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アセットマネージャーとしての気候変動対応

アセットマネージャーとしての気候変動対応

アセットマネージャーとしてのTCFD対応

MUFG傘下のアセットマネジメント会社は、TCFDにアセットマネージャーとして賛同し、受託しているポートフォリオの運用を通じ、投資先の気候変動への対応状況を分析し、影響度を評価する取り組みを進めています。

信託は、TCFDが推奨する、気候変動関連のリスクおよび機会に関して主要4 要素(「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」)に沿って開示しています。気候変動に関する情報開示を行うことで、お客さまにポートフォリオの状況をご理解いただくと同時に、投資先企業へ気候変動への対応を働きかけていきます。

ポートフォリオのGHG排出量関連指標

MUFGでは、受託しているポートフォリオについて株式と社債を対象に、気候変動関連のリスクと機会を測定・評価する指標として、GHG排出量関連指標(GHG総排出量、カーボンフットプリント、加重平均炭素排出係数)を計測し評価しています。GHG排出量関連指標の測定に際しては、Institutional Shareholder Services(ISS)社を通じたデータ収集および分析手法により算出を行っています。MUFG AM(注)と、ファースト・センティア・インベスターズを合算した全投資先の年間GHG総排出量(Scope1およびScope2)の分析結果は、22.4百万tCO2­e(2022年3月末時点)となることを確認しています。

  1. 信託およびその子会社である三菱UFJ国際投信、エム・ユー投資顧問、Mitsubishi UFJ Asset Management(UK)
ポートフォリオのGHG排出量関連指標
GHG排出量関連指標
  • GHG総排出量(Total Carbon Emissions):ポートフォリオに関連したGHG総排出量
  • カーボンフットプリント(Carbon Footprint):GHG総排出量を、ポートフォリオの時価で割った値
  • 加重平均炭素排出係数(WACI-weighted average carbon intensity):ポートフォリオの構成比率に応じて投資先企業の売上当たり原単位排出量を加重平均した値

分析を通じた気候変動リスクの把握

シナリオ分析

MUFG では、IEA(注1)が2019年に公表したパリ協定(気温上昇を2°Cより十分下方に抑えるとともに1.5°Cに抑える努力を継続すること)に基づく「Sustainable Development Scenario(SDS)(注2)」によるISS社の分析手法により、受託している株式、社債を対象として、ポートフォリオに含まれる投資先企業の2050年までのGHG総排出量の移行経路を予測しました(注3)

分析評価の結果、対象資産を単一ポートフォリオとしてGHG総排出量の推移を予測したところ、現時点において、ポートフォリオの対象企業は許容されているGHG排出量の約60%を占めており、2038年には「SDS」を超過する見通しです。MUFGは分析結果を踏まえ、中長期的な移行リスクを抑制するべく投資先企業に働きかけることが重要であると考えています。

  1. IEA:International Energy Agency 国際エネルギー機関
  2. SDS(Sustainable Development Scenario):パリ協定達成に向けた温暖化政策や投資が実施、SDGsなど持続可能な開発目標の達成に向けて進展するシナリオ
  3. 分析対象は、化石燃料生産業をのぞく全業種:Scope1~2、化石燃料生産業:Scope3、電力:Scope1
投資先企業のGHG排出量の移行経路
投資先企業のGHG排出量の移行経路

アセットマネジメント会社としての気候変動への取り組み

MUFGは、気候変動が社会や経済に大きな影響を与え、ひいてはお客さまのポートフォリオの価値を毀損させるリスクを認識しています。一方で投資先企業が先見的に対応することで、気候変動の影響が大きなビジネス機会になり得ると考えています。アセットマネジメント会社として気候変動がポートフォリオにもたらすリスクと機会を踏まえ運用能力の向上に努めることはもちろんですが、投資先企業との対話を通じて適切な対応を促し、またその他のステークホルダーとも連携することを通じて気候変動課題の解決に貢献できると考えています。
重大な「ESG課題」として気候変動を位置付け

MUFGは、マテリアリティ・マトリックスにおいて、「社会における重要度」、「MUFG AMの運用における重要度」の視点から、資産運用におけるESG課題をマッピングしています。その中で、気候変動対応を、特に「重大なESG課題」の一つとして特定しています。(マテリアリティ・マトリックスの採用は本邦運用機関初)

投資価値向上のためには、気候変動への取り組みは不可欠であると考えています。投資先とのエンゲージメント等により、脱炭素社会への円滑な移行に貢献します。

マテリアリティ・マトリックス

次の4つの分野を中心に、MUFG AMは気候変動課題への対応に取り組んでいます。

エンゲージメント/議決権行使

投資による資金供給・回収だけでは、実世界におけるGHG削減への効果は限定的であると言わざるを得ません。MUFGは、エンゲージメント(投資先との「目的を持った対話」)や議決権行使を通じて、個々の投資先企業がGHG排出量の削減に取り組むことを促しています。そのことが、気候変動問題を円滑な解決に導くと同時に持続的な投資価値の向上につながると考えます。MUFGは投資先の持続的な価値向上の観点から、ESG課題についてエンゲージメントを行っています。

また、グローバルな投資家のイニシアティブであるCA100+(Climate Action 100+)に参画しています。CA100+は、GHG排出量の多い企業約160社を対象として協働して排出量削減に向けた取組みを促すエンゲージメントを行っています。リードインベスターの一社として、対象となる日本企業へのエンゲージメントを主導しています。

気候変動対応としての運用商品

MUFG-AMは原則として受託財産に係る全ての運用資産について、ESGの観点を運用プロセスへ組み込む工夫を進めています。その中でも気候変動問題への対応に着目した運用商品につきましてはお客さまのニーズに合わせて、ローカーボン・インデックス連動型パッシブ運用や、持続可能なエネルギーに着目したアクティブ運用などの運用商品をご提供しています。

 

<ご提供している運用商品(例)>

・MAXISカーボン・エフィシェント日本株上場投信

・iSTOXX MUTB Japan Low Carbon Risk 30指数連動型運用

・グリーン・テクノロジー株式ファンド(アクティブ・外部委託)

・サステナブル・エネルギーファンド(アクティブ・外部委託)

イニシアティブとの連携
Net Zero Asset Managers initiative(以下NZAM)は、気候変動問題の解決に取り組む資産運用会社を中心としたグローバルなイニシアティブです。NZAMは、パリ協定で合意された目標(世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする)を達成するために、同協定の趣旨に賛同した世界の資産運用会社が2050 年までに投資先のGHG排出量のネットゼロ実現をめざすもので、MUFG AMは2021年11月から参画しています。NZAMに参画する運用会社は、a.脱炭素化を支援するためのアセットオーナとの協働、b.ネットゼロ達成に向けた中間目標の設定、c.5年ごとの中間目標の見直し、が求められますが、このうち中間目標の設定については、2022年10月をめどに公表する予定です。
イニシアティブとの連携
サステナブル投資に関する調査・研究と情報発信
2021年5月、MUFGとその傘下の資産運用会社であるファースト・センティア・インベスターズは協働で「MUFGファースト・センティア・サステナブル投資研究所」を設立しました。同研究所は、サステナブル投資の普及と世界の資本市場の発展、ESG課題の解決を推進し持続可能でより良い世界の騒動に貢献することを目的に、中立性の高い実践的なリサーチ情報を世界の機関投資家に発信しています。
サステナブル投資に関する調査・研究と情報発信
(2022年9月現在)