[ ここから本文です ]

日本経済新聞社主催による「日仏フォーラム2023」で工芸を紹介

トークセッションを開催

2023年9月にフランスのパリ日本文化会館において日本経済新聞社主催による「日仏フォーラム2023」が行われました。

MUFGはフォーラムの一環として、ものづくりの革新や、工芸の視点がビジネスにもたらすヒントをテーマにしたトークセッションを開催しました。

トークセッションでは、MUFGの工芸プロジェクトの総合監修を務める東京芸術大学名誉教授の秋元雄史氏、株式会社細尾 代表取締役社長の細尾真孝氏、シャネルle19ⅯディレクターHélène de BUHREN氏、Aska YAMASHITA氏にご登壇いただきました。

トークセッション

トークセッションでは、ものづくりに関する考え方や、工芸やものづくりの視点がビジネスの世界に与えるヒントについて議論されました。登壇者の主な発言は以下の通りです。


・Aska YAMASHITA氏

「Le19Mは、シャネルが大切に保全したいと考える伝統技術を有する技術者600名の集積です。これまでの技術のうえに、現代的なセンスを取り入れながら日々新しいものづくりを行っています。ラグジュアリー分野においても、伝統技術を内装やインテリアなど新しい分野に広げていくことでビジネス拡大の可能性が考えられます。」

・Hélène de BUHREN氏

「職人がものをつくるのと同時に、広報も大切だと考えています。将来の消費者は環境を意識して現在よりもっとローカルで高品質なものを求めるようになると予想しています。手仕事・伝統技術の保全はその時に備えた投資でもあると思っています。」

・細尾真孝氏

「従来のエコシステムは崩壊し、職人が生きづらくなっていますが、一方で細尾のテキスタイルが建築の内装に使われるように、発想の転換によって伝統が他の産業分野で活用されるということも起きています。今は時代の転換点です。日本には世界の人が知らない技術がまだまだあり、それはチャンスであると考えています。」

・秋元雄史氏

「工芸とビジネスは一見すると共通点が見出しにくいですが、プロセスを見ていくことでシェアできる考え方があります。伝統の上に革新を重ねる工芸の姿は、伝統の中からイノベーションを考えるビジネスの世界にも示唆を与えてくれると思います。 」

会場内にプロジェクトのコンセプト「伝統と革新」を体現する工芸品を展示

日仏フォーラムの開催にあわせ、9月18日~26日にはパリ日本文化会館にて日本の工芸作品の展示を行いました。多くの方にご来場いただき、日本の工芸を世界に発信することができました。
パリ日本文化会館にて日本の工芸作品の展示
パリ日本文化会館にて日本の工芸作品の展示