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ハイライト

ハイライト

MUFGでは、持続可能な社会の実現に貢献するため、優先的に取り組む環境・社会課題の一つに「気候変動対応・環境保全」を掲げています。

また、MUFGは、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、金融安定理事会(FSB)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD)が策定した提言を支持するとともに、TCFDが開示を推奨する、気候変動に関するリスクおよび機会に係る「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿った情報開示を進めています。

TCFD提言への対応状況

ガバナンス

気候変動に関するリスクおよび機会に係る組織のガバナンスを開示する

 

a.気候変動に関するリスクおよび機会に関する取締役会の監督について説明する

b.気候変動に関するリスクおよび機会の評価・管理する上での経営陣の役割を説明する

● 気候変動に対応するガバナンスー取締役会が気候変動への取り組みを監督
  • 気候変動を含む環境・社会に係る機会およびリスクについて、経営会議傘下のサステナビリティ委員会で定期的に審議。テーマに応じて、同じく経営会議傘下の投融資委員会や与信委員会、リスク管理委員会においても審議。委員会での審議内容は、経営会議への報告後、取締役会に報告・審議
  • 投融資委員会およびリスク管理委員会での審議内容は、社外取締役を中心に構成されるリスク委員会で審議された後、取締役会に報告

環境配慮を実践するための行動指針である「MUFG環境方針」を制定(2018年5月)

  • 2021年5月より取締役会にて決定。気候変動を含む環境に係る積極的な開示を明示
気候変動を含む環境・社会課題への取り組みの推進強化と責任の明確化を目的に、グループCSuO(Chief Sustainability Officer)を設置(2020年5月)
● 環境・社会分野の社外アドバイザー(2名)招聘・活用(2019年以降)
● 役員報酬にESG要素を反映(2021年度以降)
  • サステナビリティ経営のさらなる進化のため、2021 年度より役員報酬の業績連動指標の見直しを行い、ESG 評価機関による外部評価の改善度を導入

戦略

気候変動に関するリスクおよび機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす実際の影響および潜在的な影響について、その情報が重要(マテリアル)な場合は、開示する

 

a.組織が識別した、短期・中期・長期の気候変動に関するリスクおよび機会を説明する

b.気候変動に関するリスクおよび機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響を説明する

c.2°C以下のシナリオを含むさまざまな気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスを説明する

● MUFGカーボンニュートラル宣言公表後の進捗を開示(2022年4月)
  • 2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロ、2030年までの自社のGHG排出量ネットゼロを宣言(2021年5月)
【カーボンニュートラル実現に向けた主な取り組み】
  1. 投融資ポートフォリオネットゼロ
    ・「電力」、「石油・ガス」を優先セクターとして選定し、実績の計測(2019年)および2030年の中間目標を設定
    ・「電力」は、排出原単位を349gCO2e/kWhから156-192gCO2e/kWhに削減、「石油・ガス」は、絶対排出量を83MtCO2から15%-28%削減する目標
  2. ファイナンスを通じた脱炭素化
    ・GHG排出量の把握から、削減計画の策定や実行、カーボンオフセットに至るまでの多様なソリューションを提供。ルール策定や市場設計にも積極的に取り組み
  3. 自社排出ネットゼロ
    ・グループ・グローバルベースで自社のGHG排出量を計測、集計
    ・銀行・信託・証券の国内自社契約電力100%再エネ化を完了。これにより国内排出量の約6割(グローバル排出量の約3割)を削減。また2022年6月にはニコス・アコムも国内自社契約電力の再エネ化を完了させ、国内のMUFG連結子会社全社での自社契約電力再エネ化を完了
  4. イニシアティブ参画とカーボンニュートラル実現を支える体制の強化
    ・Net-Zero Banking Alliance(NZBA)では、トランジション・ファイナンスの枠組み作りを担うFinancing & Engagement部会の議長に就任
    ・イニシアティブにおける議論を通じて、世界の潮流やグローバル金融機関の動きなど、広く情報を収集し、MUFGの取り組みを強化
    ・グループ・グローバルベースのカーボンニュートラル推進プロジェクトチームを中心とする体制を構築、CEOをはじめとする主要なマネジメントが参加するステアリングコミッティを通じて議論をし、意思決定を実施
  5. 責任投資を通じた脱炭素化
    ・「気候変動」を「重大なESG課題」の一つに位置付け、投資先とのエンゲージメントを推進
    ・2021年11月にNet Zero Asset Managers initiative(NZAM)に加盟し、取り組みを加速。2022年10月までに2030年の中間目標を設定
  6. その他の取り組み
    ・クルンシィ(アユタヤ銀行)がカーボンニュートラルビジョンを宣言(2030年までの自社排出の脱炭素化、2050年までの金融サービスの脱炭素化にコミット)
    ・MUFG環境・社会ポリシーフレームワークの改定により、発電事業向けの新規の一般炭採掘事業へのファイナンスを禁止するなど厳格化
● サステナブルビジネスの推進体制強化
  • MUFGのサステナビリティ領域における国内外の知見を集約し、環境·社会課題解決起点で各種情報やソリューション提供を通じて、お客さまの持続的成長を支援するため、サステナブルビジネス部を新設(2021年7月)
  • カーボンニュートラルに向けた産業構造の転換やお客さまの事業変革を支えるために、お客さまの脱炭素化への移行(トランジション)や、イノベーションに対してソリューションを提供。ファイナンス面では、サステナブルファイナンスの商品や手法を充実させ、お客さまの脱炭素化を支援
  • お客さまのエネルギートランスフォーメーションを支援するため、金融セクター全体でどのような貢献ができるかを検討すべく、エネルギートランスフォーメーション戦略プロジェクトチーム(EX戦略PT)を立ち上げ、営業部門の社員約300人で月次会合を開催し、お客さま、業界団体・官公庁と対話を行いながら検討
  • 国内だけではなく、欧州、米州、アジアに配置したESG 推進責任者とともに開催する「Global ESG Conference」等を通じて、インテリジェンスや事業機会を集約する体制を構築
● お客さまニーズを起点とするエンゲージメント活動
  • EX戦略PTを通じ、お客さまごとに異なる課題・ニーズを起点としたエンゲージメントを推進
  • 日系・非日系のお客さま約550社にエンゲージメントを実施
● お客さまニーズを起点とする脱炭素ソリューションの開発・提供
  • GHG排出量可視化支援をはじめ、TCFDコンサルサービスを通じた戦略策定支援、ファイナンス提供を通じた投融資支援、海外カーボンクレジットの日本企業への展開等
● 気候変動に関するリスクと機会
  • 気候変動に関するリスクとして、TCFDの提言を踏まえ、リスクの分類の拡充や移行リスクおよび物理的リスクそれぞれの事例を把握、開示を拡充
<移行リスクおよび物理的リスクの事例>

リスク分類

移行リスクの事例 物理的リスクの事例

時間軸(注)


信用リスク
・政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる、顧客の事業や財務への影響 ・異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及

短期~長期



市場リスク
・脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券や、それに派生する金融商品等の価値の変動

・異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券等の価値の変動

・異常気象の影響に対する市場参加者の中長期的な見通しや期待が変化することによる保有有価証券等の価格の変動

短期~長期

流動性リスク
・移行リスクへの対応の遅延などによる自社の信用格付の悪化を受けての市場調達手段の限定、それに伴う再資金調達リスクの上昇 ・異常気象で被災した顧客の復旧・復興に向けた預金引出・コミットメントライン利用に伴う資金流出の増加

短期~長期

オペレーショナルリスク ・CO2削減対策や事業継続性強化のための設備費用の増加 ・異常気象による被災に伴う本支店やデータセンタ―における業務の中断

短期~長期



評判リスク

・カーボンニュートラルに向けた計画や取り組みが外部ステークホルダーから不適切または不十分と評価されることによる評判の悪化

・環境への配慮が不十分な取引先との関係継続や、自社の移行が遅延することによるMUFGの評判悪化、雇用への影響

・異常気象の影響を受けた顧客やコミュニティへの支援が不十分であることによる評判の悪化、事業の中断 短期~長期

戦略的リスク
・脱炭素社会への移行に向けた公約を遵守しないことで、MUFGの評判に影響を与え、戦略の遂行へネガティブに影響 ・異常気象からの直接的な影響や、長期計画への適切な反映を怠ることによる戦略・計画の未達 中期~長期
  1. 短期:1年未満、中期:1年~5年、長期:5年超
  • 気候変動に関する機会として、サステナブルファイナンスを推進。2019年度から2030年度までに累計35兆円(うち環境分野18 兆円)の目標を設定し、2021年度実績は累計14.5兆円(うち環境分野5.4兆円)
● シナリオ分析の強化(下線は更新した内容)
【移行リスク】
エネルギー、ユーティリティ、自動車の3セクターに鉄鋼、空運、海運セクターを追加するとともに、国際エネルギー機関(IEA)のシナリオとNGFS(注)シナリオも含めた分析を実施
シナリオ

・IEA による「持続可能な開発シナリオ(2°C(未満)シナリオ)」、NGFS が公表した1.5°Cシナリオを含む複数のシナリオ


分析手法
・個社レベルのボトムアップ手法とセクターレベルのトップダウン手法を組み合わせて影響を評価する統合的アプローチを採用し、各シナリオにおける信用格付への影響を分析するとともに、当該セクターの与信ポートフォリオ全体の財務インパクトの影響について分析
対象セクター ・エネルギー、ユーティリティ、自動車、鉄鋼、空運および海運セクター
対象期間 2022年3 月末を基準とし、2050年まで
分析結果 ・単年度ベース15億~285億円程度(前回結果:15億円~230億円)
  1. 気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System)
【物理的リスク】
発生頻度、被害状況とも顕著である水害を対象とし、対象期間を2100年まで延ばして分析を実施
シナリオ

・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)にて公表されているRCP2.6(2 °Cシナリオ)、同8.5(4°Cシナリオ)


分析手法

・水害発生時の被害推定の分析を実施し、水害の発生が与信先に与えるデフォルト確率の変化を用いて与信ポートフォリオ全体への影響を計測するアプローチを採用

・財務インパクトの計算においては、与信先の業務停止期間や保有資産の毀損等を反映

分析対象 ・水害
対象期間 2022年3 月末を基準とし、2100年まで(前回期間:2021年3月末を基準とし、2050年まで)
分析結果 ・累計1,155億円程度(前回結果:380億円程度)

 

リスク管理

気候変動に関するリスクについて、組織がどのように識別・評価・管理しているかについて開示する

 

a.組織が気候変動に関するリスクを識別・評価するプロセスを説明する

b.組織が気候変動に関するリスクを管理するプロセスを説明する

c.組織が気候変動に関するリスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の統合的リスク管理にどのように統合されているかについて説明する

● 気候変動に対応するリスク管理態勢
  • 気候変動に関するリスクを最も注意すべきリスクの一つと認識しており、経営会議傘下の投融資委員会や与信委員会、リスク管理委員会において審議。投融資委員会およびリスク管理委員会での審議内容は、社外取締役を中心に構成されるリスク委員会で審議された後、取締役会に報告
● リスクアペタイト・ステートメントへの反映
  • 2021年度より、リスクアペタイト・ステートメントに、気候変動に関するリスクを追加
● トップリスク管理への反映
  • 気候変動に起因するリスクを、トップリスクの一つに位置付け
● 気候変動に関するリスクに係るグループ・グローバルベースでの管理枠組みを構築
  • 気候変動に関するリスクについての管理枠組みを検討すべく、グループCRO(Chief Risk Officer)を長とし、持株・銀行・信託・証券のCRO、および持株・銀行の地域CROが参加するプロジェクトチームを設置。規制動向等の把握・共有やリスク管理の枠組みをグループ・グローバルで構築することを通じ、リスク管理の強化を推進
● 「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」に基づくファイナンスに係る環境・社会配慮の実施
  • 気候変動関連セクターのパーム油、鉱業(石炭)セクターを厳格化、石油・ガスセクターを改定(2022年4月)

指標と目標

気候変動に関するリスクおよび機会を評価・管理する際に使用する指標と目標を、そのような情報が重要(マテリアル)な場合は、開示する

 

a.組織が、自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候変動に関するリスクおよび機会を評価する際に用いる指標を開示する

b.Scope 1、Scope 2、および該当する場合はScope 3 の温室効果ガス排出量と、その関連リスクについて開示する

c.組織が、気候変動に関するリスクと機会を管理するために用いる目標、および目標に対する実績について説明する

● 投融資ポートフォリオからのGHG排出削減目標(MUFGのScope3)
  • 電力、石油・ガスセクターについて2030年までの中間目標を設定(2022年4月)
    ・電力セクター   :156-192gCO2e/kWh(2030年) ※349gCO2e/kWh(2019年実績)
    ・石油・ガスセクター:2019年比削減率15%-28%(2030年) ※83MtCO2e(2019年実績)

● 自社排出ネットゼロ(MUFGのScope1,2)

  • 2021年度のグループ・グローバルベースでの自社GHG排出量(速報値)を集計、開示。2021年度(速報値)実績は、Scope1+2合計で24.9万tCO2
  • 2022年6月までに国内のMUFG連結子会社全社の自社契約電力100%再エネ化を完了
● サステナブルファイナンス
  • 2019年度から2030年度までに累計20兆円(うち環境分野8兆円)としていたサステナブルファイナンスの目標金額を累計35兆円(うち環境分野18兆円)に上方修正(2021年4月)。2021年度実績は累計14.5兆円(うち環境分野5.4兆円)

● 再生可能エネルギープロジェクトファイナンスによるCO2­削減目標

  • 2019年度から2030年度までの累計で、7,000万トンとするCO2削減目標を設定、進捗状況を開示(2021年5月)。2021年度実績は2,683万トン
● 炭素関連資産(与信残高)
  • 既に開示済みのエネルギーおよびユーティリティセクターに加え、2021年10月のTCFD提言の改訂を受けて、炭素関連資産として示されているその他(運輸、素材・建築物、農業・食料・林産物)セクターの内訳を新たに開示
● 石炭火力発電関連与信(プロジェクトファイナンス)
  • 2030年度に2019年度比50%削減、2040年度を目途にゼロとする貸出金残高削減目標を設定・開示(2020年10月)。2021年度実績は2,955百万米ドル(注)
  1. 2019年度実績は3,580百万米ドル
● 石炭火力発電関連与信(コーポレートファイナンス)
  • 2040年度を目途にゼロとする残高削減目標を設定・開示(2022年4月)。2021年度末実績は約900億円
(2022年9月現在)