もいます。

MUMSSでは、2022年度にヘルスキーパー制度を導入し、本社にマッサージ室を開設しました。国家資格「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持ち、視覚に障害があるヘルスキーパーが、マッサージの施術や健康に関する助⾔を行っています。このような取り組みを通じて、社員の健康増進、疲労回復、業務の⽣産性向上等だけでなく、障がいの有無にかかわらずお互いに尊重し、支え合う職場づくりをめざしています。

特例子会社の設置

銀行および信託では特例子会社を設置しています。一人ひとりが能力・適性に応じた役割を果たすことによって、働きがいを得ながら、社会に貢献していくことをめざしています。

 

銀行

信託

特例子会社名 三菱UFJビジネスパートナー㈱ 菱信データ㈱
設立 1996年4月1日 1979年6月30日
事業所 神奈川、東京、名古屋、大阪 港南、青山、晴海
従業員(注) 466名(うち障がいのある社員365名) 95名(うち障がいのある社員64名)
事業内容 銀行関連事務の受託業務(公的調査、印鑑票電子化登録、印刷・発送 他) コンピュータへのデータ入力、名刺印刷、校正・印刷業務 他
  1. 三菱UFJビジネススパートナーは2024年4月1日時点、菱信データは2024年6月1日時点
社員の声

共生社会に向けた取り組みを深化

株式会社ミライロへの出資と共生社会に向けた取り組み

銀行は、株式会社ミライロが掲げる「バリア(障がい)をバリュー(価値)に変える“バリアバリュー”」の理念と事業内容に共感し、DEI推進の強化に向けたパートナーシップを目的として、2023年5月に同社に出資しました。

本出資を通じて、MUFGのお客さま、さらには社会全体への新たなサービスや価値の提供に取り組み、多様な人材が活躍できる共生社会の実現に向けて、より一層貢献していきます。

ミライロ出資

シニア人材

MUFGでは、シニア人材が豊富な経験や能力を最大限活かして、継続的に活躍できる職場づくりや自律的なキャリア形成の支援を進めています。

一定の年齢を迎える社員を対象に、多様な価値観に基づくキャリア形成を考えるための研修や能力開発を支援するプログラムを導入するほか、安定的な就労機会の提供と多様なニーズに応えられるよう、定年以降も柔軟な勤務形態での継続雇用制度を設けています。

海外現地採用者

MUFGは、世界40以上の国でビジネスを展開しています。海外では現地での採用を積極的に推進しており、全社員のうち、約63%が海外現地での採用者です(2024年3月末時点)。グローバル各地域の社員一人ひとりが、それぞれの違いを尊重し、活かし合いながら活躍できる職場環境をつくるとともに、各国の人材から「MUFGで働きたい」と思われるよう、国内外において企業ブランドの醸成を進めています。
海外現地採用者
  1. 2024年3月末時点のMUFGにおける割合
  2. 2024年3月末時点の銀行における外国籍の執行役員の人数
  3. 2024年3月末時点の国内外の管理職のうち海外採用社員が占める割合(銀行・MUMSSは海外支店・PBを除く実質支店現地法人。信託は海外支店のみ)
海外拠点の主要ポジションにおいて、海外現地採用者・本邦からの日本人派遣社員の分け隔てなく人材を配置しています。海外人材プールの拡充に向けて、海外現地採用者・本邦採用者一体で幅広い世代に研修機会を提供しています。

 

2022年度

2023年度

海外拠点社員における海外採用者比率 93% 93%
海外拠点マネジメントにおける海外採用者比率 86% 87%
  1. 銀行、MUMSSの海外支店・パートナーバンクを除く実質支店現地法人と信託の海外支店

キャリア採用者

MUFGでは、多様なバックグラウンドやスキルを持つプロフェッショナル人材が、さまざまな専門領域で活躍しています。グループ各社は、各種研修やOJTを通じて積極的に人材育成に取り組んでいますが、事業の強化や新事業の進出や展開に際しては、当該分野の専門知識を持つ即戦力の人材が求められることがあります。そのため、外部からの人材採用や業務領域別の採用を積極的に行っています。
キャリア採用
  1. 2023年度の銀行・信託・MUMSS・ ニコス・アコム・三菱UFJアセットマネジメントにおける、キャリア採用者数が新卒・キャリア採用者の合計に占める割合
  2. 2024年3月末時点の銀行・信託・MUMSSの国内管理職(上席調査役等の管理監督者を含む)に占めるキャリア採用者の割合
(2024年10月時点)